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 「天下の台所」を体感しよう――。大阪市中心部にある大阪市中央卸売市場の対岸に、全国各地から生きたまま集めた海の幸を楽しむスポットが18日午前11時に開かれる。大阪府・大阪市が進める「水都大阪」づくりの一環で、「中之島漁港」と名付けられた。川越しに高層ビル群を眺めながら、鮮魚を味わうこともできる。

 中之島漁港はオフィスビルやホテルがひしめく中之島のすぐ下流につくられる。2008年に廃止された大阪税関の出張所の跡地と周りの府有地と合わせて約3千平方メートルを活用した。

 大阪は江戸時代に「天下の台所」と呼ばれ、全国の物産が集まった。この周辺は明治初期に港や外国人居留地ができ、大阪の海外への玄関口だった。川を東に上れば大阪城、西に下れば海遊館やユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)があり、川がつながってできる「水の回廊」の東西の結び目となる。プロデューサーの佐井秀樹さん(53)は「『天下の台所』として栄えた大阪に思いをはせてほしい」と話す。

 敷地内には、テント風の「漁港」と魚料理を提供する「みなと食堂」ができる。「漁港」の中には5トンと2・5トンのいけすが計七つ。鹿児島県の枕崎漁港で水揚げされたサバなど7道県の漁港から届いた魚が泳ぐ。奥のカウンターでは魚をさばく様子が見られるうえ、業者だけでなく一般客も購入できる。

 「みなと食堂」には、桟橋の上に300席を備えたテラス席がある。ここでは買った魚の炉端焼きを楽しんだり、海鮮丼や漁師汁を食べたりできる。梅田の高層ビル群の明かりが揺れる夜景は幻想的だという。