ハートネットTV ブレイクスルーFile.19音楽は魔法ではない でも音楽は… 2015.02.16


・「絶対女の子絶対絶対絶対絶対」
(大森)おっさん!
(風間)
ある温泉で開かれたライブ
・「絶対女の子絶対女の子がいいな」・「絶対女の子絶対絶対絶対絶対彼女」
シンガーソングライターの大森靖子さんです
・「ママに元気だと電話した」
日常の言葉を組み合わせたフレーズが若い女性たちを中心に共感を呼んでいます。
女優の橋本愛さんも魅了される一人です
この秋大手レコード会社にも認められメジャーデビューを果たした大森さん
かつては社会の常識やルールになじめない自分を否定し続けた日々がありました
無理に社会に合わせなくていい。
そう決めた時人生は少しずつ動き始めました
自由にそして奔放に。
自分を貫く事を決めた大森靖子さんのブレイクスルーに迫ります
誰もが感じている。
けれどどこか人には言えない。
大森さんはそんな気持ちもそのまま歌っています。
・「…エロいことをしよう」直木賞作家の朝井リョウさん。
シンプルな言葉で人の生きざまを切り取る大森さんに魅せられています。
大森さんの歌詞は気になった言葉をスマートフォンにメモする中から生まれます。
(大森)これ「肉体関係希望します」っていうのをツイッターの書いてる人がいてすげえ分かりやすいなと思って。
趣旨がって思って。
メモったりとかそんなんばっかりですね。
「ぷらっとこだま」とかかわいいなと。
言いたくなるなっていう。
これは何か韻を踏んでみたみたいな。
こんなんばっかりやってます。
(チャイム)取材中荷物が届きました。
中身は真っ黒なニット。
(取材者)ネットで買い物するの?実は人と関わるのがあまり得意ではありません。
それでも多い時には月に20本以上ステージに立ちます。
そこにはある思いが…。
しかしネットでたたかれる事もしばしば。
そんな時心の支えとなっているのが縫いぐるみのナナちゃんです。
スタジオには大森靖子さんそしてナナちゃんに来て頂きました。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日どうですか?こちらに来るのもちょっと…何かこう重いものがありましたか?そうですね。
テレビはあんま出たくないですね。
そこでやっぱ今日もナナちゃんが…。
テレビ大好き。
メディアが好きでしょうがない。
大森さんが歌詞の中に込めている言葉っていうのは普通の歌ではあまり使わない表現が多いと思うんですけどもそれっていうのはあえてなんですか?それとも自分の中であふれ出たりとか興味があるものがそちらなだけなんですかね?あえてですね。
そういうものとやっぱり向き合ってほしいしもういつか絶対廃れていくものとかあと音楽も聴いてこれ90年代だね80年代だねって言えるものが好きなんですよね。
そういうものの方が生きてる感じがするから。
「ポケベルが鳴らなくて」とかですよね。
そうですね。
かわいいって思っちゃいますよね。
(安藤)今までだったら絶対J−POPではこういう歌詞を固有名詞使ったりしないよっていう事をあえてして今っていうパワーとしてみんながわ〜っと共感し合ってるっていうね。
私すごいアイドルがすごい好きなんですけどまあ女性なんですけど。
やっぱりあの引き上げる力ってすごいじゃないですか。
そういうものに自分も元気もらってるんですけどでも例えばすごい失恋してしまった時とかおじいちゃんが死んじゃった時とかは聴けないじゃないですか。
聴けないですね。
そういう時に自分が生きるか死ぬかってこう…ー100のものを+100にする力じゃなくて−100のものを−99にする+1みたいな力かなって思うからそういう音楽も絶対になきゃいけないなっていうのがあってでもその音楽も質がよくなきゃいけないじゃないですか。
…っていうものをずっと自分は作っていこうっていうのはあって。
J−POPではタブーとされる言葉をあえて使う。
ルールに縛られないスタイルを確立するには長い時間がかかりました。
愛媛県松山市で生まれた大森さん。
公務員の父と教師だった母という家庭で育ちました。
小学生になると絵画や書道ピアノなど親に決められた習い事を毎日のようにさせられます。
そして言われるがまま私立の中高一貫校に進学しました。
しかしそのころから学校のルールや社会の常識に疑問を感じ始めます。
その一つがカバンの飾り。
周りは縫いぐるみなどをつけていましたが大森さんが選んだのは犬の鎖でした。
当時から日常の風景を詩に書いていた大森さん。
周囲からは変わった子として次第に距離をおかれてしまいます。
そして高校2年生の時来たばかりの転校生からも思いがけない言葉を言われました。
もっと自由に自分を表現できる環境があるはず。
高校卒業後大森さんは上京し美術大学に進学します。
しかしそこでも出会ったのは型にはまった人たちでした。
社会に合わせられない自分が悪い。
大森さんは人と関わる事を諦め死にたいとまで考えるようになりました。
そんな時偶然たどりついたライブハウスが音楽の道に進むきっかけになりました。
ここは型にとらわれず自分の好きな事を好きなように表現できる場所でした。
ライブを見に来ていた大森さんにステージに立ってみないかと声をかけました。
・「家族机に虐げられた悲しみの」初めお客さんはたった一人。
それでも曲を作り小さなステージで歌い続けました。
・「うああ…」・「ピンク色の三角をくれ…」自分を解放するのがただ気持ちよかった。
何年もライブを続けるうちにいつの間にか聴いてくれる人が1人2人と増えていきました。
・「バカでした…」やっぱ病んでる時っていうのはコミュニケーションを遮断したのも自分だけどやっぱコミュニケーションっていうか誰かが自分に反応する事に飢えてたんですかね?飢えてましたね。
めちゃくちゃ。
ノートとかに落書きするのを見てほしくてしょうがなかったんですよね。
何かちょっとした面白い事とかそれを話せる人もいなかったし。
でも自分は何で自殺が嫌だったかっていうと殺されるのと一緒だと思ったから。
それって負けじゃないですか。
死んだ方が楽に決まってたし何回も死にたいって思ったけど殺されるのなんか絶対嫌じゃないですか。
そんな自分を何か追い詰めてる人間に。
じゃあやっぱり音楽に出会う以前の自分とあとの自分ではやっぱり状況が全然変わってくるって事ですかね?変わりますけど音楽に出会ってからも結構最初は自分の納得いく事ができれば気持ちよければそれでいいと思ってたし大きい声出す大会ぐらいに思ってたんですよ。
数値出るやつあるじゃないですか。
ああ〜って言ったら。
デシベル。
デシベル。
デシベルみたいな。
ああいう気持ちでやってたんですよ結構。
で顔とかをもう見られたくないみたいな状態だったからこうやって隠して下向いてしゃがみ込んで歌ってみたいな。
お客さんが来て「何だこれ。
つまんないじゃん」みたいな事言われて初めてライブするって評価されるって事なんだっていう自覚が生まれてからが楽しくなったっていうか。
逆に楽しくなった。
楽しくなりました。
自分みたいな人を見るとやっぱりこういう感じでもいいんだとか思ってくれる人がいる訳じゃないですか。
こんな事やっていいんだとか。
楽しそうとか。
それでまた面白い事やる人が増えていったらすごい理想的って考えた時に社会ってものを断絶する事はなくなりました。
自分の中で。
大森さんの音楽に励まされ自分を変える挑戦を始めた女性がいます。
人前に立つ事は大の苦手でしたが学園祭ライブの代表を務める事にしたのです。
内気でおとなしい性格から中学まではいじめに遭ってきました。
何も言えない。
何もできない。
自分の事が好きになれず大学に入っても周りから取り残されているように感じていました。
そんな時出会ったのが大森さんの音楽。
自分から変わらなければと突き動かされました。
3年生になると船木さんは学園祭ライブの代表に立候補。
企画書を書いて大森さんの出演を勝ち取りました。
熱心な船木さんの姿に刺激されほかのメンバーたちも一丸となって準備を進めました。
ライブを成功させるため悩みながらも全力で向き合い続けました。
そして迎えた学園祭当日。
開いてるドアの前に3列でお並びになって下さい。
会場には400人以上のお客さんが押し寄せました。
お並びになってお待ち下さい。
開演直前。
船木さんはこのライブに懸ける思いを自分の言葉で伝える事を決めていました。
(拍手)・「あの夏何匹蚊を殺したかなんて」・「聴いてどーすんの?」・「超不安だから超食べちゃう」・「太っていいよとか言わせちゃう」・「今夜しか見れない流星群」・「生きている生きていく」・「生きてきた愛は爛れて」・「私たちはいつか死ぬのよ」・「夜を越えても」ありがとうございました!
(拍手)ありがとうございました。
大丈夫でしたか?ありがとうございます。
ありがとうございます。
大森さんの音楽が支えになってるVTRだったんですけれども。
ずっと「船木さんかわいい」しか言ってなかった。
それはばらさなくて大丈夫です。
(笑い声)でも船木さんが支持してくれる理由みたいなものっていうのは本人の中では感じてたりするんですかね。
私はこうじゃないのにとか私はこんなもんじゃないみたいな気持ちとかがあるから私みたいなものにしがみついてちょっと上にこう上ろうとするみたいなところだと思うんですけどね。
大森さんの音楽をライブに聴きに来る人たちっていうのは大森さんにとって今どんな存在ですか?何ていうか私の音の表現よりも豊かだぞぐらいの表情をしている人がいっぱいいてすごい泣いてるとかすごい笑ってるとか…。
つまんなそうでも「そんなにつまんなそうじゃなくていいじゃん」ってぐらいつまんなそうとか。
何かそれがすごい面白くなっちゃったっていうか。
めっちゃめちゃプライベートなコミュニケーションに近いですよね。
そうなると。
1対1の何時間もファミレスでしゃべったド深夜3時みたいな感じでしょ?感覚としてみれば。
そういうものを出してもらってるって感覚の方が強くて。
自分から与えてるみたいな感覚が全くないですね。
ミラーぐらいの。
鏡で映してみんな自分と向き合ってるんじゃないかぐらいの感覚になったり。
私のお客さん面白いっていう気持ちがめちゃくちゃありますね。

(拍手)2015/02/16(月) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV ブレイクスルーFile.19音楽は魔法ではない でも音楽は…[字]

シンガーソングライターの大森靖子さんは、型にとらわれない自由なスタイルで多くの共感を集めている。その背景には、社会のルールや常識に否定され続けた過去があった。

詳細情報
番組内容
今回の主人公は、今秋メジャーデビューを果たしたシンガーソングライターの大森靖子さん。J−POPではタブーとされる言葉をあえて使う歌詞や、どこか人に言えない後ろめたい気持ちを歌う曲が、多くの人々の共感を集めている。大森さんが型にとらわれない自由なスタイルを貫こうとする背景には、社会のルールや常識に縛られ、否定され続けた過去があった。ひたむきに自己の追求をやめない、大森さんのブレイクスルーに迫る。
出演者
【ゲスト】シンガーソングライター…大森靖子,【司会】風間俊介,安藤桃子

ジャンル :
福祉 – その他
福祉 – 高齢者
福祉 – 障害者

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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