きょうの健康 薬 安全賢明利用術「のみ忘れを防ぐ」 2015.02.11


(テーマ音楽)知っておきたい健康情報を分かりやすくお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
今週はこちら。
今日は3日目です。
テーマは…薬ののみ忘れね…。
私もあるんですよ。
ついついたまっちゃうんですよね。
たまってますよね。
困りますよね。
そんなのみ忘れを防ぐための工夫を今日はご紹介していきます。
今日も専門家をお迎えしております。
分かりやすくお話をして頂きましょう。
ご紹介致します。
薬の効き方などの研究をされています。
今日もどうぞよろしくお願い致します。
薬をのみ忘れる人私だけじゃありませんよね?きっと多いですよね?そうですね。
いくつかの調査がありますが画面を見て説明したいと思います。
2012年にある製薬企業がインターネットを通じて生活習慣病の患者さんを対象にして行った調査です。
薬ののみ忘れがよくありますと答えた人が4%ぐらい。
たまにはあるというふうにお答えになった方が43%です。
合計しておよそ半分ぐらいの患者さんが何らかの形で薬ののみ忘れがある。
自己申告ですので本当の数字はもう少し大きいかもしれないと思われます。
多くの方がやっぱり忘れると。
ではそんなのみ忘れを防ぐために何かよい方法はないでしょうか?いくつかの方法が考えられています。
一つは最初にお話しするのは一包化。
1つの包みにするという方法です。
例えばこの方が病院で6種類のお薬を出して頂いているとします。
それぞれのむタイミングが朝昼夕寝る前違ったと致しますとこれをなかなかうまくのみ分けるというのは難しいです。
これは大変ですね。
そこで一包化して頂く訳です。
例えば朝食後服用するお薬を1つの袋にして頂ければのみ間違いもないしのみ忘れも少ないという事ができる訳です。
一包化。
これらはひとまとめになっているという事ですよね。
1つの包みになっているんです。
そちらに実物がございますが。
はい。
それではご覧に入れましょう。
こういうものです。
これは2日分のお薬を一包化したものです。
それぞれ朝食後昼食後夕食後睡眠前というふうに使うべき時に使うべきお薬が1つの袋になっておりますので…。
これは分かりやすいね。
大変便利な方法だと思います。
これはどうすればこのように一包化してもらえるのですか?病院が同じ場合はもっとよいですがたとえ違った病院でも処方箋をいくつか持っていって同じ時に掛かりつけ薬局などに行ってたくさん薬があるので一包化をお願いすればこういった形の一包化の袋にして頂く事ができると思います。
一包化。
個別の包装。
これいい方法ですよね。
ほかに何か方策はないか別の方策をご説明頂きましょう。
もう一つの方向として配合剤という方法もあります。
これ比較的最近よく使われるようになった方法なんですが例えばある方が高血圧の治療をしていると致します。
一つにはカルシウム拮抗薬というお薬。
それだけでやると足りないのでARBというようなお薬をもう一つ一緒に使う必要が出てきたと致します。
その場合にはこのカルシウム拮抗薬とARBというものを違った2つの成分を1つのお薬に配合した配合剤という便利なものがあります。
本来はこの2錠をのまなきゃいけない訳ですね?1つずつ。
それが1錠ごっくんで済んでしまうという事。
つまり薬の量が1/2になるという訳です。
こういった組み合わせの治療が必要な場合には大変便利です。
最近はまた例えば生活習慣病で血圧の薬とコレステロールが高いので脂質異常症のお薬というようなお薬をのんでいる方も一緒に配合剤にした製剤も利用できるようになっておりますのでもしそういう場合には先生にお聞きしてみるのも一つの方法ではないかと思います。
「配合剤ありませんかね?」というふうに質問してみるという事ですね。
はい。
薬の数はこれで減りますよね。
これはいいんですが薬をのむ回数ですね。
一日に何回ものまなきゃいけない。
これ減らせませんでしょうか?それにもいくつかの方法が工夫されています。
例えばこの画面で説明したいと思います。
この患者さん例えば朝昼夜と3回同じお薬を3つに分けて3回にのんでると致しましょう。
しかしこのお薬にもし3回分のお薬を1つにしてゆっくりと吸収させてゆっくりと効き目を出させる事ができるような製剤が利用できれば3回分を1回にする事ができる訳です。
こういうご説明頂きますが1回しかのまない訳ですからのんだ時はグッと効いてだんだんだんだん効き目は弱くなっていってしまうという事はないんですか?そういう懸念がありますのでちゃんと工夫がされているんです。
通常お薬を朝昼晩3回に分けて服用致しますと薬体の中に吸収されまして薬の量が増える。
…でだんだん減ってくる。
…で少なくなった時に2錠目をのんでこういう形。
夜もう一度のむという形で薬の体の中の量はこのように波のように変化する訳です。
一方これを3回分まとめてる…3倍の量がある訳ですがそのままですと危険です。
なのでゆっくりと腸の中で溶けてゆっくりと吸収されるので体の中の薬の量がこのように非常に平坦なちょうど効果が出る範囲の中に収まって長い時間続くというような工夫がされている訳なんです。
この徐放性製剤例えばどんな病気の薬ですか?いわゆる生活習慣病に近い一定の効果を長い間続けなければならない例えば高血圧の薬ですとかそれから小児の喘息のお薬などでも多数使われております。
配合剤や徐放性製剤は誰でも使えるものですか?何か注意点は…?これは残念ながら配合剤も徐放剤も皆さんにぴったり合うかどうかというのは最初から分からないんです。
やはり治療の開始の時点では普通のタイプのお薬でのむタイミング量その患者さんにぴたっと合わせた量をまず決めてもらって安定した段階で徐放剤ですとかここには徐放剤しか書いておりませんが配合剤などを切り替えてそれで長期間使って頂くというタイプの使い方が多いです。
こういう工夫をして頂いてものむ事自体を忘れてしまうという事がありますがね。
これなんとか工夫できませんかね?実際のみ忘れという事は人が誤り間違いというのは避けられないのであってはならないかもしれませんが実際にはたくさんある日常的な問題でそこでのみ忘れをできるだけ少なくするためにいくつかの工夫がされます。
例えば3つ挙げましたがのむ時間を一定にするというのも方法です。
例えば食事を終わったらすぐにのむ。
そういう習慣をつける事によってのみ忘れが減る。
それからその時に重要ですがお薬をすぐ手に届くところに置いておく。
例えば食卓の横の戸棚に置いておくとかいう事によって食後にのむ手近にあるというような習慣づけをするといいですね。
声かけ。
そうですね。
特にご高齢の方でお薬をのむタイミングをつい忘れてしまいがちの方などにとってはご家族にもどんなお薬をいつのんでるかという事を十分知って頂いてご家族の方にも協力して頂く。
おじいさんおばあさんの治療に協力して頂くというふうにすればのみ忘れはかなり減るんではないかと思われます。
またのみ忘れ防止のためのグッズというのもありますよね。
ご紹介頂けますか?はい。
そのためにいくつかのグッズがあるんですがこれ一つの代表的なものです。
こちらです。
こちらは1週間服用しなければならないお薬を月曜日から金曜日土曜日日曜日まで更にのむタイミングに分けて朝昼夕寝る前というふうに小さいポケット作ってあります。
そこで朝なら朝のむべきお薬をのむべき量このポケットに入れて頂ければ間違いがない。
先ほどお話ししたような一包化されたお薬であればポケットに入れて頂ければ更によろしいのではないかと思われます。
こうした工夫がありますがでものみ忘れますよね。
そうですね。
その時の対処法について次を見ていきましょう。
まずはこんなケースをご紹介します。
まずAさんのケースです。
1日に朝夕2回食後に服用する高血圧の薬をのんでいます。
この日は朝の分をのみ忘れてしまったので食後2時間後にのみました。
Bさんはといいますと1日3回食直前に服用する糖尿病の薬をのんでいます。
この日は朝の分をのみ忘れてしまったので食後2時間後にのんだという事なんです。
それぞれ伺いましょう。
対処は正しかったのか?Aさん高血圧のお薬どうでしょう?このお二方のケースは食後2時間にのんだという事では同じですがこれはこちらは○でこちらはどっちかというと×なんです。
Aさんの場合は高血圧のお薬で先ほどお話ししましたように高血圧のお薬って比較的効き始めも効き目もマイルドなので1日2回朝夕というところ朝分のみ忘れても2時間程度であればまだ十分時間がありますので。
次回の投与時間まで…。
のんだ方がむしろよろしい。
これで正解だったと思います。
しかしこのAさんの場合でももしも気付いたのが夕食直前のような時間であったらば1回分朝の分はおやめになって夕方から始めるのが賢明です。
更に一番重要なのはもしのみ忘れても次回にその分2倍のむという事は決してしないようにして下さい。
これはもういっぺん念のため言いますよ。
Aさんは朝の分のむのを忘れたから夕食の時に2回分のんじゃおうと。
いっぺんにのんじゃおうと。
これがいけない訳ですね?そのとおりでお薬というのは1回分1回どれだけのむかというのが非常に重要なので1日分というのはそれが合わさった合計という事で1日分というのはあまり重要じゃないんです。
Bさんはどうして×…?Bさんの場合は糖尿病のお薬でのみ方が毎食直前であったという事からこの薬のピーク効き目のピークが食後の糖が一番高くなるところにぴたりと合わせるために特別に食直前というのみ方をするお薬なんです。
なので食後2時間もたちますとピークから更に時間がたっておりますので血糖はむしろ下がる方向にある事が多くて下がっているところに薬の効き目のピークが来ますと糖が下がり過ぎてしまって低血糖などの症状が起きてしまう危険が増えてしまいますのでこの場合は2時間たってしまっていればのまない。
それで次回からまた決められた1回食直前この場合ですと朝食直前に服用されるのが正しい方法だと思います。
昼食直前という事ですね。
はい。
この事は糖尿病の薬全てに当てはまるものなんですか?残念ながら糖尿病の薬は効き目のメカニズムが非常にいくつか異なったものがありますのでこのお薬のように対応するのがいつも正しいという訳ではないんです。
これは短い時間でお話しできませんが難しいお話なのでやはり専門家にのみ忘れという事はゼロにする事はできませんので万が一のみ忘れた時自分の薬はどうしたらいいのかという事をお医者様や薬剤師さんに聞いて万が一の時に正しい対応がとれるようにするのがよろしいと思います。
もしのみ忘れたらどうしたらいいですかという事は聞いておく。
これは大事ですよね。
ちょっと恥ずかしいかもしれません。
現実には私はやっぱりのみ忘れてる訳ですので家にどさっとたまっちゃってるんですよ。
たまってます。
うちも…。
これどうしましょうね?いわゆる残薬のみ残し薬という問題ですね。
これも実際問題としては避けられない問題です。
それでずっと懇意にされている主治医の先生であれば素直に残薬がこれぐらいあるという事をお話しになって一度処方日数を調節してしまう事で残薬を解消するという方法もあると思います。
もう一つ問題なのはうちに残っていたものをほかの方に分けて差し上げるとか。
これはよくないですね。
同じような症状に見えるかもしれませんが背景にある病態病気は患者さんによって異なる事がありますので間違った治療をしてしまう可能性もあります。
それから大人の薬を子どもに使ったり。
これもまたよろしくないですね。
自分用の薬を人にあげるのはよくないという事ですね。
今日はいろんな注意点ありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/02/11(水) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 薬 安全賢明利用術「のみ忘れを防ぐ」[解][字]

高齢になり、薬の種類やのむ回数が多くなるほど、のみ忘れは多くなりがち。のみ忘れを防ぐためのさまざまな方法や、のみ忘れた時に注意したいポイントなどを伝える。

詳細情報
番組内容
高齢になり、薬の種類やのむ回数が多くなるほど、のみ忘れは多くなりがち。薬は、のみ忘れると本来の効果が発揮されないだけでなく、長く続けば病気が進行するおそれもある。薬ののみ忘れを防ぐには、のむ量や回数を減らす工夫がされた薬を使ったり、のみ忘れ防止のグッズを使う方法などがある。また、薬をのみ忘れた場合の対処法は、気づいた時間と薬によって異なるので注意が必要。のみ忘れに関する知っておきたい知識を紹介。
出演者
【講師】明治薬科大学教授…越前宏俊,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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