シリーズ世界遺産100「セビリア大聖堂〜スペイン」 2015.02.16


(テーマ音楽)
(江守徹)15世紀に始まる大航海時代スペインに最も貢献したのはこの私だと自負している。
そう。
1492年に新大陸を発見したのが私クリストファー・コロンブスである。
その後私は船に乗っていない時はほとんどこのセビリアで過ごしていた。
セビリアは私の発見以後新大陸貿易の拠点となったのだ。
おや?私の船だね。
最近復元したものだろう。
大聖堂の塔。
私の後を追うように人々はこの塔に見送られて大海原へ乗り出していった。
私がいたころ大聖堂はまだ建設中だった。
以前に建っていたイスラムのモスクをカトリックの聖堂に造り替えていたのだ。
この塔もモスクの塔だった。
塔の中に入ってみよう。
坂道になっているのはイスラム時代の名残。
ロバに乗って塔を上り下りしていたという。
しかしその先は階段になっている。
後から付け足した部分だ。
塔はイスラムの基礎を残したまま26mも高くなりカトリックの鐘楼となった。
「後世見る人が正気の沙汰でないと思う巨大な聖堂を建てよう」。
1401年セビリアで開かれた教会の会議で満場致で決まった提案である。
聖堂の中で番の見どころは世界最大という祭壇の衝立だ。
天井に届かんばかりの最上部には十字架にかけられたキリストの像が見受けられる。
全面が黄金で塗られスペイン王国の富と権力を表している。
使われた金の重さは3t以上もあるというがおそらく私が発見した新大陸から運んだものだろう。
この衝立の大きな特徴は中央に鎮座するのがキリストではなく聖母マリア様ということだ。
スペインでは4世紀ごろからマリア信仰が盛んでセビリアはその中心地となっていた。
大会議室の天井に飾られているのも聖母マリア様だ。
セビリア出身の画家ムリーリョが描いた「無原罪の宿り」。
罪のない美しいマリア様だ。
それはともかく新大陸からもたらされた富がセビリアの大聖堂を完成させたのだ。
新大陸で産出した金や銀はすべてこの港に運ばれてきた。
私の死後13年ほどで大聖堂は完成している。
聖堂の中で4人の巨人が担いでいるものそれが私の柩だ。
柩にはスペイン王家の紋章。
スペインにとって新大陸発見は大きな意味があったのだ。
柩を担ぐ巨人。
これはスペインの基礎を築いた4つのカトリック王国を表している。
こんな柩に納められ私は光栄である。
2015/02/16(月) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「セビリア大聖堂〜スペイン」[字]

コロンブスの栄光 ▽文化遺産 【語り】江守徹【テーマ音楽】久石譲

詳細情報
番組内容
コロンブスの栄光 ▽文化遺産 【語り】江守徹【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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