イタリア:対ISの対テロ国際部隊で「参戦」用意を表明
毎日新聞 2015年02月14日 11時06分(最終更新 02月14日 16時49分)
【ローマ福島良典】イタリアのジェンティローニ外相は13日、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う武装集団が北アフリカのリビアで勢力を拡大している事態を受け、対テロ国際部隊の一員として「参戦」する用意があると表明した。イタリアにはリビア沖などから難民船が漂着しており、当局は武装集団メンバーの流入を警戒している。
ジェンティローニ外相はイタリア衛星テレビ・スカイのインタビューで「リビア情勢は悪化している」「イタリアまで船で数時間の地点にテロの脅威があるのは受け入れられない」と指摘。国連のリビア和平仲介が失敗した場合「イタリアは国際的に合法な枠組みの中で戦う用意がある」と述べた。イタリア外務省はリビアについて渡航自粛・一時避難勧告を出している。
地中海をはさんで北アフリカの対岸にあるイタリアは、リビアの旧宗主国でもあり、欧州を目指す難民・移民にとっての「玄関口」。今週初めにも、リビアからイタリアに向かう難民船が遭難し、推定300人以上が死亡した。また、キリスト教カトリックの総本山・バチカンやローマ法王に対する過激派の攻撃を警戒し、イタリア当局は警備を強化している。
リビアでは現在、武装勢力が割拠。戦闘を終結させるため、国連の仲介で和平交渉が始まったが、目立った成果は出ていない。一方、ISに忠誠を誓う武装集団による油田やホテルなどを狙ったテロが相次ぎ、中部の拠点都市シルトで今月12日に放送局を占拠した。