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<北海道知事選・緊急リポート「激突」>上 擁立曲折、時間切れ

(02/16 07:30、02/17 00:02 更新)

 3月26日の告示が間近に迫った道知事選は、民主党北海道がフリーキャスター佐藤のりゆき氏を支持する方針を決め、4選を目指す高橋はるみ知事と対決する。佐藤氏への支援決定をめぐる水面下の各党の動きや、迎え撃つ高橋知事の動向を踏まえつつ、決戦の行方を展望する。

           ◇

 「責任を感じている」。15日午前、札幌市内。フリーキャスター佐藤のりゆき氏支援を決める北海道政権戦略会議の直前、民主党北海道の横路孝弘代表は勝部賢志幹事長と会い、辞表を手渡した。勝部氏は慰留したが、横路氏の決意は固かった。

 代表辞任の理由は、旧社会党時代を通じて初めての独自候補擁立断念とされる。しかし横路氏は、高橋はるみ知事の対抗馬一本化に向け佐藤氏支援を求める声が党内で強まっていた1月下旬、佐藤氏について「推薦に値しない」と記者団に明言した。こうした発言を覆すのは「メンツが許さなかった」(党関係者)ようだ。

 横路氏が佐藤氏を拒絶したのは、「高橋知事の応援団」を公言するなど過去の言動に不信感を抱いていたためとされる。

 また、民放の看板キャスターだったころの批判的な人物評が雑誌に掲載されるとの情報も気にしていたといい、支援決定を先送りしたのも記事の内容を確認してからという判断があったとされる。

 横路氏は4日、東京都内で、統一地方選で協力する新党大地の鈴木宗男代表と会談。鈴木氏は急きょ上京した佐藤氏を同席させようとしたが、横路氏に拒まれたとみられている。

 横路氏ら執行部はこの間も独自候補の擁立を模索。同様に佐藤氏支援に難色を示していた党北海道ナンバー2の徳永エリ参院議員(53)に出馬を迫った。

 だが、その徳永氏も国政課題への意欲を理由に要請を固辞し、一転、佐藤氏支援を容認。徳永氏は13日、札幌市内で開いた自身の政治資金パーティー後、カメラの放列に取り囲まれ、諦めたように言った。「時間の限界です」

           ◇

■共闘めぐり、つばぜり合い

 「佐藤のりゆきさんの支援を決めました」。15日夕、札幌市内の佐藤氏の後援会事務所に電話があった。声の主は民主党北海道の勝部賢志幹事長。近く政策協議を持ちたいとの意向を伝えてきたという。

 民主党内では既に政策協議の窓口を誰にするかなどの準備に着手。「高橋道政の継続の是非」を最大の争点とし、脱原発などの重点政策のすり合わせを急ぐ考えだ。

 ただ、横路孝弘氏の代表辞任後、トップ不在のまま選挙戦に突入する党は不安もはらむ。

 知事選候補者選びが迷走した影響で、定数101を争う道議選も候補者擁立が進まず、1月下旬の党定期大会までに公認、推薦、支持候補は大地系を含め40人と、目標とする過半数獲得は絶望的な情勢だ。党内には「横路氏だけでなく、執行部は総辞職するべきだ」との声もくすぶる。

 1年余りに及んだ知事選候補者選びが決着した15日の記者会見。横路氏に代わって指揮を執ることになった勝部氏は「高橋4選は断固阻止しなければならない課題。そこで勝利できれば、党再生の大きな足がかりとなる」と、自らに言い聞かせるように力を込めた。

 一方、民主党の後ろ盾を得た佐藤氏にとって、次に気がかりなのは、昨年末の衆院選比例代表道ブロックで約30万票を獲得した共産党の動向だ。

 民主党の方針決定を受け、共産党道委員会幹部は15日、佐藤氏支援の最終調整を進める考えを表明。党関係者は既に佐藤氏側と接触しており、佐藤氏陣営の幹部も「4選阻止を成し遂げようという話はした」と認める。

 共産党が参戦すれば、同党を含む幅広い勢力が結集し、現職を破った昨年の沖縄県知事選と似た構図が実現する。しかし佐藤氏のもとで「反高橋知事陣営」が足並みをそろえられるかは不透明だ。

 佐藤氏支援にいち早く強い関心を示した新党大地の鈴木宗男代表は、共産党と佐藤氏の接近を快く思っていないとされる。共産党の佐藤氏支援検討が分かった2月上旬以降、大地関係者は繰り返し佐藤氏側に「共産党が付けば保守票が離れる」とけん制。早くも水面下で組織間のつばぜり合いが展開されている。(報道センター 西依一憲、藤本卓郎)

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