(熊のうなり声)
(銃声)
(熊が倒れる音)
(市役所職員)これで被害者も浮かばれる事でしょう。
(御堂黎子)かわいそうな気もする。
だって人を殺したくて殺したわけじゃないでしょ?
(鮎川珠光)人を殺せば罰を受けるのさ。
裁判もなしにいきなり射殺。
ハハハハ…確かに熊にしてみれば理不尽この上ない仕打ちに思えるかもしれんがね。
ハハハ…。
夕食まで書斎でひと眠りするよ。
疲れた。
君は優しすぎる。
おはようございます。
(小松真琴・大木長十郎)うっす。
(甲斐享)おはようございます。
おはようございます。
…いないか。
(杉下右京)おはようございます。
おはようございます。
行かないんですか?君がこれを?ええ。
そこのクズかごに落っこちていたので。
ええ。
すなわち僕が捨てたものですねぇ。
となれば答えは聞くまでもないでしょう。
恩師の古希のパーティーなんですよね?はい?差出人の名前が珍しかったのでちょっと検索してみたんですよ。
鮎川珠光東大法学部名誉教授。
ん…?旧華族の出なんですねこの人。
ひょっとしたら杉下さんの恩師なんじゃないかと思いまして。
ご推察のとおりですが…。
あっ!あまりお行儀がよくありませんねぇ。
人のクズかごを漁って勝手にあれこれ調べるのは感心しません。
前はこんなに好奇心旺盛じゃなかったんですけどね。
一緒にいたらうつったかな…?どうして行かないんですか?他に予定があるんですか?いいえ特には。
あっもしかしたら顔を合わせられない事情があるんですか?ただ単にこういう類いのものに興味がないだけです。
ふーん…でも古希でしょ?ええ69歳ですねぇ。
数えで70。
ほらもういいお年じゃないですか。
これがお目にかかる最後の機会かもしれませんよ。
日本人の男性の平均寿命はついに80を超えました。
つまり今君の言ったお目にかかる最後の機会というのは説得力に欠けますねぇ。
まあ無理強いはしませんけど。
当然です。
はい。
そもそも君にとやかく言われる覚えはありませんよ。
わかりました。
杉下です。
どうぞ。
(黎子)杉下さんがお見えになりました。
よお。
ああ…。
杉下くんよく来てくれたね。
お久しぶりです先生。
この度はおめでとうございます。
ああこれはこれは…。
ありがとう。
杉下右京くんだ。
今は警視庁勤務だったね?ええ。
社くんも警視庁勤務だったね。
2人は面識があるのかな?
(社美彌子)ええ多少ですが。
ええ多少。
(鮎川)そう。
それでは他の連中も紹介しておこう。
江田哲男くんだ。
彼は現在東大法学部教授だ。
(江田哲男)江田です。
はじめまして。
はじめまして。
吾妻義之くん。
彼は今東大法学部准教授。
(吾妻義之)吾妻です。
まだ新米の准教授ですが。
杉下です。
小松崎啓三くん。
彼は我が国を牛耳っている財務省の幹部だ。
(小松崎啓三)小松崎です。
杉下ですよろしくどうぞ。
そして溝口誠くん。
(鮎川)君は元東京高検にいたんだよね?
(溝口誠)今は弁護士です。
いわゆるヤメ検弁護士ってやつだな。
しかも悪徳弁護士ですが…。
(一同の笑い声)溝口です。
どうぞお手やわらかに。
こちらこそ。
以上だ。
さあ君もかけたまえ。
はい。
あなたも鮎川研究室の出身でしたか。
先生が定年退官なさる数年前ですから私は最後のほうの教え子です。
僕は先生が教授になられて間もない頃の教え子です。
そこ私語はやめなさい。
すいません。
すみません。
(一同の笑い声)最初にひとつ聞いてもらいたい。
今日こうして集まってくれた諸君は数多いる私の教え子の中で最も優秀な者たちだ。
君たちは確かに優秀だった。
そして恐らく今も優秀だろう。
(笛吹悦子)お父さんも東大法学部卒?ん?ああ。
そして東大法学部至上主義者。
ん?いいか?享。
東大ならばどこでもいいっていうわけじゃない。
(甲斐峯秋)法学部だ。
法学部こそが真のエリートなんだぞ。
耳にタコが出来るほど聞かされたよ。
アハハ…。
で兄貴は見事洗脳された。
ふーん。
でもさそもそも享はその気になれば東大に入れたの?ん?うーん…。
てかなんでその話になったんだっけ?ああ杉下さんの話からだよ。
今日恩師のパーティー行ってるって。
東大法学部名誉教授の。
ああ…。
何なさってるんですか?ああ…ここ先生の書斎のようですよ。
みたいですね。
だから?はい?無断でしょ?一応道に迷ったという事でどうでしょう?はあ?道に迷って迷い込んだ。
広いお屋敷ですからねぇ。
そんな口実でごまかせませんかねぇ。
本気ですか?まあその口実これまでにも幾度か試してみましたがまるで相手にされませんでしたがね。
行きましょう。
叱られますよ…。
お薬が入っているようですよ。
アスピリン総合感冒薬胃腸薬にステロイド軟膏。
おや?なぜ鍵がかかっているのでしょう。
鍵までかけて保管するような代物ではないと…。
これじゃありません?KCN。
なるほど。
青酸カリ。
保管には施錠が義務づけられているはずです。
ええ。
こんなものもある。
テトロドトキシンですよこれ。
確かに。
こちらも猛毒です。
ニコチンも。
ニコチンも猛毒です。
毒性は青酸カリの倍以上に匹敵します。
しかし毒物にお詳しいですねあなた。
意外です。
昔別れた男を殺そうと思って色々と勉強したんです。
女に似合うのはやっぱり毒殺でしょ?ほほう…。
冗談ですよ今の。
本気にしないでくださいね。
それにしてもどうしてこんなに毒物が…。
ああ…。
しかもこちらには毒物に関する書籍が並んでいますよ。
こちらでしたか。
(美彌子)すいません。
広いお屋敷なもので迷い込みました。
そうですか。
そのように先生におっしゃってみてください。
うわっ!これすっげえ!
(笑い声)どうした?なんか今日しんどそうじゃん。
うん…。
うん?ちょっと遅れてるんだよね…。
えっ?ああ…えっ!?
(一同)おめでとうございます。
(鮎川)ありがとう。
これはね私が撃った猪の肉だ。
遠慮なく召し上がれ。
イノシシですか?これ。
なかなかうまいよ。
まあ豚の親戚ですからね。
(一同の笑い声)しかし天下の鮎川教授が狩りをなさっているとは驚きでした。
まさか自給自足の生活を?
(鮎川)ハハハ…そこまでの覚悟はないよ。
この猪は害獣駆除で仕留めたんだ。
行政に依頼されて猟友会が出動するんだ。
まあ畑を荒らした不届き者を成敗したってわけだな。
(鮎川の笑い声)
(吾妻)美味しいですとっても。
そうだろう?君は若いんだからどんどん食べなさい。
(吾妻)はい。
食べながらで構わないが我が優秀なる教え子諸君にひとつ質問があるんだが…。
なんでしょう?なぜ人を殺してはいけないんだろうか?教えてくれないかな?どうしたんですか?そんな子供じみた質問…。
子供じみているかな?確かにある意味そうかもしれん。
…が非常に純粋で素朴な疑問だと思うがね。
やめません?そんな消化が悪くなるような話題は。
(一同の笑い声)
(鮎川)ハハハ…。
ならば食後ゆっくりとやる事にしよう。
答えが出るまで君たちを帰さんよ。
(溝口)ええ…?
(一同の笑い声)どうだった?えっ?どうだった?陽性だった。
陽性?陽性って事は…。
できちゃった。
うん…。
ああ…。
おお〜っ!お前…!ちょっと享…!悦子!杉下くんは確か一敗だったからその気になれば大学に残れたのにねぇ。
僕ごときが生涯研究を続ける資格などないように思いましたから。
嘘を言っちゃいかんね。
助手になって大学に残るように強くすすめた時君はこう言ったよ。
「こんな退屈きわまりないところで人生の大半を過ごすのはごめんだ」と。
そんな生意気な事を言いましたか。
だとしたら若気の至りというやつですねぇ。
(小松崎)しかし一敗とは素晴らしい。
僕なんか十敗近くしてましたからもとより大学に残れるはずもなくこうして財務省がやっとでしたよ。
(小松崎)吾妻さんは成績どのぐらいだったの?よかったんでしょう?僕も一敗です。
(吾妻)民事訴訟法だけがどうしても「優」を取れずに「良」でした。
(あくび)失礼。
(溝口)なんだかここにいると劣等感を感じてしまうな。
ちなみに社さん。
あなた成績はどうだったんですか?
(鮎川)彼女は確か三敗だったはずだ。
違うかね?そうです。
なのに警察庁へ?一敗でも警察庁へ行く方もいらっしゃいますよ。
(溝口)まあ確かにそうだ。
しかし杉下さんも社さんも変わってるな。
それだけの好成績を修めながら大学にも残らず法曹界へも行かず警察庁なんて…。
ねえ江田さん。
あれ?寝ちゃってる…。
行儀悪いな…。
先生…これ…。
これ…。
ああ…。
杉下さん。
杉下さん!ここは…?先生の娯楽室ですかね?どうやら地下室のようですねぇ。
電波がありません。
バッハですねぇ。
先生がお聴きになっていたのでしょうか?
(大音量の音楽)この音量で聴いていたとなると防音も完璧のようですねぇ。
鍵がかかってますねぇ。
(小松崎)どういう事なんだ?これは。
先生は何考えてるんだ?昔から茶目っ気のある人でしたからね。
茶目っ気?おふざけでこんな真似をしたと?だっておふざけ以外何があります?杉下さん。
(美彌子)こんなものが…。
「優秀なる我が教え子諸君へ」「設問なぜ人を殺してはいけないのか?」
(美彌子)「経験と知識を総動員し考察して述べよ」マジかよ…。
どうやら先生は本気だったようですねぇ。
正気とは思えないな。
まあしかしこうなった以上しばらく先生のお座興に付き合うしかないでしょう。
やれやれこの歳になってまで試験を受けるとは…。
とにかく朝になれば解放されるでしょう。
それまでの辛抱ですよ。
私たちはどうします?デザートに混ぜ物をして眠らせた事は傷害罪。
こうして地下室に閉じ込めている事は逮捕監禁。
れっきとした犯罪。
ええそのとおりですねぇ。
今まさに犯罪が行われているのですからその早期解決と犯人の検挙を優先しなくていいですか?それとも犯罪行為に目をつむって試験を受けますか?警察官の立場としては犯罪の早期解決犯人の検挙に当たるべきでしょうねぇ。
まあそう杓子定規に考えなくても…。
しかも相手は恩師ですよ。
恩師である事が犯罪の立件を妨げる要素と考えますか?女性はこれだから…。
女は融通が利かないとおっしゃっているんですか?あ…ごめんなさい。
差別的発言でしたね。
撤回します。
社さんひょっとして試験を受けたくないからそんな事言ってるんじゃないの?小松崎さんよしなさいよ!今謝罪したばかりなんだから。
フッ…わかります?あれれ図星ですか?
(一同の笑い声)それじゃああなた方は警察官としての職務を全うしてください。
脱出経路でも発見してもらえると助かります。
試験のほうは我々が担当しますから。
そうですか。
それではお言葉に甘えて。
実は僕も試験は大の苦手なんですよ。
(一同の笑い声)改めて入り口の扉を調べてみましょうか。
あなたも来てください。
ええ。
あの書斎を見たらこれが単なるお座興とは思えなかったもので。
少なくとものんびり試験を受けている場合ではない気がします。
僕も同感です。
なかなか見事な誘導でしたよ。
どうも。
(江田)今何時?午前6時56分。
まもなく7時です。
(小松崎)もう朝か…。
お手上げ?部屋中くまなく調べましたが出入り口は上の扉だけのようですねぇ。
残念ながらびくともしません。
ならば最悪はみんなで力を合わせてぶち破りますか?ぶち破らなくともいずれ答案の回収に扉が開くでしょうからそれまで待ちますよ。
(江田)先生が回収に見えるかな?
(吾妻)女性かもしれませんね黎子さんっていう。
(小松崎)彼女先生とどういう関係でしょうね?お嬢さんではないとおっしゃってましたよね。
(小松崎)かといって結婚もしてないと。
(溝口)内縁関係に決まってるでしょう。
彼女甲斐甲斐しく先生の世話焼いてたじゃないですか。
(解錠音)あっ…。
おはようございます。
この時を首を長くして待っていました。
おはようございます。
先生色々とお聞きしたい事…。
まだ出てきていいとは言っていない。
戻りなさい。
みんなもだ。
早く戻るんだ。
先生また子供じみた真似を…。
それ本物の銃でしょ?もちろんだよ。
(銃声)このように実弾もこめてある。
さあ下りなさい。
社くんみんなの答案を回収してもう一度上がってきてくれ。
(鍵をかける音)なんなの!?一体!
(吾妻)今の銃声ですよね?先生完全に…。
上がったら扉を開けたままにしておいてください。
出来るだけ長く。
わかりました。
(ノック)
(解錠音)お待たせしました。
(鮎川)彼女に渡しなさい。
はい。
あっ…。
すいません。
ええ…。
折り入って話したい事があるんでちょっと時間作ってもらえませんか?
(甲斐)なんだ?こんな朝早くから。
どんな話だ?愉快な話ならいいんだがね。
私の目が確かなら白紙が2枚あったが…。
私と杉下さんの2名は試験をボイコットしました。
どういう事かね?
(携帯電話)
(呼び出し音)
(携帯電話)
(米沢守)あ〜もう!もしもし。
我ながら今人のよさにあきれ返ってるところです。
おはようございます。
今日はどういうご用件でしょうか?私今立て込んでおりまして出来れば…。
黙って聞いてください。
僕は今監禁されています。
か…かんきん?かんきんというのはつまり…。
捕らわれの身という事です。
つまりその監禁ですか。
朝っぱらからご冗談を…。
お願いですから黙って。
ああ…失敬。
どうぞ。
詳細は省きますがとにかく今…。
ですから意図のわからない課題には…。
もう言い訳は結構だ。
戻りなさい。
さあ戻るんだ。
鮎川教授の屋敷の地下室に?もしもし?杉下さん?杉下警部?杉下警部?もしもし?すいません。
これが限界でした。
いえ。
最小限の事は外に伝える事が出来ました。
親父との事はちゃんとケリつけるから安心して。
ちゃんと結婚を祝福してもらえるようにするからさ。
うん。
でもできちゃった結婚だなんてちょっと叱られちゃいそう。
叱られたら素直に詫びるよ。
状況が変わったんだからさ。
だって俺…パパになるんだぞ。
そうね。
(携帯電話)ん?米沢さんからだ。
ん?もしもし。
もしもし米沢です。
「どうかしました?」監禁ってどういう事ですか!?杉下警部から電話がありまして…。
でも途中で切れてしまったんで詳しい事はわかりませんがとにかく鮎川邸の地下室に監禁されているという事と猟銃で脅されているという事だけで…。
それから杉下警部の携帯がどこからかけられたのか今基地局を探しているところですよ。
猟銃で脅されて監禁されているという事はのこのこ出向いていくわけにはいきませんよね。
対応を誤れば最悪の事態を引き起こしかねませんからね。
(角田六郎)おはよう。
早え…。
なんだ米沢か。
休み?はい。
釣り?…はい。
(中園照生)監禁だと?杉下がか。
はい。
それは困ったなぁ。
猟銃で脅されてるみたいなんで特殊班の出動を要請してもらえませんか?証拠を持ってこい。
はい?監禁事件が起きてるという確たる証拠だ。
証拠もなしに特殊班が出せると思ってるのか!?馬鹿者が!広報課の社がですか?
(内村完爾)ああ。
何かと話題の女広報課長だよ。
早朝会議を無断欠席したらしいな。
女なんか出世させるもんじゃないな。
特に警察においてはだ。
ごもっとも。
社の部下が小耳に挟んだところによると東大法学部時代の恩師…え〜なんて言ったっけ…。
あっ鮎川名誉教授だよ。
ゆうべはそこのホームパーティーにお呼ばれされていたらしいが…。
失礼!今なんとおっしゃいました?
(伊丹憲一)監禁事件は特殊班の担当だからな。
(芹沢慶二)確認してきたらいいじゃない。
場所わかってんでしょ?1人で?フフッ怖いの?いやそうじゃなくて…。
猟銃で脅されて監禁されてるんですよ。
万が一の場合1人じゃ対処出来ないじゃないですか。
なぜそれを早く言わないんだ!まさか杉下と一緒とは…。
(内村)とっとと確認しろ!監禁事件が確かなら直ちに対処するんだ。
はっ!俺が社の事をやっかんで事件発生を知りながら対処する事を怠ったと思われたらどうするんだ。
馬鹿者が!はっ!まあ他を当たってくださいよお坊ちゃま。
すまん。
健闘を祈る。
(携帯電話)ああ中園参事官だ…。
はい伊丹です。
おはようございます。
(中園)「大至急東大名誉教授鮎川珠光の自宅に向かってくれ」鮎川?カイト…。
はい。
撃った事あるのか?えっ?訓練以外で。
ありませんよ。
俺もだ。
(医師)おめでたです。
あっそうですか。
しかしそれとは別に気になるところが…。
えっ?深刻な状況です。
し…深刻って?ありがとう。
本当に撃つとは思わなかったわ。
ああでもしなきゃ彼ら本気にならん。
いくら教え子だからって度が過ぎている。
皆さん笑って許してくれるとでも思っているの?白状しようか。
えっ?実は人を殺したくてたまらないんだ。
狩りで獲物を仕留めた時…。
(銃声)
(鮎川の声)これが人間だったらどうだろう?同じように撃ち殺してしまいたい…。
そんな衝動に駆られるんだ。
私の中に眠っていた悪魔が目を覚ましたとしか思えん。
正気!?それでも私にはまだ理性が残っているようだ。
その理性がなんとか悪魔を抑えつけている。
私はね彼らにすがっているんだよ。
彼らならきっと私を納得させてくれると。
人を殺してはいけない明確な理由を教えてくれると。
それを教わればこのままずっと悪魔を抑えつけておく事が出来る気がする。
だから邪魔しないでくれ。
わかったわ。
そう…君ならわかってくれると思ったよ。
(伊丹)この辺りだな。
(芹沢)ですね。
ありましたね。
(伊丹)ああ。
(芹沢)でけえ家だな。
(伊丹)おい。
(物音)やはりね…。
君ならそうすると思ったよ。
どうでした?わかんねえな。
人の気配がありませんね。
どうします?考えてても始まりませんね。
お前…!
(チャイム)
(扉が開く音)反応なしか…。
どこか侵入出来るところがないか探しましょう。
えっ?
(伊丹)侵入するのかよ。
入んなきゃ確認出来ないでしょうが。
おいちょっと待て…待て!それぞれ力のこもった解答だった。
…が及第点には程遠い。
それもこれも君たちに真剣味が足りないからだと思う。
そこでだ1人犠牲になってもらいたいと思う。
犠牲って…?誰か1人を選びなさい。
その人物を私が撃ち殺す。
嘘だろ!?いいえこの人は本気です。
彼女を選んでくれても構わんよ。
おっ…。
どうですか?さあ早く選びなさい。
もちろん犠牲的精神を発揮して立候補してくれてもいいが…。
誰か1人を決めたところで君たちには緊急避難が認められる可能性がある。
(笑い声)まあこんな事は釈迦に説法だがね。
さあ誰にする?
(伊丹)クソッ地下室どこだよ?おいそこは?暖炉です。
さあ早く決めなさい。
あっ…。
猟銃!本物ですよね?本物だろう。
よろしい。
決められなければ私が決めよう。
ちょっと…。
待って頂けますか。
待ってください。
立候補かね?しかも2人。
とりあえず1人でいいんだがね。
ハハハハ…困ったねぇ。
どうしようか?とりあえず2人で話し合うか?早まらないで頂けませんか。
僕は先生に撃ち殺されるために手を挙げたわけではありません。
追試をお願い出来ないかと思いまして。
私もそうです。
追試によって学生を救済する。
その手法を先生も大学で長年とっていらしたと思うのですが…。
駄目ですか?よろしい。
君たちの答案にも興味がある。
あと3時間時間をあげよう。
社くん用紙を取りに来なさい。
(鮎川)さあ。
すいません。
(鮎川)戻ろうか。
(伊丹)おい地下室なんかねえぞ。
ええ。
人を殺したい衝動…。
抑えられなくなってると言ってました。
眠っていた悪魔が目を覚ましたと。
悪魔?ふざけて人を驚かすのが好きな人です。
でも今回は戯れで言ってるとも思えませんでした。
だから私ここから皆さんを逃がさなきゃと思って鍵を持ってこっそり開けにきたんですが…。
(扉が開く音)どうぞ。
ここは先生のお宅じゃないですよね?
(黎子の声)ええ。
皆さんが眠ってる間に移しました。
窓から見える景色が青梅のお宅とはどこか雰囲気が違ったものでひょっとしたらそうかと。
(溝口)じゃあここどこよ?救援は?せっかく杉下さんが外と連絡とったのに…。
どうやら簡単にやって来そうにはありませんね。
何しろ見当違いの場所を伝えてしまったようですから。
まさか…この屋敷じゃなくて地下室は別の場所?はあ?どこにいるんですか?杉下さん。
(小松崎)答案書くんですか?応援が到着するまでの引き延ばしのつもりで追試を申し出たのですがどうやら制限時間までにここを発見出来るかどうかわかりませんからねぇ。
その時に答案がありませんでは申し開きが出来ません。
先生は覚醒した悪魔を抑えつけるために我々にこんな事をさせてるんですよね?ええそう言ってました。
つまり今度お二人が及第点を取れればこの馬鹿げた状態を終わりにする事が出来るという事かな?先生の言葉どおりならばそういう事になりますが…。
そりゃ無理だ。
なぜ人を殺してはいけないのかそんなものに明確な解答などありませんから。
ですから先生は明確な解答などありえない事を今改めて確かめているのかもしれません。
…というと?恐らく悪魔を抑えつけるのではなく逆に解き放つためにこんな事をしているのではないかと。
これは人を殺してはいけない理由などないと確信するための試験だとおっしゃるんですか?ええ。
それで心置きなく…人を殺せます。
なぜ人を殺してはいけないのか?答える事は不可能です。
(黎子)鮎川珠光に殺されかかったんです。
一体何があったんですか?
(美彌子)一種の暗示だったと思います。
(鮎川)タイムアップだ。
彼女は私を裏切った。
覚悟したまえ。
やめなさい!2015/02/11(水) 21:00〜21:54
ABCテレビ1
相棒 season 13 #15[字]
第15話「鮎川教授最後の授業」
教え子たちを監禁し殺人の是非を問う名誉教授。右京はこの危機にどう対処するのか?閉ざされた空間で命を懸けた極限の頭脳戦が始まる!
詳細情報
◇番組内容
右京(水谷豊)は享(成宮寛貴)の後押しもあり、大学時代の恩師の古希を祝う会に出席する。参加者は恩師の鮎川(清水紘治)のほか特に優秀だった元教え子たち。その中にはなんと社美彌子(仲間由紀恵)の姿も。会で鮎川は突然、疑問を投げかけてくる。「なぜ人を殺してはいけないのか?」…次の瞬間、参加者たちは強烈な睡魔に襲われ意識を失い、気がつくと地下室に閉じ込められていた。そこには猟銃を手にした鮎川の姿が——。
◇出演者
水谷豊、成宮寛貴、真飛聖、仲間由紀恵、石坂浩二
川原和久、山中崇史、六角精児、山西惇、片桐竜次、小野了
【ゲスト】清水紘治、石野真子
◇スタッフ
【脚本】輿水泰弘
【監督】和泉聖治
【エグゼクティブプロデューサー】桑田潔(テレビ朝日)
【ゼネラルプロデューサー】佐藤凉一(テレビ朝日)
【プロデューサー】伊東仁(テレビ朝日)、西平敦郎(東映)、土田真通(東映)
◇音楽
池頼広
◇おしらせ
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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