報道ステーション 2015.02.11


当番組は同時入力の為、誤字脱字が発生する場合があります。
≫「相棒」から、ここから「報道ステーション」ということになります。
こんばんは。
≫お休みの日というのはいつもよりは心がホワンとしてるところありますよね。
しかし、そういう中ですけど先ほどまたアメリカからニュースが飛び込んでまいりました。
アメリカでイスラム教徒3人が頭を銃で撃たれて殺されるという大変痛ましい事件が起きました。
犯人はその後警察に出頭したということです。
わかっている限りのことをここで取り急ぎお伝えします。
10日の午後5時過ぎということになりますがアメリカのノースカロライナ州の学生街にあるアパートから銃声が聞こえたということなんですね。
警察が駆けつけますとそこに住んでいる学生のデア・シャビー・バラカさん23歳と妻と、妻の妹の3人が頭を撃たれて死んでいるのが見つかったということです。
バラカさんは新婚であったということなんです。
3人ともイスラム教徒であったということなんです。
その後、3人を殺害したとしてクレイグ・ヒックス容疑者46歳が警察に出頭しまして逮捕されております。
被害者との接点はまだ明らかになっておりませんが殺されたバラカさんはノースカロライナ大学でトルコに逃れたシリア難民のために歯の治療の募金をしていたということで知られた可能性も指摘されているということなんですね。
そして、そのほか入ってきた情報を見てみますと殺害されたバラカさんと奥さんはおよそ1か月前に結婚したばかりだったということです。
本当に痛ましいですね。
CNNによりますと警察は動機については明らかにしていませんが本人のものかどうかは未確認ですがアメリカのメディアは容疑者がインターネット上に宗教に関係する書き込みをしていたということなんです。
書き込みは侮辱を始めたのはお前の宗教のほうだなどという内容のようですがこの宗教が果たしてイスラム教を指すのかどうかなどまだ断定できる段階にはないということです。
もし、また新たに詳しい情報が入りましたら番組の中でお伝えできるかと思います。
それでは、アメリカ関連でもありますけども。
≫こちら、ご覧ください。
こちらの女性は過激派組織自称イスラム国に拘束されていたアメリカ人のケイラ・ミュラーさんです。
拘束されてから1年半が経っていたんですが今月初めに死亡していたことがわかりました。
これについてお伝えします。
それから、こちらは今日入ってきた情報なんですがヨルダン軍がイラクとの国境に地上部隊を集結させているということなんです。
これは一体何を意味しているんでしょうか。
≫また1人、人質が死亡した。
死亡したのはアメリカの人道支援活動家ケイラ・ミュラーさん、26歳。
1年半前に拉致され過激派組織、自称イスラム国の人質になっていた。
先週末、イスラム国側から家族のもとに遺体が埋葬される画像が届いた。
分析の結果ミュラーさんと確認された。
≫これは、ミュラーさんが2011年に投稿した動画。
高校生のころから熱心にボランティア活動に取り組んでいたという。
≫大学卒業後は援助団体のボランティアとしてインドやパレスチナに滞在。
2012年12月からはトルコのシリア国境付近で難民の支援活動にあたっていた。
拉致されるおよそ2か月前彼女は、その支援活動についてアメリカの地元紙に語っている。
≫そして、その現状を知るたびにシリアでの支援活動にひきつけられたという。
彼女にあったのは使命感だ。
≫アメリカメディアなどによるとミュラーさんがシリア北部の激戦地アレッポに入ったのはおととし8月3日だった。
翌日、現地の病院職員の勧めでトルコ側に戻ろうとしたが途中で待ち伏せされ拉致された。
≫拘束が続いていた去年春ミュラーさんから家族に宛てて手紙が届いた。
先に解放された人質に託されたという。
手紙の内容がイスラム国によって書かされたものかどうかははっきりしない。
≫拘束中のミュラーさんの様子は解放された複数の人質が目撃している。
ミュラーさんは希望を失っていなかったという。
≫なぜミュラーさんは死亡したのか。
イスラム国はヨルダンによる空爆だと主張している。
ヨルダンは空軍パイロットの殺害を受け今月5日から空爆を大幅に強化していた。
≫イスラム国は6日空爆された場所として3枚の写真を公開。
うち1枚にはケイラ・ミュラーががれきに埋もれている場所と説明している。
これに対しヨルダン軍は空爆のターゲットはあくまでも武器庫などの軍事目標だったと反論。
アメリカ政府も否定的だ。
≫アメリカ政府は少なくとももう1人人質がいることを明らかにした。
アメリカのメディアは2012年8月にシリア取材中に行方不明になったジャーナリストのオースティン・タイスさんだと伝えている。
そのイスラム国に関連するとみられるグループ。
アメリカの「ニューズウィーク」誌のツイッターをのっとりサイバー攻撃の開始を宣言した。
一方、地上ではアメリカが率いる有志連合が大規模な反撃に出る機運が高まっている。
≫イスラム国はイラク北部の要衝モスルの支配を続けているほかヨルダン国境に近いイラク西部でも勢力を保っている。
アメリカはイラク軍主導のモスル奪還作戦が始まることを明らかにしている。
さまざまな勢力が入り乱れるシリアではなくまずはイラク側のイスラム国の掃討を目指している。
これに関連した動きなのか。
ヨルダン軍の地上部隊、数千人がイラク国境付近に配置されたという情報が入ってきた。
アメリカのABCニュースによるとヨルダン当局はイスラム国の侵入に備えた動きだと説明しているという。
≫この動きに関しても、それからウクライナ東部の動きに関するアメリカはというところも大変気になるところです。
ここでワシントンを呼びます。
中継です。
山下達也記者です。
山下さんまず、この今お伝えをしたニュースに対するアメリカの反応から聞きたいところなんですが。
≫まず、アメリカメディアはこのミュラーさんの件について大きくトップで報じていまして中でもミュラーさんがVTRにもありましたけれども高校生のころから人道支援活動に熱心に取り組んできたと。
そこに焦点を当てて報じられています。
一部メディアはアメリカ中が同情しているとも伝えています。
そして、オバマ政権に対してはイスラム国対策では地上戦闘部隊を派遣しなければ壊滅は無理だという議論が日に日に強くはなっています。
特に共和党や軍の一部からなんですがこれは具体的にはこの地上戦闘部隊を派遣して有志連合の空爆の標的を誘導するというそういった役割が検討されていると一部では報じられています。
しかし、一部共和党の支持者からも、例えばシリアに地上戦闘部隊を派遣したらシリアは、過激派でアサド政権入り組んでいますから誰が敵か味方かわからず、米軍は多大な損害を受けるという指摘も出ていまして3年、4年かかるといわれているイスラム国壊滅の道筋というのは誰も見えていないというのが現状です。
≫山下さんこのごろオバマ大統領の言葉を聴いておりますと何か、かつてのブッシュ大統領と言葉が全然違わないように聞こえてきてビックリすることが正直あるんですけどやっぱり強い議会の共和党の突き上げも含めて世論の流れも含めてあえてああいう言説になっているというところはありますか?≫オバマ大統領地上戦闘部隊派遣には慎重ではあるんですが空爆がある程度の効果はあるけども壊滅的な効果はあげられていないと。
共和党の批判もあり人質がこういった被害に遭っていると。
そういった世論を踏まえてオバマ大統領のイスラム国に対する言葉は確かに日に日に激しくはなっています。
今後、地上戦闘部隊の派遣は真剣に検討して踏み切らざるを得ないという状況になっていくことは十分に考えられます。
≫もう1つ気になるウクライナの戦闘状態アメリカとロシアの代理戦争とも言われているんですがまもなく4者協議も始まるといわれている中でアメリカは武器供与の件をこのごろ、かなり強調している。
この辺りどうなんでしょう?≫これもオバマ政権も武器供与に関してはかなり真剣に考えていまして今週の4者会談の結果次第では決断する可能性はあると思います。
というのはオバマ政権はロシア政権に対しての不信感は非常に強いものがあります。
オバマ大統領最近の安全保障に関する演説では、あたかもイスラム国とプーチン政権並ぶかのような形で取り上げて批判をしていました。
そして、アメリカ軍はロシア軍のウクライナへの侵略、そして国境付近の動き数などを毎日ウオッチしていましてここ何か月も強くロシアへの懸念を示しているんです。
そして、また一方ウクライナ軍がもしロシアをバックにした親ロシア派と戦いを続けてもロシア政府が関与してくる限り勝ち目はないという見方もあるんです。
また、アメリカ経済が実は好調でドイツやヨーロッパと違ってロシアとの経済的打撃をあまり考慮する必要がないという背景もありますのでかなり、ヨーロッパ側からはロシアとアメリカの代理戦争になってエスカレートするという懸念は伝えられているんですがオバマ政権オバマ大統領としてはかなり真剣に殺傷能力のある武器の提供これを決断しようとしているように見えます。
≫なんか、いやな雰囲気になってきたところもありますね。
ありがとうございました。
山下さん。
恵村さんウクライナ東部のお伝えはこれからするので、もう一度アメリカのミュラーさんの話からお話を伺いたいんですが続いてますよね。
≫ミュラーさんがヨルダン軍の空爆で亡くなられたのかどうかはわかりませんけども、一方でシリア、イラクの多くの市民が空爆による巻き添えで亡くなっているという現実はあるわけですよねミュラーさんにご家族がいるようにシリアやイラクの市民にも家族がいるわけでそれだけの怒りや悲しみがあるわけですよね。
空爆で家族を失った市民の怒りというのは、空爆をした側に回ってきますからそれはこれから地上軍を派遣することになったとしても同じことだと思うんですね。
そしてそうした市民の怒りこそが将来に夢も希望も持てない若者たちをイスラム国に走らせるという現実もあるわけですよね。
やはり軍事力も必要ですけどそれだけじゃ足りないように思います。
シリア、イラクの貧困を和らげていくことそれから欧州社会における移民に対する差別とか偏見を少しでも減らしていくことが大事だと思うんです。
そうすることでしか若者たちが過激層に染まっていくことを防ぐことはできないと思うんですね。
これは難しいことなんですが。
≫難しいことだけどそれを目指していかないといけないんですね。
まず、難しくなく何ができるかって今お話聞いていてふと思いました。
我々も自称イスラム国の残虐な映像など一切、放送しません。
とんでもないと。
見せたからといって命の大切さがわかるのかという気持ちがあるから出しません。
しかし、一方ではおっしゃるように巻き添えも出ている可能性が強く出ている空爆の映像は血も流れませんし人々の苦しみの表情も映さないでどんどん空爆の映像はお構いなしに流していますよね。
これ、やっぱり見えないからといって想像しなきゃいけない。
ミュラーさんの言葉を思い出しますよね。
≫そうですね。
私たち報道機関もいろいろ考えていかなくてはいけませんし一人ひとり、そして国も何ができるのかしっかり考えていくことが必要ですよね。
≫一体になったとき、大きくいい方向に事は動いてくれると思うんですけどね。
というようなお話をしつつ今度は東部ウクライナ事実上のウクライナ政府軍と親ロシア派といってもバックにロシアの軍隊がいっぱい入っているとこっちはみていると。
その戦争について非常に気になるところです。
これはウクライナ東部のドネツク州のクラマトルスクそこで、まさに戦禍の模様が寒々しい雪の光景の中で見ることができます。
ここは全く写真ですから無音ですけども、どれだけ慟哭、その怒りや悲しみの声が聞こえてくるか、我々が想像できるかどうかによって事態の進展は変わってくると思うんですね。
その声を聞いて、背に受けての協議と、あともう少ししたらなってくれるのかプーチン大統領含めたウクライナ、そしてフランスドイツの4者協議が行われるということなんですがとにかく、ぎりぎりのせめぎ合いだと思うんです。
これ以上、戦禍が拡大しないように。
果たして、どんなふうになるんでしょうか。
≫戦後の世界地図を勝手に描いたヤルタ会談から70年が経った。
そして、ソ連の後継国ロシアは今新たな国境線を引こうとしているのか。
日本時間の明日午前1時からウクライナ問題をめぐりロシア、ウクライナドイツ、フランスによる4首脳会談が行われる見込みだ。
場所はベラルーシの首都ミンスク。
関係筋によると、即時停戦と前線からの重火器撤収親ロシア派の支配地域の自治権などについて話し合われるとみられる。
≫だが、戦闘は今現在も継続中だ。
ウクライナ政府軍の前線本部がある東部クラマトルスク。
≫親ロシア派が撃ったと思われるロケット砲が住宅街に直撃した。
一部の不発弾は地面に刺さったままだ。
≫その攻撃は幼稚園にすら及ぶ。
≫去年9月に停戦合意していたウクライナ東部をめぐる問題。
散発的な戦闘は続いていたが激しさを増したのは年が明けてからだ。
≫軍事支援が疑われるロシア。
何を狙っているのか。
このころのヨーロッパ。
ギリシャではEUと距離を置き緊縮財政に反対する急進左派連合が選挙で議席の過半数を取った。
このことによりギリシャは資金調達の先行きが不透明になりEUとの関係に摩擦が生じ始める。
そこにロシアは急接近した。
≫また、プーチン大統領は先日クーデターによりアメリカからの軍事支援が受けられなくなったエジプトを訪問。
軍事面での支援はもとよりエジプト初の原発建設に協力する方針を示した。
欧米とは一線を画した選択をし続けるプーチン大統領。
その先にあるものとは…。
≫ロシアのプーチン大統領訪日へ向けてのスケジュール調整の始まりかというふうに事務レベルの話し合いも始まるなんてニュースもあるんですがロシアとしてはいってみれば今かつての東欧圏辺りまでもう一度、手を伸ばそうというプーチン大統領の野望があるともっぱら言われているわけです。
ですからギリシャのことも含めてヨーロッパ、EUに対する揺さぶりをかける。
そして、ヨーロッパとアメリカの分断を狙う形にもなっているといういろんな見方が出てきております。
原油安で苦しい経済状況のロシアだからこそ決してそのスピードを緩めないというのを見せてるのかなと想像もしてしまいますが気になるところです。
≫昨日の放送で沖縄の基地問題について特集でお伝えしました。
その際、番組では地元紙を数日分取り寄せたんですがそこでわかったことがあるんです。
ご覧ください。
2月10日の琉球新報1面に出ています。
サンゴ破壊とあります。
重いコンクリートブロックの下敷きになってサンゴが破壊されているという大問題になっているということなんです。
そこで実際、ダイバーに依頼して海底、どうなっているか撮影をしました。
≫澄み渡った海の中には似つかわしくない巨大なコンクリートの塊。
ここは沖縄県名護市の辺野古沖。
立ち入り制限水域の外から撮影したものだ。
つながれた鎖をたどっていく。
そこには、鎖に絡められたサンゴの姿があった。
波に揺られた鎖によってサンゴは徐々に削られていく。
海上に目を向けてみる。
進められているのはアメリカ軍普天間飛行場の移設に向けた新基地建設の作業だ。
立ち入り制限水域を示す浮き具などを固定するため先月下旬からコンクリートブロックを落とし込んでいた。
そのブロックが、貴重なサンゴを押し潰すように置かれていた。
重さは最大で45トン。
地元のダイバーらによるとこうしたサンゴの損傷は少なくとも7か所で確認されたという。
周辺海域では反対する住民らを海上保安庁の職員が引き離そうとするなど厳戒態勢が続いている。
≫辺野古周辺の海域は絶滅危惧種のジュゴンやウミガメが回遊し生活の場としている。
海域での作業は生態系の破壊につながると懸念の声もある。
≫しかも、一連のコンクリートの海中投下は本来認められていない区域で行われている可能性があるという。
実は、サンゴの岩礁を砕く際には県の許可が必要だ。
実際、おととし12月に仲井真前知事が政府の埋め立て申請を承認して以降埋め立て予定地などに限ってサンゴの岩礁の破砕許可が出されている。
ところが、今回サンゴの損傷が確認されたのはこのエリア。
ほとんどが許可の出された海域以外の場所だった。
国は、これらのエリアで県から許可を受けていない。
法令違反の疑いがあるとして市民の間からはブロックの投入中断を求める署名が相次いでいる。
≫国はコンクリートブロックの投下を今後合わせて75か所で行うとしている。
沖縄県は条件に違反していた場合サンゴの破砕許可を取り消すこともあるとしている。
≫昨日私たち、恵村さん沖縄の地元の新聞に接してなければこれをお伝えできていないんですよね。
大変重要なことだと感じるんですけどね。
≫辺野古の海というのは世界に誇れるような生物多様性の豊かな海なんですよね。
その海がこれだけ破壊されているということはちょっと驚きますよね。
沖縄の民意は明確に普天間でも辺野古でもない第3の道を求めているわけですけど政府はしゃにむに辺野古しかないということで突き進んでいる。
大きな違いがあるわけですよね。
だとすれば話し合うしかないわけですが首相も官房長官も翁長知事に会おうとしないサンゴの損傷の件も国は県と話し合おうとしてないわけですよね。
県と県民を拒んでいる。
諦めるのを待つかのような冷たい政治だと思います。
これでは国と県の分断というのは更に深まるばかりだと思うんです。
本土の側も沖縄だけに任せていい問題ではないと思うので私たち報道機関もしっかり見ていかなければならないなと改めて感じました。
≫こういうご意見あると思うんですね。
サンゴも大事だけれども人間の安全保障も大事だから基地が必要だというお考えの方は多くいらっしゃると思います。
だけど、サンゴとか人間と単体で見ないでおっしゃる生物多様性で見ますとサンゴ礁というのはあらゆるものの命をはぐくむ要衝のようになっていてその人間までつながってくる我々はものをいただいて生きているわけですからつながる生態系の胎盤のような場所ですよねサンゴって。
≫あの東日本大震災から今日で3年と11か月ということになります。
どうしたら1歩でも2歩でももっともっと復旧に心も含めて向かっていけるのか。
そんな思いを込めて1か所を見つめさせていただく被災地中継今日はこちらです。
宮城県蔵王町の倉庫です。
絵の手直しに余念がないのが加川広重さん、38歳。
被災地をテーマに絵を描き続けている人です。
奥の、立てかけているこの大きな1枚のパネルは実は、1つの絵の24分の1に過ぎません。
全体の絵は今月1日、仙台市内で展示されました。
高さが5mとなります。
幅は、なんと16mにも及ぶ巨大な絵となります。
これは、加川さんが石巻市で見た津波に襲われた工場。
後ろには陸に打ち上げられた大きな船。
そして、工場のこの床にはあの日、津波にのまれていった町そのものが映っています。
あまりにも多くの悲劇があまりにも一瞬にあまりにも同時に起こったあの震災。
小さなキャンバスに収めるにはあまりにも膨大な光景あまりにもつらい物語の数々です。
あの日、加川さんは車で講師をしている美術学校に向かっていました。
そのとき仙台に住むおじさんが行方不明になった。
津波にのまれたという連絡が入ります。
1週間後、おじさんは遺体で発見されました。
それからというもの加川さんはカメラ片手に被災地を回り続けます。
半年かけてようやく完成したのが先ほどの石巻の絵でした。
忘れる力というのは人間に与えられています。
でももし忘れることができなければ過去に縛られて、新たな世界に一歩を踏み出せなくなる。
しかし一方で大切なことを覚えておくという力を失ってしまえば自分が何者でどこへ向かうのかその方向を見失う。
加川さんは描き続けるしかありませんでした。
実際に、絵を見た人々の反応が支えとなる。
写真だと生々しいけど絵ならばじっと見てることができるからね。
そして今、彼が筆を入れているこの絵はこの絵を描くきっかけとなったのは2013年の8月。
浪江町に住んでいたイナダ・サダシゲさん74歳から届いた1通のメールでした。
こんなにも絵に考えさせられるなんて本当の福島の実情というものをあなたの絵で発信できないか。
加川さんは意を決して故郷を追われた人の嘆き怒り、そして悲しみ。
そのすべての思いを込めて絵のタイトルはカタカナで「フクシマ」とつけました。
ホールのステージを埋め尽くすこの巨大な絵。
手前に崩れた外壁と後ろにわずかに残った柱たち。
福島第1原発3号機のその姿です。
絵画というのは鏡になることがあります。
そこに自分の内面が映し出されるからです。
絵画はあるときは地図になります。
絵に導かれてあの日やあの場所に赴くことができる。
絵画は、あるとき橋にもなります。
自分と、自分以外のものを結びつける力もあります。
≫長野県の八ヶ岳連峰で遭難した学習院大学の山岳部の男女2人が今日、遺体で発見されました。
≫遭難の通報から2日長野県八ヶ岳連峰で冬山登山をしていた2人の大学生が今日午後、遺体で見つかった。
亡くなったのは学習院大学山岳部のメンバーで4年生の吉田周平さんと1年生の土山莉里香さん。
吉田さんは山岳部の主将を務めていた。
≫警察の捜索隊によると2人は雪に埋もれ1mほどの深さから見つかった。
2人はザイルでつながった状態だったという。
≫吉田さんら山岳部のメンバーは7日に路線バスに乗ってここ、長野県茅野市の八ヶ岳山荘前に到着したといいます。
そして、その後黄色い箱に登山計画書を入れたうえでこちら、斜め左の道美濃戸口から阿弥陀岳の山頂へと向かったということです。
≫山岳部のメンバー5人は8日に阿弥陀岳に登頂したが下山中に道に迷い急遽ビバーク野営を行った。
翌9日、再び下山を始めたが土山さんが遅れ始めたため主将の吉田さんが付き添いほかの男子部員3人と別れた。
そして、今日阿弥陀岳の南西の斜面で2人の遺体が発見された。
≫ようやく寒波が抜けて今日は穏やかな天気となりました。
ただ、明日は広く崩れます。
日本海にある低気圧が不安定な天気をもたらしそうなんです。
まもなく花粉症の方にとってはつらい時期がやってきますね。
こちら、今年予想されている花粉の量なんです。
去年と比べてみますと東海から東北にかけてかなり多い予想となっているんです。
この中でも、特に茨城では8倍宮城では6倍もの量になりそうです。
すでに鼻がむずむずしている方いらっしゃるかもしれません。
気になるのが飛び始める時期ですね。
詳しく見ていきますと西日本や東日本では2月の中旬今日が11日ですのでもうすでにいつ飛び始めてもおかしくない状況なんです。
そのあとは、徐々に北上していく予想となっています。
3月中旬にかけてですね。
本格的な花粉シーズンが始まる前に、そろそろ準備を始めたほうがよさそうです。
≫スポーツまいります。
青山さんお願いします。
≫お伝えします。
まずカーリングの日本選手権です。
来月の世界選手権出場もかかっているんですが小笠原選手率いる北海道銀行と本橋選手率いるロコ・ソラーレ北見予選リーグともに5勝負けなし。
優勝候補同士が今日、激突です。
≫1チーム4人が交互に2投ずつ投げるカーリング。
最終的に円の中心に近いチームに得点が入る。
この場合、赤より内側に黄色が1つあるため黄色が1点。
勝敗を分けたのは北海道銀行が1点リードした第6エンドだった。
両チーム最後の1投を残し円の中には赤の北見が4つ。
このままだと北見に4点が入るため北海道銀行はこのわずかな隙間を通し円の中心に黄色を置かなければならない。
北海道銀行、小笠原。
これを決めた北海道銀行。
すると、今度は北見がこのわずかな隙間を通し相手のストーンを狙う難しい状況に追い込まれた。
プレッシャーのかかる場面本橋、決められるか。
わずかなずれも許されないショットを決め北見が一挙4点。
このまま逃げ切った北見が≫続いてプロ野球です。
今日稲葉さんが訪れたのは2004年まで在籍したヤクルトのキャンプです。
真中監督とは10年間一緒にプレーしたチームメートだったんですね。
どんな取材になったんでしょうか。
≫監督、おはようございます。
≫稲葉が向かったのは2年連続最下位、ヤクルト。
再建を託されたのが新監督・真中満。
≫自主性を大切にする真中監督が打撃コーチ、2軍監督時代に育てた選手は多い。
その象徴的な選手がプロ5年目、山田哲人22歳。
去年、日本人右バッターのプロ野球記録となる193安打を放った。
≫かつての最多勝投手がバッティングピッチャーとして再出発。
藤井秀悟、37歳。
≫去年DeNAを戦力外となり現役を引退した藤井。
今シーズンから巨人の裏方として第二の野球人生を歩み始めた。
打席に立った坂本は…。
≫祝日で満員となった日本ハムと阪神の練習試合。
まず観客を沸かせたのは大谷翔平。
初の対外試合で初出打席初ホームラン。
≫新潟の取材から戻ってきたばかりの山口豊アナウンサーです。
今日の特集よろしくお願いします。
≫日本では、火山が活動期に入ったとも言われているんですがその一方で、火山の監視、防災体制は世界標準から遅れているとも指摘されています。
そうした中で去年あの御嶽の噴火があっておよそ60人もの方が犠牲になったわけですね。
一方でこちらはやはり、去年なんですが御嶽山の500倍もの大噴火をした火山がインドネシアにありました。
しかし、噴火直前に9万人もの方が一斉に避難して犠牲者はゼロだったんです。
その場所をちょっと確認いたします。
インドネシアのジャワ島にありますケルート山です。
この現地で取材しますと日本が失った大事なものが見えてきます。
≫失われたという日本の火山防災システム。
それを象徴する場所が北海道にあった。
≫見えてきました。
あちらが去年12月に噴火警戒レベルが2に引き上げられました十勝岳です。
現在も火口の周辺からは噴煙が上がっている様子がはっきりと確認できます。
≫火口から1kmの範囲で立ち入りが規制されている十勝岳。
常に監視が必要とされる火山の1つだ。
日本の火山監視体制の現状に強い危機感を抱いているのは北海道の火山を最前線で研究してきた北海道大学の岡田弘名誉教授。
2000年の有珠山噴火の際には地元自治体に科学的な助言を行い1万人避難を成功させた人物だ。
≫問題は無人になった観測所だという。
もともとこの十勝岳の観測所では人が常駐し監視を続けてきた。
ところが、1995年にこの観測所は閉鎖された。
20年間無人の観測所。
気象台の職員に中を見せてもらった。
≫写真が貼ってあってそれから机が置いてあります。
非常にがらんとした空間です。
≫1990年代中ごろから全国にあった観測所などは次々に閉鎖。
現在、常に監視が必要な47の火山のうち人がいる観測所は5か所しかない。
火山の観測データは国内4か所にある監視センターに送られ遠隔操作で監視するシステムになっている。
しかし…。
≫太平洋を取り囲むように火山が並ぶ環太平洋火山帯。
その西側に位置するインドネシア。
127もの活火山を抱える世界最大の火山大国だ。
≫辺り一面はうっそうとした熱帯地方特有のジャングルです。
この濃い緑の中にばっくりと切り立った岩肌が見える山があります。
あれが去年大規模な噴火を起こしたケルート山です。
その切り立った外輪山の真ん中辺りに噴火口があります。
そして、火口から流れ落ちてきた大量の火砕流の跡が今も生々しく確認できます。
≫インドネシアの中心ジャワ島の東にそびえる標高1731mのケルート山。
かつて、火口湖の周りは豊かな緑に覆われレジャー施設や温泉がある有名な観光地だった。
その風景が一変したのはちょうど1年前。
噴煙の高さは20kmにも及び大量の噴石や火山灰が周囲の町や村に降り注いだ。
その規模は御嶽山の500倍だった。
≫火口の近くにあるこちらの休憩所だったと思われるんですがかなり去年の噴火で被害を受けていますね。
ご覧のように鉄筋コンクリートの屋根が抜けてしまっていますね。
無数の穴が開いてしまっています。
全て噴石の直撃を受けた跡だと思われます。
≫噴火当日。
火口から10km圏内の地域に暮らす9万人もの住民に避難命令が出された。
噴石などで1万棟以上の家屋が被害を受けたが死者は出なかった。
9万人の命を救ったのがケルート山の、この観測所だ。
≫今、うっすらと雲がかかっているのがケルート山です。
その火口から7kmの位置にあるこの建物が観測所です。
こちらがお二人今、詰めてるんですね。
ちょっとお邪魔します。
失礼します。
≫観測所のホイルル所長。
毎日2人態勢でケルート山を観測し午前と午後の2回火山センターにデータを報告している。
火山センターとは観測、研究、防災などインドネシアの火山に関する全ての権限を持つ国の機関だ。
観測所の重要な仕事は週1回のパトロール。
≫ガタガタですね。
穴ぼこがあちこちにあいてます。
これ、全て去年の噴火のときの噴石で開いてしまった穴ですね。
この辺りもかなり道路が壊れてますね。
路肩が崩れ落ちています。
車1台通るのがギリギリですね。
ここからは本来は一般の人は入れません。
これから、所長がパトロールに行くというので同行します。
特別に入れてもらいます。
すごいね、これは。
ちょっと気をつけましょう。
すごい断崖絶壁です。
本当に、尾根沿いを進んでいきます。
≫火砕流に埋め尽くされた山肌。
かつてここには整備された道路が通っていた。
≫アスファルトが残っています。
もともとは道路があったんですね。
それが火砕流で埋め尽くされたということですね。
それから、すごい巨大な噴石が転がっています。
直径2mぐらいあるでしょうか。
ああいうのが飛んできたんですね。
40分ぐらいですかね山をずっと上がってきました。
そこがちょうど尾根ですね。
頂の上に上がってきました。
この向こうが火口湖が見える場所ということなんですがすごい断崖絶壁ですね。
今、霧に包まれています。
この下が火口ということだと思います。
奥のほうからサーッというような音が響いています。
火口から響いている音ですね。
≫これは、別の日に撮影された火口の映像。
絶えず噴煙が立ち上っている。
火口湖も見える。
音やにおいなど観測機器ではわからない細かな変化を感じ取る。
こうした監視を26年間にわたり続けてきた所長。
その姿は、世界をリードしてきた日本の研究者に重なる。
≫あの日、9万人が避難したケルート山の大規模噴火。
火山の声はどのように伝えられたのか。
噴火の11日前火山センターはホイルル所長が現場でつかんだ噴火の兆候をもとに警戒レベルを2に引き上げた。
そして、すぐに現地に対策チームを派遣。
そのリーダーはかつて日本で学んだ火山研究者のへティ博士だ。
≫噴火5日前。
火山センターの最高責任者も現地に合流。
観測所のこの部屋で警戒レベルを決める態勢が整った。
刻一刻と変わる情報は観測所から直接地元ラジオ局に伝えられ住民のもとに届いた。
≫噴火3日前火口湖の温度が上昇。
火山性微動も観測されレベル3、避難準備に引き上げられた。
噴火当日、火山性微動が連続し地震計が何度も振り切れた。
午後9時半ついに避難命令が出された。
≫これは、そのときの映像。
夜間にもかかわらず住民たちが冷静に避難する様子が映っている。
それは大規模噴火のわずか1時間半前のことだった。
≫噴火を知らせるラジオ放送。
まもなく噴石が雨のように降り注ぐ。
しかし、すでに住民は火山センターの指示で事前に用意されたバスやトラックで、100か所以上の避難所に移動。
死者は出なかった。
≫インドネシアで常に監視が必要とされる活火山は69。
そのすべての観測所で人が山を見続けている。
観測、研究そして防災を一元に行う火山センター。
実はそこで働く研究者の多くは日本に留学し学んでいた。
その研究者の育成に関わってきた京都大学の井口正人教授。
≫日本では、観測は気象庁研究は大学防災は各自治体などといくつもの組織に分かれている。
特に、観測をする気象庁と火山学の研究者が別々の組織に属しているのは世界の火山国の中で日本だけだ。
北海道大学の岡田名誉教授は日本独自の縦割りと観測所の無人化がなければ御嶽山の被害は防げたと指摘する。
≫大事な指摘ですね。
≫日本には本当に課題が多いんですがまずインドネシアは徹底した現場主義なんですよね。
所長も、やっぱり最後は機械ではなくてちょっとした火山の変化に気づけるかどうかそれは経験に裏打ちされた第六感のようなものなんだとおっしゃるんですね。
そして観測所が地域住民の中心にあって防災情報を細かく出しているわけです。
例えば、9万人の避難が成功したあとも1週間後に警戒レベルが引き下げられて皆さん家に戻ってるんですよね。
これも、やはり普段からのお互いの信頼関係ができているからこそできる細かい指示だといえると思うんです。
一方の日本を振り返ってみるとその逆になってしまってるんです。
例えば御嶽の場合にはおよそ2週間前に御嶽山の山頂の地下で火山性地震が増加したというデータがありました。
そのデータは遠く離れた東京・大手町の気象庁で職員が見ていたんですがそこに火山の専門家がいなかったわけです。
もし火山の専門家がいれば少なくとも御嶽山に登ってちょっとした火山ガスの変化にも気づいたはずだと岡田さんは指摘しているわけです。
今、日本では御嶽の被害を受けまして監視体制、機械を強化しようとしているんですがそうではなくて根本的な縦割りの弊害をなくして気象庁と研究者が一緒になるような組織を作ったりそれから火山のホームドクターを作ることが大事だと2015/02/11(水) 21:54〜23:10
ABCテレビ1
報道ステーション[デ][字]

きょう何があったか!一日のしめくくりとして欠かせないニュース番組。古舘伊知郎を中心に正解のない時代のニュースを「まじめに」「前向きに」「正直に」お伝えします。

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緊迫感や速報性を重視したニュースと元気で明るいスポーツ、硬軟取り混ぜた時代を映し出す特集に季節感あふれる天気予報と情報満載です。
◇出演者
【メインキャスター】
古舘伊知郎
【サブキャスター】
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【スポーツアナウンサー】
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【天気予報】
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【コメンテーター】
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【特別リポーター】
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【スポーツ】
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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