「ご確認の程」や「ご査収の程」の「程」とは?
ご確認の程、よろしくお願いいたします。
ご査収の程、よろしくお願いいたします。
このような表現、メールなどで良く目にしますよね。ご査収の程、よろしくお願いいたします。
私自身も使います。
でも、ここで使われる「程」って、どういう意味なのでしょうか?
インターネットで検索すると、Q&Aのサイトなどで、辞書の検索結果が引いてあるものがいくつかありました。
そこで、実際、YAHOO辞書で使える2つの辞書で調べた結果を、以下に引用します。
<大辞泉>
ほど【程】
1 物事・動作・状態の程度や段階。「年の―は二十(はたち)前後」「実力の―はわからない」「身の―をわきまえる」
2 許される範囲内の程度。ちょうどよい程度。「ふざけるにも―がある」「何事も―を過ごさないようにしろ」
3 ある広がりをもった時間。
①ある程度の時間。間(ま)。「―もなく帰ってきた」「―を経て返事が届いた」
②おおよその時間・時刻。ころ。おり。「夕暮れの―に家を出る」「手のあいた―をみて連絡します」
4 (「…のほど」の形で)断定を避け、表現をやわらげるのに用いる。「御自愛の―を祈ります」「詳細の―は、お問い合わせください」
5 ある広がりを持った空間。
①おおよその距離・道のり。
「明石(あかし)の浦は、ただはひ渡る―なれば」〈源・須磨〉
②おおよその広さ・面積。
「―なくものはかなき住まひを」〈源・夕顔〉
③おおよその場所。あたり。
「中御門京極(なかのみかどきゃうごく)の―より、大きなる辻風(つじかぜ)起こりて」〈方丈記〉
1 物事・動作・状態の程度や段階。「年の―は二十(はたち)前後」「実力の―はわからない」「身の―をわきまえる」
2 許される範囲内の程度。ちょうどよい程度。「ふざけるにも―がある」「何事も―を過ごさないようにしろ」
3 ある広がりをもった時間。
①ある程度の時間。間(ま)。「―もなく帰ってきた」「―を経て返事が届いた」
②おおよその時間・時刻。ころ。おり。「夕暮れの―に家を出る」「手のあいた―をみて連絡します」
4 (「…のほど」の形で)断定を避け、表現をやわらげるのに用いる。「御自愛の―を祈ります」「詳細の―は、お問い合わせください」
5 ある広がりを持った空間。
①おおよその距離・道のり。
「明石(あかし)の浦は、ただはひ渡る―なれば」〈源・須磨〉
②おおよその広さ・面積。
「―なくものはかなき住まひを」〈源・夕顔〉
③おおよその場所。あたり。
「中御門京極(なかのみかどきゃうごく)の―より、大きなる辻風(つじかぜ)起こりて」〈方丈記〉
<大辞林>
ほど02 【程】
[1]
(ア) 物事の度合。程度。
身の―をわきまえない
実力の―はよくわからない
(イ) ちょうどよい程度。適度。
酒も―を過ごさず飲めばよい
(ウ) 許される程度。限度。
人を馬鹿にするにも―がある
[2] 具合。情勢。ようす。
―のよいところで散会にする
御親切の―は忘れません
真偽の―を確かめる
[3]
(ア) ある広がりをもった時間。あいだ。
三年余りの―に見違えるように奇麗になった
―もなく相手が来た
(イ) 大体の時間。ころ。時分。
宵の―はまだ晴れていた
この―は大変お世話になりました
[4] ある広がりをもった空間。あいだ。
京の―は隠れて、堤の辺よりぞ打ち出で参りける〔出典: 大鏡(花山)〕
[5]
(ア) 大体の場所。あたり。
音に聞きし猫また…首の―を食はんとす〔出典: 徒然 89〕
(イ) 距離。隔たり。
忘るなよ―は雲居になりぬとも空ゆく月のめぐり逢ふまで〔出典: 伊勢 11〕
(ウ) 面積。広さ。
―なども狭(せば)き所にていと騒がしげなりとぞ〔出典: 栄花(楚王の夢)〕
→ほど(副助)
→(句)程(ほど)が有・る
→(句)程(ほど)こそ=あれ(=ありけれ)
→(句)程(ほど)のことはな・い
[1]
(ア) 物事の度合。程度。
身の―をわきまえない
実力の―はよくわからない
(イ) ちょうどよい程度。適度。
酒も―を過ごさず飲めばよい
(ウ) 許される程度。限度。
人を馬鹿にするにも―がある
[2] 具合。情勢。ようす。
―のよいところで散会にする
御親切の―は忘れません
真偽の―を確かめる
[3]
(ア) ある広がりをもった時間。あいだ。
三年余りの―に見違えるように奇麗になった
―もなく相手が来た
(イ) 大体の時間。ころ。時分。
宵の―はまだ晴れていた
この―は大変お世話になりました
[4] ある広がりをもった空間。あいだ。
京の―は隠れて、堤の辺よりぞ打ち出で参りける〔出典: 大鏡(花山)〕
[5]
(ア) 大体の場所。あたり。
音に聞きし猫また…首の―を食はんとす〔出典: 徒然 89〕
(イ) 距離。隔たり。
忘るなよ―は雲居になりぬとも空ゆく月のめぐり逢ふまで〔出典: 伊勢 11〕
(ウ) 面積。広さ。
―なども狭(せば)き所にていと騒がしげなりとぞ〔出典: 栄花(楚王の夢)〕
→ほど(副助)
→(句)程(ほど)が有・る
→(句)程(ほど)こそ=あれ(=ありけれ)
→(句)程(ほど)のことはな・い
「ご確認の程」や「ご査収の程」のような使い方の「程」は、大辞泉の4の意味が該当しそうですね。
でも、大辞林の方に、この用法らしき定義が見つからないのが、ちょっと気になります。
かなり良く使われる表現だと思うので、掲載されていて然るべきだと思われるのですが、語義をひとつずつ見ていっても、それらしい定義がありません。
でも、まあ、大辞泉に掲載されているので、良しとしましょう。
つまり、「程」というのも、日本人の大好きな、いわゆる「婉曲表現」というものだということですね。
すっきりと書くなら、次のように書いても、意味としてはほぼ変わりません。
ご確認ください。
ご査収ください。
ご査収ください。
でも、この用法だと、相手に命令する感じが強いですよね。
なので、相手への命令ではなく、相手に対する依頼である、という観点で表現すると、次のようになります。
ご確認をお願いいたします。
ご査収をお願いいたします。
ご査収をお願いいたします。
そして、「程」を使って、さらに柔らかい表現にしたものが、冒頭にも挙げた、次の表現である、というわけですね。
ご確認の程、よろしくお願いいたします。
ご査収の程、よろしくお願いいたします。
「確認」や「査収」というのは、相手に手間をかけさせる作業なので、直接お願いする気持を和らげるために、「程」という、ちょっと得体のしれない、あいまいな言葉を使って、さらに一歩引いた雰囲気を演出している、ということなのでしょう。ご査収の程、よろしくお願いいたします。
これらの表現は丁寧に見えて良いですが、「ご……ください」の形式と比べると、かなり長いですよね。
ちょっと冗長な感がなくもありません。
場合によっては、すっきりと「ご……ください」と表記した方が、文章全体が簡潔で分かりやすくなることもありそうです。
敬語表現は、ひとつの表現が絶対に正しいと考えずに、ケースバイケースで、より適切な表現を使うように心がけることが大切ですね。
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