経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *基本内容の「ニッポンの理想・2兆円でできる社会」もご覧ください

2/15の日経

2015年02月15日 | 今日の日経
 予算編成時の経済見通しと、国会提出時の経済見通しは、ほとんど同じでも、一つ異なる点がある。それは、公的固定資本形成が明示されることだ。出し惜しみをせずともと思うのだが、公共事業費が確定するまでは伏せるという、お役所の形式主義である。これで改めて分かるのは、その減が-0.7も成長の足を引っ張ることである。

 成長率は1.5%だから、公的資本が前年度並みなら、単純な加算では2.2%になっていたことになる。同じく名目成長率なら3.4%だ。こうして見ると、潜在成長率が低いと言って悲観するまでもないように思える。どのくらい成長できるかは、その時にならないと分からないところがある。目の前の成長に全力を尽くし、これに見合う財政再建をすることが大事だ。

 経済財政諮問会議は、年間でGDP比0.5%の緊縮を加重することを画策しているが、2015年度は、公的寄与度が-0.6だから、既に実現しているとも言える。「景気回復これしかない」を掲げつつ、こんなことをしても平気なのは、原油安に恵まれたからである。もっとも、そこまで考えずに、結果として、こうなっただけの気もするが。

 過去の実績の延長である低い潜在成長率を基に、何が何でも財政再建目標を達成しようとして、過度な緊縮の計画をはめてしまうと、低成長を自己実現することになる。緊縮財政で経済を縮小均衡させるのは、意図的に経済破綻を実現するのと変わらない。緊縮頼みも、財政再建にとって、危うい賭けなのである。

 経済が悲惨になっても仕方がないと諦め、ひたすら緊縮すれば、財政均衡は確実に達成できる。これに対して、成長を通じての財政再建は不確かなものだ。人間の心理として、確実な計画に寄りかかりたくなるが、そこを強い気持ちで耐え、あくまで合理的な裁量性を貫けるかが成功の分かれ目である。

(今日の日経)
 上場企業の3割が増配で過去最高7.4兆円5280億円増。上げ潮頼みは危うい賭け・高橋哲史。食品スーパーなぜ好調。貧しい子は勉強しても追いつけない・大島美緒。読書・昭和の迷走、人の心は読めるのか。
ジャンル:
経済
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック
« 中長期の経済財政試算の正しい読... | トップ
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

この記事を見た人はこんな記事も見ています

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。