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【歴史戦第9部 南京攻略戦】(3)「婦女子に手をかけてはいけないと厳命されていた」 憲兵配置…略奪・強姦ありえない

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【歴史戦第9部 南京攻略戦】
(3)「婦女子に手をかけてはいけないと厳命されていた」 憲兵配置…略奪・強姦ありえない

「戦争中も軍規は守られていた」と話す橋本光治さん(池田祥子撮影)

 掃討は同じ師団の金沢と富山の連隊が担当し、他部隊が安全区に入らないよう「金沢」「富山」という合言葉まで使っていた。喜多は略奪や強姦は「ありえないことです」と語った。

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 南京攻略戦に参加した元陸軍第6師団歩兵第47連隊の獣医務曹長、城光宣(じょうこうせん)(98)も軍紀で思い出すことは多い。

 城は日米開戦後の昭和17年末に南方作戦に参加するまでの5年間の大半を中国戦線で過ごした。その間、城らは中国人の集落に駐留することもあった。日本軍と住民を分けるため集落の中央に線を引き、住民側に一歩も入ってはならないと厳命された。

 「憲兵がおりますけん、違反はできんし、われわれも絶対にせんかった。軍紀はそれほど厳しかったとです」

 東京裁判で弁護側は南京攻略戦はほかの戦場と変わりなかったと反論している。城も中国戦線で軍の規律が一様に保たれていたと強調した。

 ではなぜ、南京での「残虐性」がここまで突出するのか。城は「おかしかことですたい」と言って、ため息をついた。

(敬称略)

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