だが、メール便は大きな問題を抱えていた。手紙やはがきなどのいわゆる「信書」を同封すると郵便法違反となり、3年以下の懲役か300万円以下の罰金に問われる可能性があるのだ。ヤマトに限っても09年7月以降にメール便で信書を送り、郵便法違反の疑いで書類送検されたり、事情聴取されたりしたケースが8件に上っている。
「信書を同封しなければ問題にならない」とはいえ、山内氏も指摘するように信書の定義が曖昧なため、郵便法違反の懸念は解消できないのが現状だ。
信書は郵便法と信書便法で「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と定められているものの、これでは具体的ではない。このため総務省はガイドラインで、手紙や領収書、見積書、願書、結婚式の招待状、表彰状、戸籍謄本などの証明書類を「信書」として例示。「非信書」としては新聞や雑誌、カタログ、パンフレット、小切手類、クレジットカード類、航空券などを例示している。
さらに分かりにくいのが、荷物につける「添え状」。例えば、地方に住む母親が都会に住む子供にコメやミカンを送る場合、同封する文書は「元気にやっていますか。たまには帰っておいで」などのあいさつ程度なら信書に該当しない。しかし「近所のAさん方の息子さんが結婚する」などと荷物に関係のない文章が記されていると「手紙」とみなされ、信書の扱いになるという。
総務省は「信書か否か」に答える相談窓口を設けているが、ヤマトは「『相談窓口』を設置すること自体が、判断が困難なことを示している」と批判する。ヤマトの調査では、何が信書に当たるかを理解していた利用者は23.0%、メール便で信書を送ると罰則を受ける可能性があると知っていた顧客は3.8%にとどまったという。
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