Just a brick in the WALL

You're just another brick in the wall.

退職エントリだよ

筆者は酔っているので、推敲が出来ないが、まあ書いておこう。

最近、どこそこを退職しましたというブログエントリをよく見ることがあって、特にあそこは流出激しいなあ、なんかあるのかと外野から揶揄されがちでもあるので本来なら書くべきじゃないかも知れない。しかし、退職、転職というのはその人にとっての人生のひとつの区切りとなる転換点であり、舵取りの変化にいろいろ考えたこともあっただろうし、悩んだこともしただろう。そういうターニングポイントを迎えた事に対し何かその思考や行動の理由、思いなどを書き記しておきたいという欲求は到底否定しがたいものであろう。

ということで、自分も書く。

3月末日をもって株式会社ジェーンを退職することになりました。

なりましたっつうか、数ヶ月前から事業縮小による解雇通告はされていたので、今更驚きの退職ってわけでもないんだけど、外から見たら突然だわな。

結局のところ、Janetterというプロダクトによる採算が見込めなくなった、それは悪名高きリミットトークンのせいでもあり、それは、

Twitterクライアントがこの先生き残るには #twtr_hack - Slideshare

にもあるように、Twitterサードパーティを取り巻く厳しい制限にどう対応するかという問に対して、「ビジネスとしては諦めよう」という結論を出したことからもお分かりのことだろう。

Twitterというサービスに出会ってそろそろ6年になろうとしている。これほど巨大なプラットフォームとでもいうほどに大きくなるかどうか、そんなことすら考えなかった初期のことを懐かしんでも仕方ない。彼らもマネタイズには苦しんでいるだろう。リソースばっかり食い荒らして自身には直接の益をもたらさないサードパーティに対しこれほど強硬な姿勢を見せるのも立場を変えれば理解は出来る事である。

API1.1の発表時、Twitterの開発界隈は大騒ぎになった。Posterousはいつの間にかサービスの終了を告知し、Lockerzは迷走しながらTwitterとの連携を切った。GoogleRSSリーダーを終了させ世のRSS利用ユーザを困惑させている。プラットフォームはそれが土台だからこそ、亀裂が走った場合のショックは大きい。ビジネスとして、そのプラットフォームのただのインタフェースとしかなり得ない専用クライアントというものはこれほどに脆い。

なんか恨みつらみっぽいな。気分を変えてこれまでを振り返ろう。

ジェーンに入社したきっかけは、某市のWebサイト構築で嘱託職員の任期が切れてプーになって、さてどうして食い扶持を得ようかと、同じような企業ばっかり並ぶ見飽きた転職サイトを眺めるのをやめてネットをうろついている時に弊社の代表がJane Styleについてなんか語ってるGIGAZINEの記事を目にしたことだった。2chを見るのに自分が使っているのはJane Styleで、それを作っている会社が大阪にあるんだー、へー、意外だなと思ってその次には会社情報を調べて、採用情報があったので、とりあえず応募してみた。すると連絡があって、梅田の喫茶店で話してほぼ即決で決まった。ただ、自分が作るのは、2chブラウザではなくて、ジェーンを支えるもうひとつの柱としてのTwitterクライアントの開発だった。

それから3年弱。Janetterと名付けられたソフトウェアは大きなバージョンアップを乗り越えて現在に至り、去年はAndroid版の開発も担当した。ジェーンという会社は会社ではあるのだけれど、小さな会社は社長の性格がそのまま社風となるのだろう、いい意味で緩い感じで(時にはその緩さがルーズさを呼び起こしバグの連鎖を起こしたりしたが・・)これほどストレス無く働ける会社は無かったと思う。会社というよりはフリーランスがユニット組んでやっているような印象もある。開発のやり方とかも自由にやらせてくれたし、悪い言い方をするとこれほど自分勝手に出来たのも、代表の懐の深さゆえだろう。その点については非常に感謝をしている。

代表を含めて4人、結果としてバラバラになってしまうが、チームを組んでそれなりの(?)知名度のあるプロダクトに携われたのは素晴らしい経験だったと思う。皆さんお疲れ様でした。たまに僕の吐く毒に付き合ってくれて本当にありがとうございました。

まあそんなこんなで本日3/29に次に転職する会社に行って、自分のキーボードやトラックボール持ち込んで環境を大体セットアップしてその後の社員たちの飲み会に参加しているという、次元の狭間に迷い込んだような状態でございます。次は久しぶりの受託開発です。気を引き締めよう。

で、ここまで読んで「Janetterどーなんの?」と思ってくれる有難いユーザ様の皆様につきましては、PC版、Android版、iOS版ともに、各担当者が個人請負でメンテを引き継ぐ形になっておりますので、すぐに開発停止とかにはなりませんし、TwitterAPI制限が緩くなってマネタイズの目処がついたら、メンバー再結集もありうるかも知れません(行くかどうかは知らん)。上でも触れたGoogleReaderのシャットダウン告知時には大多数のユーザの署名運動も起こりました。TwitterAPIの制限というのは一般ユーザにはなかなかその影響が分かりにくいものですが、TweetBotが1.1対応後のユーザのクレームのせいでしょうか、リストタイムラインの制限が15回/15minから180回/15minになったわけだしユーザが直接声を上げるというのがサービスプロバイダにとって一番影響のあるものなのでは無いでしょうか、ということで声上げるなら今のうちだよ。

というわけで4月から新しい職場でSE業をすることになりましたので、関係者の方々よろしくお願い申し上げます。