鉄鋼各社が高機能な自動車用鋼板の海外生産体制を相次ぎ整えている。強度が高い一方で加工性にも優れた高張力鋼板(ハイテン)は日本の自動車大手が車体の軽量化につながるとして採用量を増やしているが、韓国や中国の鉄鋼大手も技術力が向上し追い上げを図る。日本の各社は最新鋭の「超ハイテン」技術を海外に移植してライバルを突き放す考えだ。
■新日鉄住金、インドネシアで最高級品
新日鉄住金がインドネシアの国営大手クラカタウと合弁でジャカルタ近郊に建設中の合弁工場には、量産品として同社最高級のハイテン製造設備が導入される。引っ張り強度が1180メガ(メガは100万)パスカル級で、現在新日鉄住金は日本でしか製造しておらず海外への技術移植は初めてとなる。工場は2017年半ばの稼働の見通しだ。
もっとも、現在インドネシアで生産される自動車は小型のミニバンなど中級車が大半で、現地工場で使用されるハイテンは590メガパスカル級が最高級。新日鉄住金によると鋼材需要は年間70万トン程度で、日本では主流のさび止めを施しためっき鋼板の使用比率は約3割にとどまる。それでも同社は「将来の有力な成長市場」(森高弘執行役員)と見込み最新設備の導入を決めた。
「GAPL」と呼ぶ製造設備は、圧延した薄板に熱処理を施して強度を作り込む設備と、亜鉛めっきの連続処理設備を一体化した。通常は個別にラインを設けるが、一体としたことで設置コストを低減した。インドネシア市場の成熟に合わせて冷延鋼板とめっき鋼板の生産を機動的に転換することができる。国内では八幡製鉄所(北九州市)で稼働するが海外で初めて導入する。
ハイテンの性能を左右するのは主に鉄に添加する合金の成分と熱処理の方法による。溶けた鋼にケイ素やマンガンなどの添加物を入れることで鉄の結晶が変形しにくくなり強度が高まる。また、加熱した鋼を急ぎ冷やせば硬い鉄組織、時間をかけて冷やせば軟らかい組織が形成される性質を利用して、圧延後の冷却時間や温度を制御することで複数の組織を共存させることもできる。
新日鉄住金、JFEスチール、神戸製鋼所、宝鋼集団
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