己【おれ】

多くの己が生きる中で【おれ】であること、そんな中二病のような思いから始めました。B級グルメや漫画、東京レトロに関する記事中心ですが、基本的にノンジャンル、自由気まま風の吹くままお届けします。

【孤独のグルメ聖地巡礼】アフロ級な蔦屋敷!日暮里「ニューマルヤ」のハンバーグステーキライス&ハムエッグetc.

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「慌てるな 心と胃袋がつんのめってるぞ 俺!」

当ブログにおいて「出だしから意味不明なセリフをなにデカイ赤文字で決めちゃってんの?」って場合は例の作品に関する記事を書く時だけ……とでも覚えていただければ、損もしないし得もしないワケですが、現在発売中の週刊SPA!2月24日号に漫画版・孤独のグルメ最新作「日暮里繊維街のハンバーグステーキ」が掲載されております。

週刊SPA!(スパ) 2015 年 02/24 号 [雑誌] 週刊SPA!

週刊SPA!(スパ) 2015 年 02/24 号 [雑誌] 週刊SPA!

佐々木希さんのワンピース姿が目印のSPA!最新号。

フランス、イタリア、スペイン、ブラジル、台湾、韓国、ドイツ、さらには今後中国でも翻訳版が発売予定だそうで、もはや日本のグルメ漫画から世界のグルメ漫画に昇華しつつある同作品の最新聖地巡礼レポ、どうぞお楽しみください。



0.目次&関連記事

  1. 激安服屋が立ち並ぶ日暮里繊維街で圧倒的な個性を放つ創業70年以上の老舗洋食屋「ニューマルヤ」
  2. アフロ級の蔦で覆われまくった日暮里「ニューマルヤ」の度肝を抜く外観
  3. 扉をくぐると古き良き時代がお出迎え。昭和レトロ全開でありつつも清潔さと落ち着きを兼ね備えた空間
  4. ひと通りの洋食は食べられる「ニューマルヤ」のメニュー一覧
  5. 日暮里「ニューマルヤ」のハンバーグステーキライス&ハムエッグetc.
  6. 店舗情報
  7. 出典(作品情報)




1.激安服屋が立ち並ぶ日暮里繊維街で圧倒的な個性を放つ創業70年以上の老舗洋食屋「ニューマルヤ」

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激安ファッションといえば真っ先に名前が挙がるヘイワ堂や、

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近くにエドウィン本社があることでも有名な日暮里繊維街。

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ピロピロ縦笛を吹きながらでも快適に登下校できそうな広々とした歩道。

「今の小学生も気になるコのリコーダーをペロペロ舐め回したりするのかな?」なんてアレなことを考えつつピーヒャラピーヒャラ目的地へと向かいます。

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雨降り&平日夜ということで寂しい感じもしますが、

日暮里駅、三河島駅どちらからもほぼ一直線な道のりを10分ほど歩きます。

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日暮里中央通り交差点の手前、日暮里駅からの徒歩だとバス停の少し先に、

ほら、写真左手にうっすらと見えてきましたね。

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こちらが舞台となった「ニューマルヤ」です、って全然ニューじゃねえ!

2.アフロ級の蔦で覆われまくった日暮里「ニューマルヤ」の度肝を抜く外観

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改めましてニューマルヤ、ちょっとした秘密基地っぽいですが飲食店です。

入口部分だけは絡ませまいと死守されているんでしょうが、だからこそ蔦部分が余計に際立って見えちゃう気がしなくもありません。

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シャーと通り過ぎるのが地元民の証拠と断言してもおかしくないくらい個性的。

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作中では大胆にA5サイズで描き上げることで唯一無二の佇まいを表現。


お昼の様子はこちらのブログが詳しい。どれもいい写真。

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「段差あり」よりも「お店あり」とかって看板が先なんじゃないだろうか。

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路地出口に設けられた「止まれ」の標識、蔦の成長よ止まれってことか?

と勘違いしたくなりますし、実際車走らせてすぐそばにこんな建築物があったら走り去るよりも素で止まって見入っちゃいそうなレベル。

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それなりに背の高い通行人だと頭がめり込んじゃうほどに成長を続ける蔦。

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営業中の札こそぶら下がってはいるものの、

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ショーケースと立て看板がなければ廃屋にしか見えなさそう。

予備知識がなければ入店するのをためらっても決して不思議じゃないでしょうが、ここは日暮里繊維街。きっとこの蔦も何らかの繊維だ造花だとポジティブにとらえながら足を踏み入れれば恐れる心配はまずないことでしょう。

3.扉をくぐると古き良き時代がお出迎え。昭和レトロ全開でありつつも清潔さと落ち着きを兼ね備えた空間

4名掛け中心のオールテーブル席、店内外のギャップが印象的

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どん。

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どん。

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どどんとこの再現度を見よ、と豪語するにふさわしい谷口ワールド全開。

白いテーブルに赤いイス、紅白を連想させおめでたいですし、何より蔦だらけの外っ面に対して大変素朴なこの店内、実にいい。
第一印象がアレな場合ほどほんの少しでもいい面見せると感じ良く見える理論じゃないですが、掃除も行き届いていて居心地も良好、喫茶店としても利用してみたいですね。

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入口左手にきちんと置かれた雑誌や新聞にもご主人の誠実さが垣間見えますね。

4.ひと通りの洋食は食べられる「ニューマルヤ」のメニュー一覧

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定番メニューをしっかり抑えているのって地味にありがたいですよね。

蛍光灯が反射して見づらくなっている上部については、左側の上2つはカレーライス600円、ハヤシライス650円、右側最上段のコーヒーはココア、紅茶、ミルク、ミルクコーヒーと同額の350円。

その他メニューに関する補足

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先客が口にしていた料理をハンバーグステーキと判断。はは~んて。

  • 主人公・井之頭五郎(※以下ゴローちゃん)が疑問に思ったポークライスは要するに焼飯。現代のポークライスはケチャップ味が主流なのに対して「ニューマルヤ」では昔ながらの醤油味で提供
  • ハムライスはまさにケチャップライスで具材にハムを使用したそれはそれで硬派というか何というか大切にしたい1品
  • +50円のゴールデンカレーライスは目玉焼きが乗ったカレーライスのことで、インペリアルハンバーグステーキと同様の立ち位置
  • スパゲティはナポリタン風パスタ

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卓上調味料は醤油、塩(※写ってませんが)とシンプル。

聖地巡礼ということで、ゴローちゃんとほぼ同じメニューを注文。
ナイフ、フォーク、ペーパーナプキンが置かれ、カウンター奥の厨房で調理に取り掛かるご主人はこの店の2代目。

フライパンでじっくりと焼き上げられるメインディッシュをはじめとする鉄板メニューのジュージュー音、付け合わせをこしらえる際に奏でるリズミカルな包丁さばき、きっと1年だ2年前からとかじゃなく何十年とお客さんの耳を楽しませてきたんだろうし、これからだってきっと……だなんて希望を流れるテレビのBGMに託しつつ、たまには水をグビリグビリしながら待ちました。

5.日暮里「ニューマルヤ」のハンバーグステーキライス&ハムエッグetc.

ちょこんとワンポイントな練りがらしが気になる皿料理が2品

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ハムエッグはハムの厚みだけで充分なインパクトだから奥に配置。

ハンバーグとハムエッグ、それぞれの練りがらしによるワンペアも達成。

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明るい色味なのは撮影に失敗したからではなくハンバーグから立ち上がる蒸気でレンズが曇ったからってそれ失敗じゃんね。

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あまりの理想形との出会いに心と胃袋がつんのめっちゃうゴローちゃん。

作中では具なしスパゲティなのがほうれん草のバターソテーに置き換わっていたりと細かい点での違いはあるものの、今作でも繊細な描画力を堪能できます。

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いきなりテンション全開の姿に待て待てとツッコミを入れる読者もきっと多数。

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いやでもまあ、うん、こんな風にそのまんまパクッとしてみたり、

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ナイフでカットしただけの、持ち上げるだけでホロリと崩れそうな儚さを、

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ライスという確かな存在で包み込むように頬張れば、それは紛れもない現実さ。

本来、蔦にまみれた空間で食べる肉料理、例えば焚き火で炙り焼きにしちゃったりなんかして、調理中にしたたり落ちる肉汁が火の粉と食欲をバチバチッと燃え上がらせる、まあそんな豪快な何かを想像するのかもですが、「ニューマルヤ」でいただくそれはその手のワイルドさとは無縁、優しさと懐かしさがルームシェアした、お隣さんとして心から迎え入れたくなる素朴なおいしさ。

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茶碗に箸じゃなく平皿によそってフォークで食べる違いも関係してそうですね。

厚めのスライスハムと半熟目玉焼きの共演が嬉しいハムエッグ

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ベーコンエッグもステキだけれど、たまに無性に食べたくなるのがハムエッグ。

ゴローちゃんもつい上ハムと口走る上機嫌っぷり。

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卵かけご飯が問答無用においしいんだからオン・ザ・ライスだって最高さ。

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1個をライス、もう1個はハンバーグで鉄板の組み合わせ!鉄板メニューなだけに

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ハムとハンバーグの牛肉でハギュウな食感を実現!って我ながら意味不明ですね

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相当ご機嫌なゴローちゃん、一体誰に物申しているんでしょうか?

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で、おれはご覧のとおり完食です!(※汚いのでモザイク処理済み)

そしてゴローちゃんももれなく完食するんですが、そもそもここまでナイスな気分なのはきっと、かつて食べたくても食べ切れなかった第12話「東京都板橋区大山町のハンバーグ・ランチ」以来ナント20年ぶりのハンバーグステーキを完食したったから、じゃないでしょうか。20年……月刊PANJA連載時に生まれた子供が今年成人になる、そう考えるとたかがハンバーグもされどハンバーグのように感慨深く思えてくるから不思議です。

参考


一方その頃、ゴローちゃんのハンバーグ完食を祝して(実際は単に食いたかっただけ)ポークライスで乾杯だ!

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実は最初から狙っていたのでライス並盛で初回オーダーを乗り切ったのでした。

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食後のソーダ水でここまでわび・さびを感じさせる漫画を他に知らない。

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きっとクリアなサイダーに違いないと頼んだら、残念、メロンソーダでした。

目にした瞬間に妙な何かが芽生えつつも、「そうか、昔ながらを守るお店なんだからソーダと言ったらコレなんだよなー」と納得しつつ、最後の最後で色彩的に最悪の組み合わせを体現するに至りました。

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ポークライスはまさにポークの名に恥じることのないゴロゴロっぷりで、

豚肉、玉子のレギュラー具材にタマネギ、シイタケ、ピーマンが加わるエクストラ仕様ではあるものの、安定して香ばしくておいしくって、

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おかげさまでメロンソーダをどう処理しようかタイミングを見失いまして。

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ポークライス平らげの瞬間を犠牲フライに見立てて、ホームめがけて全力疾走する野球選手ばりに一気に飲み干しましたよね。

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最後のコマで悟りの境地に達したかのようなゴローちゃん。

日暮里・三河島各駅の中間あたりだからそれなりに歩く、ヤヴァすぎるルックスも加えれば、言わずもがな一見さんお断り……そう受け取られる方もさぞ多いとは思うんですが、案ずるより産むが易し、1度でも飛び込んでしまえば意外と大したことがない、むしろ今までどうして入らなかったんだろうと痛感される方だっていることでしょう。

ニューと掲げつつも1941年(昭和16年)創業と長い歴史を誇る「ニューマルヤ」。その実、訪問者にこれまでにない新しい体験をもたらしてくれる、そんな副次的なニュアンスが込められているのかもしれません。

6.店舗情報

店名 ニューマルヤ
住所 東京都荒川区東日暮里6-15-4(地図
電話番号 03-3891-1386
営業時間 11:30~15:30、17:30~20:30
定休日 日曜日
最寄駅 日暮里駅、三河島駅

7.出典(作品情報)

週刊SPA!(スパ) 2015 年 02/24 号 [雑誌] 週刊SPA!

週刊SPA!(スパ) 2015 年 02/24 号 [雑誌] 週刊SPA!

孤独のグルメ 【新装版】

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