友だちとイベントを企画するアプリWePoppを作ったフランスのスタートアップが、今度は、友だち、ないし複数の人たちがミーティングやアポイントをスケジューリングするときの、行ったり来たりのコミュニケーションを自動化する‘仮想アシスタント’Julie Deskを作った。
バックエンドのAIも持っているからほかのアプリは要らないし、また合衆国のコンペティターX.aiと同じく、メールのカーボンコピー欄(CC:)という平凡なものをアプリのインタフェイスとして使う。
打ち合わせのメールスレッドを開始するときやそのスレッドの中で、”Julie”にCCするだけで、仮想アシスタントがスケジューリングの面倒を見てくれる。
アプリはまず、お互いの、あるいはみんなの、Google CalendarやMicrosoft Exchange、iCloudのアカウントなどを見て、合意できそうな時間と場所を見つけて提案する。
そのときJulieからは、本物の人間から来たようなメールが来る。
協同ファウンダでCEOのJulien Hobeikaはこう言う: “パーソナルアシスタントを使えない人もいるが、そういう人たちでさえ、アポイントやミーティングのスケジューリングは毎日のようにやっている”。
“WePopやWeTimeで経験的に分かったのは、スケジューリングで悩んでいる人たちに、自分でインストールして使い慣れる必要のあるツールを提供してもだめだ、ということ。だから、そんな、面倒の上塗りのようなことはやめて、ふつうにメールをやってればバックエンドでJulieが勝手に動くようにしたんだ”。
しかしそのためには、自然言語処理(NLP)と人工知能(AI)の部分を新たに開発する必要があったから、同社にとっては大きな飛躍だった。
結果的にJulie Deskは、AIに全面依存はしていない。スケジューリングというタスクは誤判断が命(いのち)取りだから、それを防ぐためにJulieのやることを人間が監視している。
“今では、Julieに送られてくるメールから必要な情報を取り出すために大量のNLPを使っているが、それでも人間が介入しなければならない部分は多い。AI自身の学習過程がまだ初期段階ということもあるけど、AIの出力が正しいことを必ず人間がチェックする必要がある。今後仕事を大量にこなしていけば、AIも徐々にお利口になると思うけどね”。
つまりこの仮想アシスタントは、機械学習を利用してだんだん利口になる。でもHobeikaによると、同社と、資金状態がとても良いX.aiとの重要な差別化要因がまさに、AIへの人間の介入であり、今後も“どんなに複雑な、あるいは特殊なケースでも正しく扱えるためには”、必要に応じて人間を介入させる、ということだ。
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