妊娠中におけるトラブルで特に悩まされるのが便秘です。妊婦さんの便秘の原因は様々ですが、その原因の一つとして姿勢が関わっています。妊婦さんは大きくなるお腹を支えるために姿勢が悪くなりがちですから、姿勢を正すことで便秘の解消に繋がります。今回は便秘の解消に役立つ姿勢と便秘を解消するための体操を紹介します。
妊娠中に便秘になりやすい原因
妊娠すると、それまでとは体の状態が劇的に変化します。それまで便秘に悩んだことがなかった方でも、妊娠すると便秘になるというケースはあります。妊婦さんが便秘になりやすい原因は主に2つあります。1つは、ホルモンバランスの変化です。妊娠すると女性ホルモンのひとつ・黄体ホルモンの分泌が増え、その影響で腸の運動機能が低下することで便秘になりやすくなります。もう1つは子宮の拡大です。赤ちゃんの成長に伴って子宮がどんどん大きくなり、腸を圧迫し、便がつまりやすくなります。
その他、ストレスで腸の動きが鈍くなることや体調変化で生活リズムが崩れて朝トイレに座る習慣がとぎれてしまうことが原因になることもあります。
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妊娠中の姿勢と便秘の関係
妊娠中の姿勢も便秘を引き起こす原因になります。お腹が大きくなって重心が前に偏ってくると、背中を反らしお腹を突き出した姿勢を取りがちです。この姿勢は腰と背中に負担が掛かるだけでなく、骨盤の歪みにもつながります。骨盤が歪むと内臓の位置がずれて消化器官の働きが鈍くなり、便秘を引き起こします。大きくなってくるお腹を楽に支えながらも骨盤が歪まない姿勢を心がけると、便秘を改善できますよ。
妊娠中の便秘を改善する姿勢
妊娠中の正しい姿勢は、「壁に頭と背中をピッタリとくっつけて立ち、両肩・臀部と壁の間に隙間ができないようにした状態」です。正しい姿勢のまま立つ、歩く、座るといった日常の動作を行うと、全身のバランスを保つことができ、お腹の赤ちゃんを正しい位置へと導くこともできます。ただし、ずっと同じ姿勢でいると疲れてしまうので椅子やクッション、壁を利用して、時々姿勢を変えてくださいね。
日常生活の姿勢で便秘を改善する
日常生活での動作も大切です。身体に負担をかけない姿勢を意識することで骨盤の歪みを防ぎ、便秘になりにくい状態で過ごすことができます。
座るとき
椅子に座るときは深く腰かけ、背骨を伸ばすようにして、背もたれに身体を預けましょう。座る椅子も、柔らか過ぎるソファーや椅子は腹部が圧迫されるため適していません。座る部分に傾斜がついた椅子は腹部が圧迫されないので楽に座れますよ。座るときに脚を組むと骨盤から背中全体に歪みを引き起こし、腹部の圧迫にもつながるので、できるだけ組まないようにしましょう。
床に座るときは、横座りやおしりをペタンと床につける座り方は背骨や骨盤を歪める原因になりますので避けましょう。正座、もしくはあぐらで交互に片足を立てるようにすると楽ですよ。
立つとき
台所や職場での立ち仕事のときは、両足を少し大きめに開いて片方の足を一歩踏み出した姿勢をとりましょう。体が安定しますよ。骨盤の歪みを防ぐため、時々前後の足を入れ替えましょう。中腰の姿勢は腰や背中に負担をかけるので、なるべく避けます。妊娠後期でお腹が大きくなってきたら、無理せずに椅子に座って作業することのがおすすめです。特に料理のときは前かがみの姿勢を取りがちですが、腰に負担をかけますから背骨を真っ直ぐ伸ばすことを意識してください。掃除機をかけるときは柄の長さを調整し、腰を伸ばした状態で使用できるようにしましょう。
その他の動作
階段を使うときは手すりを使い、前かがみにならないように注意して、片方の足に重心を乗せてからもう片方の足を動かすように、ゆっくり移動しましょう。子供を抱き上げたり重い物を持ち上げたりするときは、一度しゃがんで片膝をつき、身体に引き寄せてから持ち上げましょう。寝るときは横向きが楽で、膝を折り曲げ、背中を丸めて寝ると身体に負担が掛かりません。膝の間にクッションを挟み、抱き枕を使うとさらに寝やすくなりますよ。
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体操・ストレッチで便秘を改善する
普段から正しい姿勢を心がけるとともに、便秘解消のストレッチを行って内臓に刺激を与えると、消化器官の働きを促進させて便秘改善の効率を上げることができます。体操をするときは体調に気をつけながら行ってくださいね。お腹が張っているときや腰痛があるときは無理をしないようにしましょう。
ねじりのポーズ
1.床にあぐらをかいて座り、背筋を伸ばす。目線は真っ直ぐ前を見つめて、そのまま腹式呼吸で息を吸う
2.息を吐きながら腰をひねり、両手を前と後ろに回す。腰や背中を丸めないように、背筋が伸びていることを意識する
3.片方にひねったら反対側にもひねる
腰回し
1.脚を肩幅に開いたまま立ち、まっすぐ前を向く
2.両手を腰に当て、腰を時計回りにゆっくり回す。一周したら逆周りに腰を回す
姿勢と体操・ストレッチで便秘改善!
いかがでしたか?正しい姿勢を保ち、骨盤を正しい位置にすることは産後ダイエットを効率よく進める手助けにもなります。姿勢を良くすることで健康的になるだけでなく、立ち姿も綺麗になって振る舞いが美しく見えますね。妊娠中は体が思うように動かない時期ではありますが、できる範囲で正しい姿勢を心がけ、便秘解消と綺麗なママを目指しましょう。