渡辺洋介、佐藤靖
2015年2月18日03時19分
大衆魚ホッケの値上がりが止まらない。主漁場である北海道沖での若い魚の取りすぎや海水温の変化で水揚げが激減した上、輸入物も漁獲規制で流通量が減ったことが背景にある。安さと食べ応えが人気だった「居酒屋の定番メニュー」は、どうなるのか。
「のどぐろ開き 1900円」「きんき開き 1900円」「極上縞(しま)ほっけ 1500円」
東京・築地近くの干物居酒屋「越後屋八十吉(やそきち)」のお品書き。ホッケが店で3番目に高価な魚だ。店長の春田憲司さん(30)は「大衆魚だったホッケも今では高級魚」と話す。
店では、輸入物のシマホッケと、国産のほぼ全てを占めるマホッケの2種類の干物を扱う。シマホッケの仕入れ値は3年前と比べ、1・5倍。大型が手に入らず、小ぶりのマホッケでさえ990円で、アジやサンマの590円より高い。
定食店「大戸屋」を展開する大戸屋ホールディングス(東京都)も、シマホッケの開きの単品価格を5年間で段階的に100円値上げし710円にした。
高値の原因は、マホッケの水揚げの激減にある。水産庁によると、マホッケの漁獲量は、1998年の約24万1千トンから2013年には約5万3千トンと15年で78%減り、過去最低水準だ。国産では干物にできる大きさのものが減り、代わりに輸入物のシマホッケが干物の主力となっている。
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