シリア難民、雪に苦労… / Radikal紙


シリアのイスラム国(İŞİD)によるテロから逃げ最初にイズミル、次にマニサに定住したアレッポとコバーニの難民らの生活は降雪で一層困難になっている。

シリア内戦から逃亡し辿り着いたマニサのスピル山山麓に築いたテント各8張で困難な状況下で暮らす、うち子供24名の難民43名の苦悩に寒波が追い打ちをかけた。日雇い労働と援助物資でその日暮らしをするシリア人らは、テントに設置したストーブで暖をとろうと努めている。

シリアのİŞİDによるテロから逃げ、最初にイズミル次にマニサへ定住したアレッポとコバーニの難民らの生活は降雪で一層困難になっている。シェフザーデレル郡トゥルグト・オザル街区の空地に約10日前にテントを立てたシリア人難民8家族は、スピル山山麓で生き抜くために奮闘している。空腹や病と闘う、うち子供24名のシリア人難民43名に寒波が追い打ちをかけた。この状況は子供達に最も大きな被害を与えた。一部靴さえ履いていない子もいる子供達が、経験している苦境にも関わらず微笑む様子が注目された。寒さに凍える、テントに設置したストーブとで周辺で見つけた板や小枝と慈善活動家らが提供した石炭を焚きながら暖をとろうと努める難民らの悲痛な状況には心が痛んだ。慈善活動家らから送られた衣服を子供達が奪い合った。

 

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「私達が唯一恐れているのは国外退去」


アレッポからの難民の一人であるファトマ・アイシェさんは、国外退去が唯一の恐怖であると伝えた。寒さと空腹にも関わらず幸せであると伝えるアイシェさん は、「私達をここから送還しないでほしいです。私は再度、戦火の中に戻りたくありません。私達が他に行く当てもありません。暖を取るための薪や石炭とグラ ニュー糖を始めとした食料が私達に必要です。これだけが難儀です」と述べた。

夫が日雇い労働に勤しんでいる事も伝えたアイシェさんは、「私達は借家しようと思いました。しかしお金がないためできませんでした。仕方なくここでテント暮らしをしています。子供達は凍えていますが仕方がありません。子供達はトルコ語が出来ないので学校にも行けません」と語った。

アレッポで農業を営んでいたと語る33歳の難民サトゥフ・アフメトさんもテント暮らしに関わらず現状に満足していると伝えた。テント一張りに約10名が暮 らしていると伝えるアフメトさんは、「私達はここで日雇い労働に行っています。こうやって空腹を満たすし事しか出来ません。ここで幸せです。今、寒さだけ が難儀です。寒いですが我慢します」と語った。

 

Radikal紙(2015年02月11日付)/ 翻訳:藤井庸平

 

■本記事は「日本語で読む世界のメディア」からの転載です。

 

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