今回のブログはおっかなびっくり書いています。テーマは「わたくし加藤は農協に嫌われているのか」。当社の中核業務は農作物の生産者と購入者をつなぐことですが、この「つなぐ」という機能は農協の大きな役目の一つでもありますので、外形上は競合関係に見えなくもありません。
加藤百合子(かとう・ゆりこ)1974年千葉県生まれ。東大農学部で農業システムの研究に携わり、英国クランフィールド大学で修士号取得。その後、米航空宇宙局(NASA)のプロジェクトに参画。2000年に帰国しキヤノン入社。2001年、結婚を機に退社し静岡に移住。産業用機械の研究開発に7年ほど従事したものの農業の社会性の高さに気付き、2009年エムスクエア・ラボを設立。2012年青果流通を変える「ベジプロバイダー事業」で日本政策投資銀行第1回女性新ビジネスプランコンペティション大賞受賞。
ただ、私は競合しているとは全く考えていません。まず、規模が違います。大きな流れで動く農協と小回りの利く当社。組めば補完関係を築けると考えているからです。
立ち位置も違います。農協は基本的には農家さんのための組織で、当社は購入者と農家の真ん中に立っています。お見合いに例えるなら、農協は「親御さん」であり、当社は「仲人さん」。期待される役割は異なっており、競合関係にはなく、農業を盛り上げよう点で協力し合える間柄です。
実際、静岡県内の七つの地域農協(単位農協)とお付き合いできるようになっているのですが、「もっと理解してもらう努力をしなくては」と思わされることもしばしばです。
この間も、こんなことがありました。ある地域の商工会議所に呼ばれて講演をしたのですが、その会場には地元農協の組合長さんもいらっしゃいました。ぜひとも名刺交換したいと思い、講演が終わってから駆け寄ったところ、「名刺を切らしておりまして」との返答。うーん、残念。
そうしたら同席の知り合いの農家さんがこう言います。「変だなあ。あの組合長が名刺を切らしているなんてあり得ない。待っててよ」
この農家さんの仲介でようやく名刺交換ができまして、よくよく話を聞いてみますと、衝撃の事実が判明しました。組合長さんいわく、「加藤さんの会社は農協を批判していると若手職員から報告があった。だからこちらとしては加藤さんと話すのはNGということになっている」
「あちらの農協さんとも、こちらの農協さんとも仲良くさせていただいていますよ」と必死に説明して、さらに知り合いの農家さんが応援してくれて、ようやく誤解を解くことができたようです。先日、「また会いましょう」との伝言を頂きました。
「農業人口がどんどん減っており、従来の関係者だけで構成する組織では立ちゆかなくなる」「海外などとの競争に負けないために新しい取り組みが求められている」。やる気のある農家さんほど、こうした話をされます。外部との連携や組織改革の必要性を痛切に感じており、こうした農家さんを起点に地域の農協が変わり始めています。まだまだ道半ばかもしれませんが、当社と地域農協の連携が徐々に広がっているという事実が、変化を証明しているのではないでしょうか。
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