街を歩いていて「喉が乾いたなあ」と思っても、困ることはほとんどない。暑い夏でも寒い冬でも、年中無休でがんばってくれている「自動販売機」がそこらじゅうにあるからだ。
しかし海外では違う。「ジュースを飲みたいなあ」と思っても、屋外で自販機を見つけることが難しい。散々歩きまわって、やっとのことでファストフードや売店を見つけることができた、という経験をしたことがある人も多いのでは。
日本は“自販機天国”とも言えるが、本当にそうなのか。日本自動販売機工業会によると、自販機の普及台数は509万台(2013年)。絶対数では米国が世界一で、691万台(2011年)も設置されているが、人口や国土面積を勘案した普及率でみると、日本が“世界一”だという。
やっぱり日本は便利な国だなあ、と思われたかもしれないが、飲料メーカー側は困っているのだ。自販機の普及台数はここ数年「なだらかな下り坂」。すでに飽和状態になっていて、ある飲料メーカーの幹部は「現状維持で満足」と言い切る。また人口減少によって、国内市場はますます厳しくなると予想されているのだ。
そんな環境の中で、なんとかして“金脈”を掘り当てようという動きがある。大阪に本社を置くダイドードリンコは6年前に、ロシアのウラジオストクで試験的に自販機を設置。現地でテストマーケティングを行った結果、「これは商売になる!」と手ごたえをつかんだ。
2013年12月に自販機の管理などを行う現地法人「ダイドードリンコ ロシア」を設立。現在はウラジオストクだけでなく、モスクワでも展開している。それにしても、なぜ日本から遠く離れたロシアに進出しようと思ったのか。また、現地の人たちに日本の自販機は受け入れられているのか。同社の広報部に話を聞いた。
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