地球イチバン「世界一オーロラに出逢える街 アラスカ・フェアバンクス」 2015.02.12


マイナス25度。
極寒の大地には疾走する犬ぞりが似つかわしい。
そして極北の空に最も似つかわしいものといえば…。
ある人はまるで生き物のように天空を舞う緑の光に女神の姿を見るという。
またある人は人間に災いをもたらす悪魔の怒りを見るという。
絶対今日はキャッチキャッチキャッチしますからね!なぜ人は空に浮かぶ光の揺らめきに心を奪われるのか。
今宵あなたの知らないオーロラの世界へ。
今回オーロラに似つかわしい人物として私たちが旅人を依頼したのは…。
着きましたねフェアバンクス。
うわ〜ロングタイムだったんですけどもええ。
えっ?きれいな女優さんの方がオーロラに似合うんじゃないかって?いえいえルーさんは色気のある大人の男ですからきっとオーロラが似合うはず。
あっじわじわ来ますね。
寒いっすね。
寒いですねやっぱり。
ルーさんオーロラというとどういうものをイメージされますか?何かこうう〜んそうですね…藪からスティックに言われてもねちょっとね何とお答えしたらいいのか分からないけども…。
できればオーロラとトゥギャザーしたいなとは思ってますけどね。
まあフェアバンクスのこの状況…ウェザーの中でできる限りオーロラが見れたらベターかなと思ってます。
運もありますけどね。
イエス!ハロー!ハイ。
ハイ!結構いい街ですね。
よさそうですね。
世界で一番オーロラに出逢える街フェアバンクスはアラスカの真ん中にある。
何でも年間で240日もオーロラが現れるのだそうだ。
人口は10万。
かつてはゴールドラッシュで栄えたが今は観光業が街を支えている。
旅の初日ルーさんが最初に会ったのは街で一番と評判のオーロラハンタージョイスさん。
観光客をオーロラまで案内するプロのガイドだ。
え〜じゃあファーストクエスチョンOK?イエス。
オーロラがいつどの方向に現れるのかを予想し最もオーロラがよく見える場所を長年の勘で割り出していく。
これは人工衛星がリアルタイムで映している宇宙から見たオーロラの映像。
色が赤に近づくほど大きなオーロラとなる。
これを基にその日のベストポイントを探していく。
夜10時。
あと1時間ほどでオーロラが発生するという。
しかしこの日は空が厚い雲に覆われていた。
せっかくきれいなオーロラが発生しても雲に邪魔されては見えない。
ジョイスさんは雲の切れ間を探して移動する。
10分も車を走らせると明かりが全くなくなった。
イエス。
イエス?車で移動する事1時間。
雲の切れ間がなかったためしばらく待機する事に。
ここは人家から遠く離れた秘密のオーロラ・スポット。
この山小屋はジョイスさんの友人の別荘。
待機場所に使わせてもらっている。
1時間待ってもまだオーロラは現れない。
ただスターが全く見えない。
うわ〜残念だな。
南の空に月は出たもののそれ以外は雲に覆われたままだった。
ジョイスさんは29年前にフェアバンクスに移り住んだ。
結婚の経験はあるが子どもはなく今は独り身だそうだ。
先ほど聞いた話が気にかかる。
オーロラに向かってほえ続ける犬とオオカミ。
彼女の話すオーロラにはどこかひんやりとした孤独の影がある。
結局この日は全くオーロラが現れなかった。
ただ待っている間にジョイスさんの話が聞けてオーロラの奥深さが少しだけ理解できた気がした。
旅の2日目。
ルーさんはフェアバンクスの中心街を訪ねた。
本当にこの街では毎晩のようにオーロラを見る事ができるのだろうか?ハロー。
ハロー。
ハイ!イエス。
イエスイエスイエス。
OK!アイルトライ!イエス。
OKサンクス!サンキュー!市役所。
あっ市役所。
ハハハハハハハ!サンキュー!コンニチワ。
こんにちは。
オ〜!OK!サンクス!なぜフェアバンクスでは頻繁にオーロラが見られるのか?それはオーロラ発生のメカニズムに関係している。
オーロラの源は太陽。
光や熱だけでなく電気を帯びた粒子を放っている。
その粒子が太陽風となって地球に届くと磁場に導かれて極地に集まり地上へと降り注ぐ。
その時に放電現象が起きてオーロラとなる。
実はこのオーロラの輪は常に100キロ上空に発生しているためこの輪の下では晴れてさえいればほぼ毎日オーロラを見る事ができる。
そしてフェアバンクスはこの輪の下にありかつ最も晴天率が高い。
午後ルーさんはフェアバンクスの郊外に向かった。
オーロラを観賞するためのロッジが数多くあると聞いたからだ。
何か今日出そうな気がするな。
ロッジでオーロラが出るのを夜通し待つ事にした。
ハロー。
オーロラを待つ間ロッジのオーナーの話を聞いた。
奥さんのベルマさんは日本人に似た顔だちをしていた。
イフアイシーンオーロライッツリアリー…チキンスキン。
「鳥肌が立つ」はい。
グースバンプ。
夜12時を回った頃オーロラが出そうだという事で観光客がベランダに集まってきた。
要するにスターがいっぱいこんなにいっぱいあるとは思わなかった。
オーロラを求めてフェアバンクスにやって来る観光客は年間で12万人にも及ぶ。
うわ〜これ満天の星というのはこういう事を言うのかしら。
ねえ。
ここで出たらすごいね。
向こう側がちょっとね緑色に見えるんですよ。
あっ本当だ!確かにグリーンに見えるね。
満天の星空の下空の低い部分がいつの間にかうっすらと緑色に染まっていた。
確かにオーロラだった。
しかしこの日のオーロラはとても弱いものだった。
空の色が少し変わっただけですぐに消えてしまった。
変な事言いますけど今日初めて今回のロケで初めてようやくオーロラ見れた訳ですけどその気持ちをルー語で五七五で言って頂く事はできますか?五七五とかね三三七拍子なんて言われてもね寝耳にウオーターだったんですけどもねそうですねえう〜ん…「オーロラ見てハートがウオームになっ…たナウ」。
「なったナウ」。
そんなお見事でも何でもないんですけどもねはい。
あんまりいきなり言わないで頂きたいと思いますはい。
そうですかルーさん。
ハートがウオームになりましたか。
ほんの少しだけど初めてオーロラを見る事ができてほっとしたんですね。
旅の3日目ルーさんはロッジの奥さんに紹介されてあるお宅を訪ねた。
エスキモーの人々が大勢集まるのだという。
ハロー!エクスキューズミー。
ハウアーユー?イエスアイムベリーハッピー。
この日集まっていたのはフェアバンクスに住むエスキモーのダンスグループ。
クリスマスパーティーが開かれていた。
エスキモーに昔から伝わる踊りを見せてもらった。
空から光が降りてくる様子を表しているという。
光とは神の導きでもありまたオーロラでもある。
現在アラスカに住むエスキモーはおよそ4万5,000人。
アメリカ政府による先住民保護政策のため60年代より定住化が進み今ではその多くがかつての伝統的な暮らしから離れている。
キャンアイハンド?これはクジラのお肉という事で。
うん!グッドテイスト。
おいしい。
ちょっとこれ食べてみて。
これ日本人に合う。
これがそうですと。
アハハハハ!彼のクルーが取った。
オーロラユーノウ…伝説ありますか?エスキモーの人々が語るオーロラにはただ美しいだけでは済まない何かがある。
人知を超えた神に対する畏れか生存を脅かす厳しい自然への畏怖か。
そしてここでも多くの人がオーロラの音を聞いていた。
夜ルーさんはオーロラを観賞するためのリゾート施設を訪ねた。
ハロー。
ハウアーユートゥデイ?ハブユー?オウ。
アイムジャパニーズコメディアン。
スマイルフォーミー!せ〜のワオ!
(一同)ワオ!・
(話し声)あっ声が聞こえる。
この施設では温泉に入りながらオーロラを見る事ができる。
ここからもうあれだ。
ベリーダーク!あっベリービッグですねこれ。
いや〜快適だねこれ!すごい。
OKちょっとどういう人たちが入ってるか見てみましょうか。
ハローエブリバディー!ハロー!ハウアーユートゥデイ?グッド!おっ?ジャストモーメント!ガールズボーイズ。
ノー?ハウアーユートゥデイ?もうこうやってね星空を眺めながら温泉なんて非常にぜいたくでございますけど…。
イエス?オーイエー!イエー!イエー!イエー!ヒア?イエス!バイバイ!バ〜イ。
絶対今日はキャッチキャッチキャッチしますからね!あれ?これもそうなんじゃない?ちょっとこのでかいの。
これそうだよ!ちょっと!ちょっとちょっとすごいよ出たよ!出た出た出た!これそうだよ!うわ〜!すげえ!うわ〜出た出た!ちょっと早く着替えましょう!出たね!今ね!そうですね。
出たよね?出た。
映らないんですよねこのカメラじゃ。
カメラ替えなきゃいけない。
まあまあ早くやろう。
うわ!ちょっと出た!すばらしい!やった〜!すげえ!抜群だね!何か感動してきちゃった。
そんなにオーロラオーロラってすごいのかなと思ってたんだけどやっぱりこうやって間近で見ると幻想的ですよね。
頭の真上はるか上空を180度にわたり大きな緑の帯が横切っていた。
色と形が刻々と変わっていく。
しばらくはこの光の揺らめきに身を浸してみる。
時には生き物が脈打つように。
時には水が流れ落ちるように。
やがて緑の渦は天空を覆うように広がっていった。
大々的なオーロラを見た気持ちをですねルー語で五七五で。
ちょっと待って下さいよ。
何そのだから…うん。
「オーロラ見たよマイアイズですごいエモーション」。
バイルー大柴。
なるほど。
確かにこんな見事なオーロラを実際に自分の目で見たらすごいエモーションなんでしょうね。
ルーさん目がキラキラしてます。
いや〜羨ましい!ルーさんにはどうしても気になっている事があった。
そう例のオーロラの音だ。
旅の4日目ルーさんはアラスカ大学フェアバンクス校の地球物理学研究所を訪ねた。
ここは世界有数のオーロラの研究所として知られている。
ウィルソン教授はオーロラの音に関する世界的な権威だ。
オーロラっていうのはそのサウンドは存在するのかしないのかちょっと先生に聞きたいんですけど。
結局そのヒューマンにはドントリッスンなんですね。
聞こえないっていう事ね。
エスキモーの人々が聞いていたのは上空でオーロラが発生させた音ではなく地表近くで磁場が生み出したノイズだという。
オーロラの音は人間には聞こえない低周波の音波だった。
インタビューのあとウィルソン教授がある事を教えてくれた。
実はオーロラの音を感知するマイクが南極など世界各地に数多く設置されているという。
しかしなぜそれほどまでにオーロラの音をとろうとしているのか?答えは意外なところにあった。
低周波の音波はオーロラが現れる時だけでなく核実験を行った時にも発生する。
低周波音波を調べれば世界中のどこで核実験が行われているのかを特定する事ができる。
冷戦時代からオーロラの研究は軍事と深く結び付いていた。
この研究所では軍からの潤沢な資金によってオーロラの研究が進められてきたという。
夢もロマンのかけらもないオーロラが持つもう一つのリアルな姿。
その夜オーロラハンターのジョイスさんが再び訪ねてきた。
前回オーロラを見られなかった私たちを気遣ってくれていた。
やっと着いたぞ。
ああもう見えてますねこれ。
すばらしいな。
ああ…。
でもこれからですねこれ。
また何かブリッジのようですねこれ。
すごいわ。
ジョイスさんに案内されて見晴らしのいい高台に着くとこの日もまた頭上に180度の光の帯が広がっていた。
ここで五七五です。
「トゥワイス目オーロラ見えてファニーだな」。
よろしくどうぞ。
しかしこの日のオーロラはこれまでとは趣が違って見えた。
淡く優しく繊細で寂しげで…。
そうどこかジョイスさんを思わせる。
ルーさんが何やら準備を始めた。
いつも持ち歩いてるんですよね。
ポータブルのティーの…あっごめんなさい茶道のですね道具を。
バイマイセルフ自分自身で飲む事もあるんですがお客様のおもてなしという感じでインスタントなんですけどもティーを点てます。
茶道の師範でもあるルーさん。
ジョイスさんのためにお茶を振る舞う。
グッド?イエス。
ジャパニーズお菓子。
オカシ?お菓子。
サンキュー。
OK?アーユーレディー?プリーズ。
サンキュー。
OKOKOKOK。
気に入ってくれましたね〜。
そうですか。
OK!サンキュー。
ありがとうございます。
サンキュー。
お退屈さまでございました。
サンキュー。
サンキュー。
結局この日はオーロラが再び明るくなる事はなかった。
ずっと優しい光のままだった。
あの要するにオーロラ…激しさのあるオーロラもあり今日みたいにうっすらと短い時間なんですけども照らしてくれたオーロラというのもあると思うんですけど見方によっては昨日と今日は動と静のような気がしますね。
静っていうのは…動も静も人間というのは心の中に持っているものだと思うんですけど両方とも大切なものなので。
ただ本当に昨日はエキサイティングしてただけだったんだけど今日は本当に何か心が落ち着き物を思いながら眺めていました。
トゥデイイズフィニッシュ。
イエス。
イエス。
サンキュー。
サンキューベリーマッチ。
え〜っとこの近くと聞いたんですけど…。
旅の最終日。
あっ明かりついてる。
ここかな?こちらですねはい。
ちょっと行ってみましょう。
ルーさんが訪ねたのは今フェアバンクスで最も注目を集めているオーロラ写真家のロンさん。
サンキュー。
お〜!グレート!アイウオントトゥシーオーロラ。
イッツリアリーナイス!サンキュー。
手前の景色にも光を当てる事で昼間にオーロラを撮影したような独特の映像になっている。
ロンさんはこの1枚を撮るために4年の歳月をかけた。
しょうがないね全く〜。
オーロラの縁で結ばれた2人は1年後に結婚。
数人の友人を招待しオーロラの下で結婚式を挙げた。
2人はいつも一緒にオーロラの写真を撮りに出かける。

(笑い声)
(笑い声)愛する人と一緒に見て愛を育むオーロラもいい。
一人寂しく眺めて孤独を癒やすオーロラもいい。
空に浮かぶ光の揺らめきに何を感じるかは人によってさまざまだ。
ただ確かな事が一つある。
100キロ上空の放電現象とその時の天候とそれを見る私たちがうまく巡り合わなければオーロラと出逢う事は決してできない。
そしてせっかく出逢えたオーロラもやがて全ては消えうせる。
だからオーロラとの出逢いはいつも一期一会の奇跡。
だからオーロラはいとおしい。
2015/02/12(木) 02:25〜03:17
NHK総合1・神戸
地球イチバン「世界一オーロラに出逢える街 アラスカ・フェアバンクス」[字][再]

天空に180度広がる緑の揺らめきを、ルー大柴がオーロラハンターと共にキャッチ!オーロラが放つ謎の声の正体とは?その研究に隠された驚きの真実。それは女神か悪魔か。

詳細情報
番組内容
頭上に180度広がる緑の帯。雪景色の中、天空の色と形が刻々と変化する幻想的な光景。生き物のように揺らめく光に、女神の姿を見る人もいれば、悪魔の怒りを見る人もいるという。晴れていれば毎日でもオーロラが見られる街で、ルー大柴がオーロラハンターと共にその姿をキャッチ!先住民に語り継がれる謎の「オーロラの声」の正体とは?その研究には、驚きの事実が隠されていた。あなたの知らないオーロラの真実がここにある。
出演者
【ナビゲーター】役所広司,【旅人】ルー大柴

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

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