広島刑務所:元受刑者の花粉症症状悪化 国が一部敗訴
毎日新聞 2015年02月17日 21時16分(最終更新 02月17日 21時17分)
◇広島地裁判決、国に7万円の支払い命じる
花粉症の治療を受けられず症状が悪化し精神的苦痛を受けたとして、広島刑務所(広島市中区)の元受刑者の男性が国に慰謝料50万円を求めた訴訟の判決が17日、広島地裁であり、梅本圭一郎裁判長は「治療させなかった刑務所長の判断は裁量権を逸脱している」として国に7万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は2012年1月から服役。14年3月以降、4回にわたり花粉症の症状を訴えた。しかし、医師は「すぐに治療をする必要性はない」などとして診察せず、4月10日に治療を受けるまで目のかゆみや鼻水に悩まされた。
梅本裁判長は「花粉症は初期療法が有効」と指摘し、「医師が早く診察や治療をしていれば、症状の軽減や悪化を防ぐことができた」と結論付けた。
広島刑務所は「判決内容を精査して適切に対応したい」とコメントした。【石川裕士】