編集委員・忠鉢信一
2015年2月16日10時04分
自然の山道を駆けるトレイルランニングの大会が、混雑する人気の登山道では事実上できなくなる。登山者との摩擦が問題になっていることについて環境省は15日、来年度から導入する国立公園内のガイドラインを発表。「大会参加者は歩行者を優先すること」と明記し、国定公園や自然公園を管理する自治体にも対応を求めていくことになった。
トレイルランニングは山や丘陵地の未舗装路を走るスポーツで、日本能率協会総合研究所によると愛好者は20万人。環境省によると国立公園内の大会だけで年間50を超える。自治体が地域おこしのために大会を開く例も少なくないが、すれ違いや追い越しが危険だと主張する登山者からの反発も強い。神奈川県鎌倉市では昨年、トレイルランニング全面禁止を求める陳情が採択され、同市内での大会開催が自粛されている。
ガイドラインは、周辺の動植物や歩道への影響調査や原状回復、自然条件にあった参加人数の制限なども求める。環境省側は「今まで国立公園の登山道はランナーを想定していなかった。関係者の合意形成が大切。今後はランニングコースも整備したい」と説明している。(編集委員・忠鉢信一)
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