産経ニュース

海洋レーダーで津波の規模推定…「避難の10分」確保 三菱電機、新技術を開発

ニュース 経済

記事詳細

更新


海洋レーダーで津波の規模推定…「避難の10分」確保 三菱電機、新技術を開発

 三菱電機は17日、海流の速さを観測する海洋レーダーを活用し、津波の規模を早期に推定して避難に必要な時間を確保する技術を開発したと発表した。平成27年度中の製品化を目指し、地方自治体や沿岸に施設を持つ企業などに売り込む。海洋レーダーによる「津波監視支援技術」は世界初。

 海流を観測する海洋レーダーは本来、津波の監視を目的としていない。津波が発生しても、通常の海流と区別できなかったからだ。だが、同社はデータから通常の海流などを除去し、津波部分だけを抽出する技術を開発。流速や地形データから津波の高さなどを推定できるようになった。

 また、これまでの津波探知に使われる光学センサーなどは20キロ以上の距離になると観測できない場合があったが、海洋レーダーでは約50キロまでの沖合を観測可能だという。

 沖合50キロで感知できた津波は沿岸に到達するまでに約15分かかるため、住民の避難に必要な時間の目安とされる10分を確保できる。同社では東日本大震災の発生を契機に、今回の技術の検討を始めた。製品化されれば、データを解析する信号処理装置とレーダーをセットで売り込む方向だ。

関連ニュース

燃料電池車向けの「水素ステーション」設置ラッシュ…エネルギー各社の投資には温度差

「ニュース」のランキング