「タダだから」韓国イケアで売場用鉛筆を持ち帰る客が続出

度を越した「無料品持ち帰り」、ネットで批判
「3万ドル時代、成熟した市民意識はどこに」

「タダだから」韓国イケアで売場用鉛筆を持ち帰る客が続出

 「5回も使っていません。状態は良好。北欧の感性が感じられる鉛筆、売ります」

 10日午前、インターネット上の中古品売買サイトに「京畿道光明市のイケア・コリアから持ち帰ってきた」鉛筆を3000ウォン(約325円)で売るという書き込みが掲載された。スウェーデン発の大手家具販売店「イケア」は世界各国の店舗に長さ8.5センチの鉛筆と巻き尺を用意している。客が家具の寸法を計ったり、買い物リストをメモしたりするときに自由に使えるよう備え付けてあるものだ。その鉛筆を持ち帰り、売って金をもうけようというのである。書き込みには「全世界のイケア店舗で鉛筆がなくなってしまうのは韓国だけ。国の恥さらしだ」というコメントが多数付いていた。

 売り主はこうした批判を受けて「韓国の消費者の行動をこっけいに表現し、『市民意識』について公の場で議論化しようと意図的に掲載した」と書き込んだ。

 イケア・コリアではスウェーデン本社に鉛筆を緊急発注し、10日午後に補充していたことも分かり、各ポータルでは「イケア鉛筆こじき」という言葉が検索ワード上位に登場した。

 だが、「イケア鉛筆こじき」騒動を知った流通業者や宿泊施設関係者は「今さら驚くようなことでもない」と話す。これら関係者は「無料なら洗剤でも飲む恥知らずな一部の客の行動は赤面ものだ」と話した。

 倉庫型ディスカウントストア「コストコ」の店舗には「タマネギこじき」という言葉がある。売場の軽食コーナーではホットドッグ用タマネギを好きなだけ詰められようになっているが、ビニールパックや密閉容器を持ってきてタマネギを詰められるだけ詰め込み、持ち帰る「ちゃっかり客」がいるのだ。

 コストコで10年以上買い物をしているチャンさん(60)=自営業=は「酒を飲みながら試食品を食べる人や、陳列された果物をやたらに味見する客がいるので、眉をひそめることも多い。韓国では1人当たりの国内総生産(GDP)が数年以内に3万ドルを突破するとの見通しもあるのに、市民意識はこれについていっていないようだ」と話した。

 ある大型スーパーでは、無料サービス品(おまけ)が付いている商品の会計を済ませた後、無料サービス品だけを持ち帰り、商品を返品する客に頭を痛めている。特に、コーヒーミックスを返品する人が多いという。

イ・ギムン記者
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