米 元ラップ歌手をテロリストに指定

2月10日 11時01分

アメリカ政府は、ラップの歌手として活動していたドイツ人で、イスラム過激派組織「イスラム国」のメンバーが、殺害に関与したり若者を勧誘したりしているとして、この男をテロリストに指定し、アメリカでの資産を凍結するなどの制裁措置を取ると発表しました。

アメリカ国務省は９日、「イスラム国」のメンバーでドイツ国籍のデニス・カスパート容疑者（３９）をテロリストに指定し、アメリカでの資産を凍結したうえで、アメリカ人との金銭のやり取りなどを禁止する制裁措置を取ることを発表しました。
国務省によりますと、カスパート容疑者は去年１１月、「イスラム国」に反抗したとする男性の遺体の映像をインターネット上に公開するなど、残虐な行為を繰り返しているということです。
カスパート容疑者は、ドイツ国内でもテロ行為に関わったとしてドイツ当局から指名手配されていますが、現在の所在は分かっていません。
カスパート容疑者はかつてドイツでラップの歌手として活動し、その知名度を利用して、インターネット上の映像などでドイツの若者たちを「イスラム国」に勧誘しているとされていて、アメリカ国務省は「『イスラム国』の残虐行為の広告塔だ」と非難しています。
アメリカ政府は、「イスラム国」をテロ組織に指定し、人物が特定できた幹部らを個別にテロリストに指定して圧力を強め、組織の壊滅を目指しています。