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デンマーク銃撃 男は2週間前に出所か
2月16日 12時26分

デンマーク銃撃 男は2週間前に出所か

デンマークで、表現の自由を訴える集会などが武装した男に相次いで襲撃され2人が死亡した事件で、射殺された容疑者の男はデンマーク生まれの22歳で、地元メディアは容疑者が過去に凶器で人を刺した罪で刑務所に服役し、2週間前に出所したばかりだったと伝えています。

デンマークの首都コペンハーゲンでは、14日、イスラム教の預言者、ムハンマドの風刺画を描いた画家が参加していた表現の自由を訴える集会が武装した男に襲撃されたのに続いて、15日、ユダヤ教の礼拝所が銃撃され、2つの事件で男性2人が死亡し、警察官5人がけがをしました。
警察は15日早朝、監視カメラに映っていた犯人と特徴が似た男をコペンハーゲン市内で発見し、銃撃戦の末、射殺しました。
この男は、過去に暴行や武器の不法所持などの犯罪歴があるデンマーク生まれの22歳で、警察は2つの事件の容疑者だとしています。
警察は容疑者の名前を明らかにしていませんが、デンマークの国営放送は弁護士の話として、容疑者の名前は「オマル・フセイン」で、2013年に19歳の男性をナイフで刺した罪で刑務所に服役し、2週間前に出所したばかりだったと伝えました。
容疑者を巡っては、15日に記者会見した情報機関のトップが「イラクやシリアなど紛争地に渡航したという情報は今のところないが、今後の捜査の中心となる」と述べていて、イスラム過激派組織との接点がなかったかなどを調べる方針です。

事件の経緯は

デンマークの警察によりますと、最初の襲撃事件が起きたのは首都コペンハーゲンの中心部近くで、現地時間の14日午後3時半ごろでした。
自動小銃で武装した男が表現の自由を訴える集会を襲撃し、55歳の男性を殺害したほか、警察官3人をけがさせました。
男は車を奪って逃走したとみられます。
この車は事件現場から1キロ余り離れた場所で乗り捨てられているのが見つかっていて、周辺の監視カメラには男と特徴が似た人物が映っていたということです。
この人物は、タクシーで2キロほど離れた別の場所に移動しました。
地元のメディアは、男が移動した先は自宅だと伝えていて、警察が自宅を割り出し警戒に当たったのは6時間余りあとのことでした。
2件目の事件は、15日の午前0時45分ごろに起きました。
男はユダヤ教の礼拝所で発砲し、警備に当たっていた人1人が死亡し、警察官2人がけがをしました。
現場から逃走した男が見つかったのはおよそ4時間後。
自宅周辺に戻ってきた男を警戒に当たっていた警察官が見つけ、男が発砲してきたため、応戦し射殺しました。
当時、男は拳銃2丁を所持していて、礼拝所を襲撃したときと同じ服装をしていたということです。
また、付近を捜索した結果、1件目の襲撃事件で使われたとみられる自動小銃と服が押収されたということです。

卑劣なテロ行為 断固非難

菅官房長官は、午前の記者会見で、「表現の自由や多元的な価値観を攻撃する卑劣なテロ行為に強い憤りを覚えると同時に、これを強く非難する。犠牲者のご家族とデンマーク国民に対して、心からお悔やみを申し上げるとともに、負傷者の一日も早い回復を願う。わが国は、引き続き国際社会と連携してテロとの闘いに取り組んでいきたい」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、「外務省は、この事案が発生して速やかに海外安全ホームページ上で渡航情報を出すとともに、デンマークの日本大使館から、在留邦人に対してメールを出して注意喚起に努めている」と述べました。

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