(テーマ音楽)
(鹿賀丈史)氷河が流れて削り出した絶壁。
その上にしがみつくように建つ家。
なぜこんな所に家があるのでしょうか。
ノルウェー西海岸の複雑な地形はフィヨルドと呼ばれます。
フィヨルドは氷河が流れて大地を削りそこに海水が入り込んで出来ました。
水深は1,000mに及びます。
数多いフィヨルドの中でここはガイランゲル「槍の穂先」と呼ばれるフィヨルド。
海までの全長は50kmですがその最初の16kmがガイランゲルです。
山の高さは1,200m以上。
夏でも雪が積もっています。
絶壁のあちこちで雪解け水が流れ落ちています。
こんな所に家があります。
土地を借りる金もない農民たちが断がいの上を切り開いて住み着いたのです。
ガイランゲルフィヨルドの一番奥です。
ここにはわずかに平地がありますがかつてはすべて数少ない地主のものでした。
土地の借り賃を払えない農民は絶壁の上を開拓するしかなかったのです。
この農家は今は放棄されていますが一家はヤギを飼いミルクやバターを作って生計を立てていました。
農作業をする間は子供ががけから落ちないように腰に綱を着けていたのです。
がけの上の家は今はほとんど放棄されていますが「フィヨルドの友」のメンバーはその保存に力を入れています。
アスゲイルさんはこの地域の出身。
昔は陸の孤島のようだったガイランゲルの暮らしを父母から聞いて育ちました。
ガイランゲルの人は夏中働いていました。
彼らにとって夏は最も忙しい時期でした。
冬が来る前にすべての作業を終えなくてはならないからです。
昔は冬になると雪がたくさん積もったので村までの道が使えなくなりました。
ですから移動する場合ボートをこぎフィヨルドを通るしかありませんでした。
そんな暮らしを大自然が慰めてくれました。
この家の一家が屋根に上がって向かいの滝を見ている写真です。
彼らが愛した滝は「七人姉妹の滝」と呼ばれています。
7筋の滝が垂直に流れ落ちているのです。
七人姉妹の滝の向かいに求婚者の滝。
七人姉妹に求婚してみんなに振られた男が酔いつぶれ寝ている間に滝になったのだそうです。
2筋に分かれた流れの間にワインの瓶が見えますか?およそ100万年前この地は分厚い氷河で覆われていました。
その氷河が1万年前ごろに解けだし谷底を深く削り取りました。
フィヨルドは長い歳月をかけて自然が彫刻した絶景なのです。
2015/02/11(水) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「西ノルウェーフィヨルド群〜ノルウェー〜」[字]
氷河が刻んだ大自然 ▽自然遺産 【語り】鹿賀丈史 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
氷河が刻んだ大自然 ▽自然遺産 【語り】鹿賀丈史 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】鹿賀丈史
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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