以前以下の記事を投稿した。
魔法科高校の劣等生に関する批判コメントの異常性 - ぐ~たらオタクの似非考察日記
魔法科高校の劣等生に対する批判コメントが作者の人格批判にまで到達してしまい明らかに過剰になっているのではないか?
という趣旨の記事だった。
その後も劣等生関連の記事を確認したり、また最近話題になったライトノベル叩きの記事を見たりと幾つか見て回ったりもしていた。
その中で魔法科高校の劣等生がどのように批判されており、またなぜそうなるのかブコメ等でも指摘されていたため以前から情報を収集していた。
原因を知りたいという指摘もあったため、本記事ではテキストマイニング等の手法を使用しなぜ魔法科高校の劣等生が特殊な批判をされるのか分析した。
1.KHCorderを使用したアンチスレ分析
2chのアンチスレを170スレ*1まで取得し、KHCorder*2
レスタイトルや不要な部分を削除してmecabを使用し分析した結果である。
以下は頻出150単語(つまりアンチスレ内で使われている上位150単語である)を抽出した結果である。
いくつかごみ処理が甘い部分があり意味のない数字も混じっているがご容赦願いたい。この結果をみると解るのが、まず設定と作者に関する部分に関する言及が恐ろしく多いことが解る。
つまり設定面に関するツッコミと作者を批判することがアンチスレ内でのトレンドになっているということである。
他にも尊師やご都合主義等まとめサイトなどで見られる批判単語の多くがアンチスレ発祥であるということが解る。
本記事ではこの2点を中心にして見ていく。
尊師とは:主人公、司波達也のこと。第9話において飛行魔法をつかい浮いている姿が新興宗教オウム真理教の教祖が出演しているビデオに似ているため発生したあだ名である。またそこから転じて、ファンのことを信者ということと絡めて筆者である佐島勤を尊師と発言することもある
wwとは:wwというのは ww→芝→しば→司波 つまり主人公、司波達也のことである。芝のまま使うこともある。
2.設定
設定面に関するツッコミは最近艦これにおける弓道警察などでも話題になったが近年、設定量が多い作品が増えている。
特に電撃文庫に於けるバトル物である 禁書、SAO、劣等生はどれも設定量が膨大でそういった部分が人気を博している側面が存在する。
その結果として、設定面に関する批判が増大している傾向にある。
禁書で有名な「熱膨張って知ってるか?」やSAOに関してもナーブギアにおけるマイクローウェーブ関連の設定等は記憶に新しい。また、GGO編内の暴露療法に関するツッコミなどもあった。
さて、劣等生においても「設定」に関する批判は多い。そこで「設定」という単語に注目して共起ネットワーク*3を作成した。
よく批判されている内容としては、展開が都合が良いこと(と、感じている人がいること)また頭が悪いこと、作者の思想、緻密()な設定。他にも感情が薄いことや無駄が多いことが挙げられている。
また、特徴的なのが「設定」と「作者」が紐付いていることである。
つまり設定批判と作者批判は密接にリンクしており
設定が良くない→作者が酷い
という批判内容に持って行くことが頻繁にあるということである。
つまり設定批判が作者を批判するための一種の道具になっているということである。
3.作者批判
上記は「作者」という単語を使用して共起ネットワークを作成した図である。
ご都合主義に関する点や、思想(思う等)、気持ち悪いという単語が頻出しており、繋がりがあることが解る。
また自己投影という批判もある。
さて、ここで重要なのは「思想」や「気持ち悪い」、という部分である。
共起ネットワーク以外に文書検索で作者と紐付いているレス内容をいくつか調べたところ、2種類の傾向があった。
ひとつは俺TUEEEEEからの「自己投影」ではないか?という意味での生理的に気持ちわるいという内容である。こちらに関してはもう今さら語るのもどうかというような部分であるので割愛する。
しかしもうひとつの部分に今後、ライトノベル、Web系作品を語る上で重要な要素としてあるのが、「作者の政治的メッセージ」についてである。
4.政治的な話
実はこの話は以前から思っていたことであり、魔法科高校の劣等生に限らずSAOの時から感じていた。
「政治的」な内容を絡めた作品はほぼ確実に人格批判・誹謗中傷とセットになるということである。
ただ、誤解して欲しくないのは劣等生がウヨク*4的な作品なのでサヨク*5が著者の誹謗中傷をしているのだ!などというつもりはない。
つまり別にサヨクが悪いのだ!ということを言いたいわけではない。
なぜならこの事を思いついたのが実は田中芳樹御大の作品評価を読んでいて感じたことだから出会ある。
田中芳樹御大の作品はいわゆる思想的に偏っている作品が多く、創竜伝などでは非常に色濃く出ているし、銀英伝などでも国歌斉唱の場面で起立しないという描写があった。
つまりサヨク的な作品である。
以下の記事でそれらのに内容に触れている。
ここでも思想面から作者を「イタイ人」等と言っていることが解る。
何かにそっくりである。
・・・
そう、劣等生の批判にそっくりなのだ。
つまり政治的なメッセージが入っていた場合、作品ではなく主に作者に関しての議論が活発になる傾向があるのである。
実際劣等生のアンチスレのレス内容を調べると作者の批判内容が
「差別主義者」
「レイシスト」
「気持ち悪い」*6
等の批判が多い。
こういった政治的内容からの批判をする際にはある程度の傾向が見受けられ、一発で「ああ、ウヨク系の作品か」とわかる時すらある。
最初にも述べたが実はSAOもこの傾向がアニメ化当初にはあったのだ。
ところが今ではあまりその側面が見られない。ハーレム関連や俺TUEEEEからの自己投影批判は見られるが政治的側面からの人格批判がなかなか見られない。
この点をなぜだろうかということを調べた結果ある点がアニメで描写されていないからだとわかった。
つまりアリシゼーション編がアニメ化していないということである。
実はアリシゼーション編のあらすじは以下の様な内容である。
※ネタバレを含むのでSAOを読みたい方は注意してもらいたい。
殺人ギルドラフィンコフィンの残党にキリトがサクシルニコリン(毒薬)を注入される
↓
救急車で搬送されるが事態を重く見た菊岡*7が独自にキリトをある施設へ運ぶ
↓
その施設とは自衛隊の海上基地であった。
↓
実は菊岡誠二郎は自衛官であり、アメリカの庇護下にある日本の防衛力を憂慮しており、国内で独自に軍事兵器を作成出来ないか考えていた
↓
そこに茅場晶彦の考えたフルダイブシステム等を流用し兵器用人口AIを開発することを思いつく
↓
実験としてキリトにダイブしてもらうなどテスターをしてもらっていた。
↓
紆余曲折ありゲーム内の世界にラフィンコフィンのギルドメンバーなども集結する。
↓
その際に、ラフィンコフィンの隊長、Pohが「中国人」と「韓国人」を呼び寄せてキリト達日本人プレイヤーと争わせる。
しかも実はPohは日本人、韓国人、アメリカ人等のハーフであった。
という内容が展開される。
政治的な内容満載である(爆)
実はSAOも当初これらの関係から批判されることが多かった。
しかし、アリシゼーション編はまだ完全には文庫化されきっておらず、またアニメに至ってはマザーズ・ロザリオ編までしかアニメ化されていない。
そのせいかすっかりその辺の話はすっ飛んでしまった。*8
しかし、この先にアリシゼーション編を文庫化する際にその部分はまず間違いなく出てくるはずである。
SAOの作者川原礫氏は文庫化の際に加筆修正を加えることも多く、今後その辺の内容がどうなるかは注目したいところではある。
まぁ、MMOをやっていれば、アメリカ、中国、韓国は外せない国ではあるので題材的には合っているのかもしれないが。
特にROをやっていたのであれば韓国人の話はチョクチョク出ていた。
キムチパーティーとか・・・
5.今後のお話
さて、劣等生がなぜ人格批判などが多いのかということについては一応の結論がついた。
ただ、この政治的内容については今後更に増えることが予想される。
なぜかというとWeb小説が増え始めている傾向にあるからである。
つい最近ゲートというなろう発のノベルがアニメ化することが決定した。
この作品もウヨク的な内容が盛り沢山である。今から批判が行われるであろうことが目に浮かぶようである。まぁ、されない可能性もあるが。
Web小説はライトノベルに比べると若干だが年齢層が高い+ネット層との親和性を考慮してか政治的な話が盛り込まれることが既存ライトノベルに比べると多い。
既存のメジャーなライトノベル作品で韓国人などが出てきたといえばフルメタル・パニック!など位しか思いつかない。それも別に普通のSRT隊員としててあり特にそこに意味はなかった。
今後ますますこういった度を超えた批判が増えることを考えると若干憂鬱である。