髪は女の命。
自分磨きにぬかりないこちらの女性。
今回の主人公…それってどういう事ですか?
(牛)モ〜。
モ〜。
実は花子さんの仕事は…いわゆる牛のお医者さん。
自慢の髪をまとめ上げ患者とはいつでも真っ向勝負!必要とあらばおしりの穴にもちゅうちょなく…!
(蹴る音)時には子牛の強烈なキック!めいっぱい体を張る毎日だ。
そんな花子さん実は結婚3か月の新婚さん!モ〜!幸せいっぱい!しかし…。
(叶)分かりました。
突然の往診の電話で甘いひとときは終了!ハードで不規則なこの仕事新婚獣医師の揺れる思いとは?花子さんが暮らすのは国内有数の畜産地帯…おはようございます。
朝8時。
獣医師花子さんの1日が始まる。
花子さんが働くのは家畜診療所。
現在約8,000頭の牛を9人の獣医師で診療している。
花子さんは数少ない若手女性獣医師だ。
おはようございます。
共済の上村です。
えっと〜今日見に行く予定だった牛寄せてますかね?1日の予定は朝畜産農家からかかってくる依頼の電話で決まる。
1日に回るのはおよそ10軒。
牛の状態や農家の場所希望時間で予定を組んでいく。
こんにちは〜。
この日訪ねたのは肉牛の繁殖農家。
(鳴き声)母牛と将来肉牛となる子牛を育てている。
牛の出産は年に1回。
子牛は貴重な財産だ。
こちらの子牛は下痢が続いているという。
牛に負担を与えないようてきぱきと治療していく。
はいいいですよ。
治療を終えたらすぐに次の農家へ。
分刻みのスケジュールだ。
ここで行うのは肉牛として育てられる子牛の去勢手術。
肉質を柔らかくするために雄の子牛は全て去勢する。
(蹴る音)子牛の強烈なキック!
(子牛が蹴る音)産業動物獣医師は農家の希望に沿って処置をしなければならない。
(蹴る音)真上に上げなきゃ手。
こう。
こう。
(笑い声)じゃあまた頑張ってね。
はい。
ありがとうございます。
花子さん結構頼りにされてるんだね。
この日の診療が終わったのは夜7時。
診療所に戻ると今日1日のカルテの整理をする。
仕事は夜9時まで続いた。
自宅に戻った花子さん。
一息つく暇もなく夕食の支度を始めた。
(猫)ニャ〜ン。
すると…。
帰って来たのは夫の有斗さん。
実は花子さん昨年11月に結婚したばかり。
アツアツの新婚だ!有斗さんは大学の先輩で同じ獣医師!隣町の家畜診療所で働いている。
こちらは大学時代から飼っている猫の…ニャ〜ン。
お互いに仕事が遅くなってもできるだけごはんは一緒に食べようとしている。
ちょっとほら。
(有斗)太いじゃん。
こっち側太いけどこっち側薄いもん。
甘〜い新婚さんの会話は…?え!もしかして食事中も牛の話!?何言ってるかさっぱり分かんないけど食事時にすごい話題ですね。
深夜0時過ぎ。
呼び出しの電話が鳴った。
分かりました。
この日は夜間診療の当番の日。
急患に備えて自宅で待機していたのだ。
ハハハハハ…。
バイバイなつ。
バイバイ。
2人の時間もここでおしまい。
この日の依頼は牛のお産の立ち会い。
夜間は特に難産で呼ばれる事が多い。
この牛は出産が予定日から10日ほど遅れているという。
子牛の状態を確認。
幸い逆子などの特別な異常はなかった。
出産の介助をする。
(鳴き声)およそ30分後。
無事に子牛が生まれた。
母牛はすぐ子牛の世話を始めた。
これで一安心。
午前1時終了。
この日の自宅待機は朝の8時半まで続いた。
横浜育ちの花子さん。
子どもの頃から動物が好きで大学は獣医学科を目指し2年間の浪人生活を送った。
そして入学したのは実家から遠く離れた九州鹿児島の大学。
そこで知ったのが産業動物獣医師という仕事だった。
花子さんが今でも大切にしているものを見せてもらった。
僅か0.1ミリほどの小さな受精卵。
これが将来800キロを超える牛に育つその生命力に驚いたという。
子牛が立派な肉牛になるまで少なくとも2年半。
その間たくさんの人が手をかけて世話をし自分たちの食を支えていると知った。
働く場所に選んだのは畜産の本場宮崎県。
ここなら産業動物獣医師として思う存分やれると思ったのだ。
しかし命を扱う獣医師の仕事は奥が深い…。
この日は先輩の加治屋先生が行う手術の見学。
(加治屋)鋏。
花子さんが見た事のない珍しい症例だ。
あたしの知ってることは。
やっぱ全然…出てくれ〜。
獣医師になって3年。
まだまだ毎日が勉強だ。
美容院やまつげパーマなど自分磨きに4万円!花子さん流のストレス解消法だ。
一週間スケジュールはこちら。
夜間の自宅待機が週に1度か2度。
急患があればすぐ駆けつける。
お休みのこの日。
同じ診療所に勤める唯一の女性獣医師と女子会。
現在育児休職中の…獣医師としても妻としても先輩だ。
半年前に女の子を出産し家畜診療所で初めて育休を取った獣医師だ。
(諏訪園)順調なのね。
まもなく仕事に復帰する諏訪園さんは休職前と同じように働きたいと考えている。
ちょっと最近は思うから…いずれは子どもが欲しい花子さんだが自分も諏訪園さんと同じように働けるかは分からなかった。
仕事も続けたいし家庭も大切にしたい。
数年後の自分はどうなっているんだろうね…。
(鳴き声)この日花子さんは難しい症状に直面していた。
生後間もない子牛の足が思わぬ方向に曲がっていた。
この足では体重を支えきれずこれ以上大きくはなれない。
殺処分の対象になってしまう。
生まれつきの変形なのか治せるものなのか花子さんが診断をしなければならない。
見た事がない曲がり方に花子さんは診断を迷っていた。
(牛の鳴き声)そうそうそう。
ここだけだからね。
花子さんはギブスで固定すれば治ると考えた。
整形できるんじゃないかと思ってね。
しかしこの日はギブスを巻かなかった。
そしたらまた朝診に来ます。
はいはい。
花子さんどうして…?翌日加治屋先生と一緒に子牛の元を訪ねた。
(牛の鳴き声)おっほ〜。
ベテランの加治屋先生もこれまでに見た事がない曲がり方だった。
先生の診断は果たして…?なるだけこういう感じで。
はい。
加治屋先生の診断も花子さんと同じだった。
生まれたばかりの子牛の関節は柔らかい。
固定すれば正常な形に戻るかもしれない。
2人はその可能性に懸けた。
お疲れさまでした。
また来ます。
お疲れさまです。
ありがとうございました。
どうもありがとうございます。
あとは2週間後の結果を待つのみ!獣医師としてやりがいを感じ始めた3年目で結婚し家庭を持った花子さん。
お休みのこの日の夕食は3種類のスパイスからじっくり煮込んだ特製カレー!うわ〜!絶対うまいよこれ!おいしい?フフフ…。
めっちゃうまい。
家族の時間も仕事も大事にしたい。
めっちゃおいしいね!うん。
会話は自然と先輩の諏訪園亜依さんの話に…。
うん。
(有斗)それはでもね大変さは…まあね。
うん。
うん…。
そうだね〜。
うん…。
「こういうケースがあるこういうケースがある」みたいなのは…未来はまだ見えないけど納得いくペースで仕事を続けたいよね。
2週間後。
花子さんたちはギブスを巻いたあの子牛の元を訪れていた。
(鳴き声)
(カッターの音)ついにギブスを取る日がやってきたのだ。
(カッターの音)
(加治屋)さぁどうだ!どうですか?なんか思ったよりずっと…。
ねえ!いいかもしれん!乞うご期待!何?その「思ったより」。
ハハハハ!だって最初はあんなに曲がってたのに…。
(加治屋)よいしょ!果たして?おっととと…!立った!もう少し様子を見る必要はあるがしっかり立てるようになるだろうという診断だった。
花子さんよかったね!いいっすか?いいっすか?やりがいのあるこの仕事まだまだこれからが勝負だね!2015/02/16(月) 19:25〜19:50
NHKEテレ1大阪
人生デザイン U−29「産業動物獣医師」[字]
畜産が盛んな宮崎の“牛のお医者さん”獣医師・叶花子さん(29)。夜勤もあり、体力的にきついがやりがいを感じている。だが結婚を機に獣医師としての将来に不安が…
詳細情報
番組内容
今回の主人公は畜産が盛んな宮崎県で牛の診療にあたる獣医師・叶花子さん(29)。横浜出身の叶さんは「人の食生活を支える」この仕事に魅力を感じ、宮崎で就職した。牛の診療は体力的にきつく、夜勤もあるため生活も不規則だが、農家の人たちに喜ばれることに大きなやりがいを感じている。そんな叶さんは、去年11月に結婚。これまで仕事第一だった叶さんだが、出産や育児を考えるとこの仕事を続けられるのか、不安を感じ…。
出演者
【語り】Mummy−D
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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