イチから分かる日韓通貨協定――打ち切りのデメリットは?
THE PAGE 2013年6月24日(月)17時49分配信
通貨危機などの際に互いに外貨を融通し合うための日韓通貨スワップ(交換)協定が7月3日に期限切れとなります。本来は韓国側から延長の要請があれば、日本側はそれに応じるはずでしたが、6月24日、財務省は「30億ドル相当の日韓通貨スワップ取極を終了する」と発表しました。これにより、両国の通貨スワップは2015年2月までの100億ドル分を除いてすべて失効することになりました。
通貨スワップとは金融危機の際に外貨の資金ショートを防ぐための仕組みです。金融危機が発生すると、皆が疑心暗鬼になり、金融機関や企業などは取引先から現金を回収しようとします。その結果、国や企業は、実際には破産していなくても、外国に対する日々の支払いに窮してしまい、事実上の破産に追い込まれてしまうことがあります。1997年のアジア通貨危機をきっかけに韓国がIMFの支援を受けることになってしまったのは、まさにこれが原因です。通貨スワップはそのような事態が発生したときに、お互いに資金を融通し合い、パニックをふせぐための措置なのです。
スワップ協定は日韓相互のものですが、日本と韓国では資金量に圧倒的な差があり、日本が金融危機を起こす確率は極めて低いのが現実です。したがってこの協定は、実質的に、韓国が再び危機に陥った場合に、韓国を救済するための措置と考えてよいでしょう。
日韓の通貨スワップ協定は、2001年7月に20億ドルでスタートし、次々と拡充が図られ一時期は総額700億ドルまで達していました。しかし竹島問題の発生によって日韓関係が悪化したことで、日本国内には延長に応じる必要はないとの声が上がる一方、韓国国内でも日本にスワップ延長を依頼することを議論しにくい雰囲気が出来上がっています。
その結果、昨年10月に終了した拡張分の協定は延長されず、現在では130億ドル分しか枠が残っていません。今回30億ドル分が延長されないことになったため、残りは2015年2月を期限とする100億ドル分のみということになります。
最終更新:1月26日(月)2時49分
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