(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立てて頂きましょう。
「きょうの健康」です。
今日のテーマはこちら。
ヒートショック。
このヒートショックというのは温度の変化によって体に不調を来す事なんです。
まさにお風呂もヒートショックに注意が必要なんです。
実はお風呂で亡くなる人というのは全国で1年間に1万7,000人と推定されています。
これは交通事故で亡くなる人の実に3倍以上なんです。
うわ〜!こんなにも亡くなってるんですね。
お風呂で…。
こうしたお風呂での事故はやはり寒い時期に多いので注意が必要なんです。
そうですね。
そうしたお風呂の事故は少しでも減らしたいですね。
今日もそういった知識を深めましょう。
分かりやすく専門家にお話をして頂きます。
ではご紹介致します。
リハビリテーションがご専門で入浴が与える体への影響を研究していらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
まずはこの数でございます。
大変な数の方がお風呂で亡くなってるんですね。
お風呂では裸になりますよね。
そして体温よりも高い温度のお湯に入ります。
実はその間血圧の急上昇とか急下降とかこういった事を起こしましてそれが心臓とか血管に異常を起こしてしまう事があるんです。
そんな事を伺うとお風呂は危ないというイメージがありますがお風呂に入るという事はとても健康増進のためにいいと思ってるんですがどうですか?よいものはたくさんございます。
入浴には温まる事で疲労回復しましたり体の新陳代謝をよくしたり更には自律神経なども整えたりとよい効果がたくさんあります。
安全に気を付けてお風呂を楽しんで頂ければと思います。
どうやら入浴中の血圧の変化という事が問題のようですがどういう変化が起きているんでしょうか?これは室温が10度。
お風呂の温度は41度ですがその時に20代の男性12名に入って頂いた時の血圧の変化を示したものです。
まず入りますとここで脱衣となってますが変化をご説明下さい。
まず服を脱ぐ時の血圧が100ぐらいなんですがそれで浴室へ入りますと徐々に上がってまいります。
浴室へ入りまして服を脱いで頂いてお湯につかりますと今度急上昇してまいります。
寒いところに行って血圧が上がるというのは何となく分かるんですが温かいお湯につかった時にすごく血圧が上がってますよね。
これはどうしてなんですか?お湯に入った直後は冷めた体に対しましてお湯を熱く感じるため神経が緊張するためこのように上がるんです。
このような一連の血圧上昇が脳卒中とかあるいは心筋梗塞などの異常が起こりやすくなるんです。
こういう変化が脳卒中や心筋梗塞に結び付く。
とても怖いですがこうした上がった血圧はそのまま高い状態を続けるんですか?急上昇したこの血圧はお風呂の熱さに慣れるとともに一気に下がり始めるんです。
まずはお風呂の圧力が体にかかりまして血圧が下がります。
更に血圧が徐々に下がってまいります。
このお湯の圧力が体にかかる事で血圧が下がるというのはどういう事なんですか?胸に水圧がかかりますので血圧が心臓を圧迫します。
そのために心臓は広がらなくて血液が心臓に入ってまいりません。
そのために心臓から送り出される血液の量が減るんです。
その結果血圧が下がるという事に結び付きます。
ただ血圧が上がるというよりは下がるのはそんなに危なくないんじゃないかと思いますが下がる事の問題点は…?血圧が下がる事によりまして脳に行く血液が少なくなります。
それで意識障害を起こして失神してしまうという事もございます。
そういった場合溺れてしまうケースもございます。
また血圧の変化とともに危険な不整脈なども起こってまいりますので注意が必要だと思われます。
こういった下がってる時に意識障害や不整脈のリスク危険があるという事ですね。
こうやって見てきますと血圧が上がるという事でも非常に危険ですよね。
でも下がるという事でもまた危険という事でお風呂はこういった血圧の上がったり下がったりという事が危険ですね。
そのためこうしたヒートショックを注意しまして入浴する際の工夫がございます。
この3つの項目ですね。
1つずつ伺いますがまずは浴室や脱衣所を暖める。
つまりお風呂に入る環境全体を暖めておくという事ですね。
これご説明下さい。
こちらに大変興味深いデータがございます。
これは入浴中に亡くなった方のデータでございます。
これを見てみますと秋田福島富山といったように北の方の寒い所ではやはり死亡者の割合が高いんですが九州の方ですね暖かい長崎熊本鹿児島といった所では低い傾向があります。
ここですね。
ただし興味深いところは旭川が最も気温が低い訳ですがこの旭川で最も死亡者の割合が低いという事が驚くべき事だと思います。
合点がいきませんよね。
一番寒ければ一番死亡者が多いんじゃないかと思ってしまいますがどういう事でしょう?この北海道は寒い時期に浴室とか脱衣所を暖めるという所になってます。
すなわち家の中全体を暖めまして温度差をなくする事をやっています。
きちんと浴室とか脱衣所を暖める事ができる事でヒートショックを和らげる事が大変重要なんです。
こういった本当の寒冷地は家の中全体が暖まっていて温度差が少ない…。
そういう事なんですね。
実際に浴室脱衣所を暖める事で血圧の変化というのはどのくらい抑えられるものなんでしょうか?脱衣所を暖めますとまずこの値が少なくなります。
更にお湯の温度が少なくなったりあるいは浴室が暖まってるという事でここの上がりも少なくなって全体的に変動が小さく済むという事になります。
振れ幅が少なくなるという事なんですね。
それでは浴室や脱衣所を暖めたいという事でどんな工夫をすればいいでしょうね?簡単な方法と致しましてはこのように浴槽にお湯をためる時にシャワーをお使いになるといいと思うんです。
シャワーでこうやってお湯張りをする事で浴室内を湯気で暖める事ができます。
脱衣所と浴室の扉を開けるという事も一緒に温度差がなくせるという事でとてもいいんだと思います。
こうやって当てると湯気がもうもう…と立って暖まるという事ですね。
そうですね。
そして2つ目の工夫として浴槽に入る前にかけ湯をする。
この効能は…?かけ湯をする事で血圧上昇を防ぐ事ができます。
これは20代の学生6名でとったデータなんですがかけ湯の回数とその時の血圧変化を示したものです。
入浴前は110ぐらいなんですが何もなくてドボンと入りますと146まで上がるんです。
その後はかけ湯の回数を増やすとともに下がってきてそんなに心臓に負担をかけないような入り方ができるという事が分かると思います。
回数が増えるほど血圧の上昇が少ない事分かりますがただかけ湯は実感として熱いお湯を体にバッとかける事自体が体へのショックを与えるんじゃないかという気がしますが…。
熱いお湯をそのままかけますとビクッとしますがそういった時に手足足先からかける事によりだんだん慣れてきますしだんだん心臓の方へ近づいてかけ湯をすると体全体が慣れるという事につながります。
体の端の方からかける。
いきなりザバッとかけないという事ですね。
さて3つ目こちらですね。
熱いお湯は急激に血圧を上げるだけじゃなくて急激に下げるといって2つの意味で危険なんです。
これは41度と43度のお湯に入った時の血圧の変化を見たグラフです。
43度で血圧のピークは41度に比べてかなり高くなってるのが分かると思います。
赤い線ですね。
それから急激に43度の方はお湯の中に入りますと低下してまいりまして41度よりも更に低くなっているのが分かると思います。
熱い方がよく上がるし低下の度合いも激しいという事ですね。
このような変化は高齢者とか高血圧糖尿病の人では動脈硬化が進んでおりますのでやはり血圧の変動も激しいと思われます。
安全に入るとすればお勧めは38度から40度というような温度が最適だと思います。
38度から40度ですって。
ぬるくて温まらないなという感じがしますけどどうでしょう?ではそこで安全に入浴できてしかも温まるというお勧めの入浴法をこちらでご紹介しましょう。
移動お願いします。
実際この浴槽を見ながら入浴法について紹介していきます。
まずお湯をためる高さなんですが今ピンクのフィルムが貼られているこのくらいという事なんです。
ですから人の体ではみぞおちぐらいまでという事で半身浴の高さになるんです。
半身浴を勧める訳ですね?この理由は…?実はこの半身浴は心臓への負担が大変少ないという安全な入浴法なんです。
心臓への負担が少ない…?はい。
血圧の問題がございましたね。
どういう関係になりましょうか?先ほどお湯に入った直後は血圧が急上昇してその後は急激に下がると説明致しました。
肩まで入りますと血圧の下がり方は20から30ぐらいなんです。
半身浴では5から20という事で半身浴の方が変化が少ないです。
血圧の急降下を防げるという事で半身浴はお勧めです。
血圧の急激な変化が少ない訳ですね。
でも寒い時期になると半身浴だけではなかなか温まってこないというか時間かかるという感じが…。
寒いという感じがありますよね。
そこでしばらく半身浴でぬるめの温度に慣れたあとはちょっと追いだきをしたりとか熱いお湯を少したしたりとかして自分の好みのお湯の温度にまで上げていくというのもいいんです。
ああ!後から少しずつ上げていく。
そうすると温まるという事になります。
お湯につかってる時間は…?お湯につかる時間は合計10から15分ぐらいがいいと思います。
長時間お湯につかっていられますとやはり血圧が下がってしまいます。
汗もかきますね。
そうですね。
また発汗などで血液が濃くなりまして脳梗塞とか心筋梗塞なんかの原因にもなります。
このようにたし湯をして長湯をしないようにされるといいと思います。
そうですね。
更に安全に入るためにはもう一つポイントがあるんですよね。
眠ってしまったり失神してしまったりしますと体がお湯の中に沈み込んでしまう事があり大変危険です。
(2人)ああ!こっくりこっくりしてうっかりして…こうでしょ?ドボ〜ンと。
私経験ありますよ。
そうなんですか?口元までお湯が来て慌ててびっくりして起きた事があります。
危ないですよね。
こういった事を防ぐためにこんな工夫があります。
実はこうした浴槽の介護用の椅子なんですが重さがあるんです。
こういったものを浴槽にこう入れます。
そして足のストッパーに使っていくといいんです。
失神が起こる時には全身の脱力に襲われます。
大きな浴槽ではそのままお湯の中に体が滑り込んでしまって溺れてしまう事があります。
このような重い椅子などそういったものは体のストッパーにするといいです。
そうすると止まりますもんね。
失神は前触れのような事は起こる事ありますか?危険な兆候と致しましてはめまいとか動悸などですね。
その時にはためらわずにお湯の栓を抜いて下さい。
そしてご家族がいるようでしたらご家族に助けを求めるようにして下さい。
また高齢者がいる家庭ではお風呂に入っている間10分置きぐらいにご家族の方が声をかけて頂くといいと思います。
お風呂で音がしないとか長いなと思ったら「大丈夫?」とか一声をかけるという事は大事ですよね。
お風呂は健康にもいい訳ですから安全に気を付けて楽しみたいですね。
今日はいろんなポイントお話ありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2015/02/16(月) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康「危ない!お風呂のヒートショック」[解][字]
急激な温度変化によって心臓や血管に異常が起きるヒートショック。浴室や脱衣所を暖めるなどの工夫や、浴槽のお湯の温度を低めにするなど、安全な入浴法について伝える。
詳細情報
番組内容
急激な温度変化によって心臓や血管に異常が起きるヒートショック。年間1万7千人もの死亡者がいると推測されている。心臓への負担を減らし事故を防ぐためには、浴室や脱衣所を暖め、浴槽につかる前にかけ湯をするなどが大切。浴槽のお湯は体温に近い温度にして、慣れてから徐々に追いだきすると、体への負担を和らげることができる。また万一意識を失ってもおぼれないようにする工夫も大切。安全な入浴法を紹介する。
出演者
【講師】国際医療福祉大学教授…前田眞治,【キャスター】濱中博久,久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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