sudoken Blog

Kaizen PlatformのCEOのブログです

スタートアップの経営で学んだ5つのこと

Kaizenの経営をはじめて、20ヶ月が経ちました。
正直、笑っちゃうくらい大変なことだらけ。
ただ、多くの事を学んだのでサンフランシスコに向かう機上で少しまとめてみました。
何かの参考になれば幸いです。



1:スタートアップの経営者は、想像以上に会社をコントロールできない

経営者は会社をコントロール出来ると一般的には思ってる人が多いと思います。

人数小さいチームであれば、尚更コントロール出来ると思いますよね?
僕もそう思ってました。

スタートアップの現実は、そんな事全くない。
全くです。
小さな船が荒波に揉まれながら、予想外の事が毎日、なんなら1日数回にわたり起きるんです。

常に問題と格闘してます。
なので、その船に一緒に乗ってる仲間も、自ずと問題と格闘してくことになります。

多分、どうしてこんなに問題が起きるんだ!
経営者は何やってるんだ!
バカヤロー!!
って従業員は毎日思ってると思うんですけど、サボってなければ大抵別の問題に必死になってるんですw

なので、スタートアップのメンバーは全員が経営といっても過言ではないです。
ほとんど皆ほっておかれてるはずです。
自分で判断しないと船沈みますからねw
経営者は見当たらないので、自分で船が沈まないように判断していくという過酷な環境を強いられます。

そういう環境ですから、実は経営者もコントロール出来ていないというか出来ないんです。
ちなみに僕が会社をコントロール出来る範囲って15%くらいなもんです。
自重でもなんでもなく、85%は仲間の手に委ねられてます。

だからこそ、思うのがスタートアップのーこそ従業員皆経営者主義じゃないとヤバイと痛烈に感じてます。
ビジネスモデルにもよるんだろうけど、グローバルで戦う会社にするのは、本当に全員のパーセプションが高いレベルで必要だなと痛感してます。

2:意思決定よりも、曖昧さに耐える時間の方が遥かに長い

良く経営の仕事は、意思決定をすることだと言います。
僕も会社員として、そういう仕事してきたはずなんだけど、なんていうか実感値は違う。

曖昧さに耐える時間が大半でした。
スタートアップの規模で、少ない情報から意思決定することの方がよっぽどリスクが高いです。

それよりも、ずっとわからない事に対して曖昧にしながら情報を集めていかないとマーケットの芯を食った判断なんて出来ません。

Kaizenでも今でこそ日本で毎月50〜80社と商談しながら、100社以上のお客さまと直接お取り引きさせて頂くようになって、はじめて定量的に情報を集めることが出来るようになりました。

それくらいの規模にならないと、個別事象なのか傾向なのか全くわかりません。
自分がある程度良く知ってるマーケットですら、こんな感じでした。

だから一緒に働いてるメンバーからすると堪ったもんじゃないですよね。
お前意思決定バシバシしろよと。
僕がメンバーだったらめっちゃ突き上げてると思うけどw、現実の僕は経営者として1年半で数えるくらいしか意思決定しなかった。
というか出来なかった。

ちょうど1年半経った去年の年末くらいからです。
自信を持って意思決定出来るという手応えを掴めたのは。
その期間を一緒に耐え切ってくれたKaizenのメンバーは本当に凄いです。

僕は、なんだか外で話す機会もあって経営の話もたまにさせて頂いて偉そうに話してますが、正直言えばKaizenが強いのは一緒に働いてる仲間が凄いからの一言です。

もうちょい僕頑張らないとと最近思ってるくらい。
Kaizenって、タレント揃ってるからプレッシャー半端ないんですよ。本当。
1プレイヤーとしても負けたくないと良い刺激もらっています。


3:現実を観ながら、理想を追求し続ける事の難しさ

上記のような、中で重要な事が現実を直視することです。
そもそも売れないとか
お客さんが使ってくれないとか
喜んでいないとか
それはそれは、現実は思った通りにいきません。

でも、自分や自分達が掲げている理想を追求しないとやってる意味がありません。
なので、現実と向き合いながら迎合したり妥協しないでいることのバランスは極めて難しいです。

会社の中に入ってくるありったけの情報を一つ一つ解釈しながら、仮説を立てて自分でお客さんや仲間にぶつけてみるというような事を繰り返してます。

結局、入ってくる情報の解釈の精度は勘というか自分の中にあるリアリティーを構築する以外に上がりません。

こればっかりは、嫌な顔されても現場に首突っ込まないとわかんないので、継続的にアップデートしていく必要があるなと感じています。


4:経営者が1人でどれだけ必死に考えるよりも、メンバー全員が10%ずつでも会社の事考える組織の方が遥かに強い

これは、日米でちょうど70人を超えようとする規模になってきたからより一層感じてること。
僕が必死なのは当たり前なんだけど、それでも出来る事はやっぱり大きくないんです。

ケネディの名演説は、国家だけじゃなくてスタートアップにだって当てはまると思うんです。


国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えようではありませんか。


良いチームをつくれと良く言われますが、良いチームの定義を最近になって漸く自分の中で出来ました。

・自分達が尊敬できる一緒に働きたいメンバーを集め、
・個人が心から面白いと思えるビジョンを掲げて、
・1人1人が、必ず少しずつ会社の事を考えているチーム

そして、この3つの条件が揃ってる良いチームには常に危機意識や怒りが有るはずです。
このままじゃいけないとか
こうした方が絶対良いはずだとか
そういうやつです。

これが気流や気圧を生み出し、組織がチームが自らの意識を持って動き出します。
健全な偏りと僕は呼んでるんですけど、そういうヘルシーなチームであり続けたいと強く思います。



5:それでも、経営者は顧客やメンバーやもちろん投資家など事業に関わってくれる全員と対峙出来るだけの努力と思考が必要

色んな学びがあるんだけど、でもやっぱり経営者がどれだけ深く突き詰めて考えているかは、色んな人が見ています。
従業員や投資家はもちろん
顧客だってよ〜く見ています。
僕も見られてるなーと思います。
言い方を変えれば、皆見てくれているんですよね。

良くお天道様が見てると言いますけど、これは本当だと思います。
だからこそ、安心して悩み苦しみ抜くことが出来ます。

僕は、スタートアップを経営してみて、このことに気づけたことは本当大きいです。
よく色んな人は経営者は、孤独だというけど僕は違うと思う。孤独じゃない。
絶対に見てくれている人がいるから、安心して悶絶していいんです。

もちろん、相談出来ない悩みだって沢山あるけど、それも含めて必ず誰かが見てくれてるからいくらでも頑張れる。

とてつもなく大変だし、地味な事ばっかりで格好良い仕事ではないんだけど、誇りに思ってる。
正確に言えば、20ヶ月経って溺れながらも色んな人に助けられて今ようやく誇りに思える仕事になってきた。

思い返してみると感謝しかない。
この感謝は成功してお返ししないとね。

さ、そろそろサンフランシスコです。
今週も頑張るよ。

広告を非表示にする