大田、1発解答125メートル弾!原監督の主力組4番抜てき応えた
◆巨人1軍紅白戦 白組8―3紅組=特別ルール=(15日・サンマリン宮崎)
巨人・大田泰示外野手(24)が15日、特大アーチで原監督の期待に“一発回答”だ。宮崎キャンプ最終日の紅白戦に主力組・白組の「4番・中堅」で先発。3回に新外国人・マイコラス=レンジャーズ=からバックスクリーン右に放り込むと、5回には右越え二塁打だ。これで紅白戦3試合で12打数6安打4打点。主力組の4番に抜てきした指揮官と、前日(14日)に続いて視察した巨人軍・長嶋茂雄終身名誉監督(78)=報知新聞社客員=に存在感をアピールした。
快音が響き渡った。振り切ったバットを豪快に放り投げた大田は、この時点で本塁打を確信した。打球はグングンと伸びて、バックスクリーンの右に飛び込んだ。
「(打った瞬間)行った、と思いました。いつもやっていることができたので良かったです」
観衆がどよめく中、軽快にダイヤモンドを一周した。
チームの“今季1号”が飛び出したのは、3回1死一塁。新外国人・マイコラスの初球、外角寄りのスライダーを真芯で捉えた。理想とする中堅右への、推定125メートル弾。日本人離れしたパワーに昨季、レンジャーズで10登板の右腕は首を横に振り、「いい球を投げたけど、いいスイングをされた」と脱帽した。
5回1死。今度は追い込まれてから久保の外角直球を強振、打球はあっという間に右翼手の頭上を越える二塁打だ。「結果としては良かったです」と成長をアピールした。
紅白戦3試合目で初めて主力組の4番に座った。3番・亀井、5番・阿部との“新成クリーンアップ”。「見た時はびっくりしました」と振り返るが、動じなかった。結果によってはオープン戦開幕戦(21日・対広島戦=那覇)での4番起用も想定する原監督の期待に、見事に応えた。
飛躍のきっかけとなったのが、昨年11月のMLB選抜との親善試合。チーム屈指のメジャー通で、普段から動画で豪快な打撃を研究する。相手のフリー打撃を生で見て「あれだけ振っても頭が全く動かない」と言い、逆方向に軽々と本塁打する姿に感激。「格好良すぎる。自分もあんな打撃ができたら」と憧れが増した。
大リーガーから学んだことを、自主トレから実践した。「練習で引っ張るのは簡単ですから」とセンター返しを徹底。軸のぶれない打撃フォームを築いた。紅白戦すべてで紅、白組の4番に座り、12打数6安打4打点。パワーに確実性も備わりつつある。原監督は「必要以上に褒めることはないが(この本塁打が)少しでも彼のプラスになればいい」とうなった。
群雄割拠の外野の定位置争い、そして4番争いという、大きな試練に挑んでいる。「4番、4番と考えるとプレッシャーがかかってしまうので意識しない。もっと正確性を高めないと…スタメンを任されるにはまだまだ足りないので」。真価が問われるのは、実戦が増える16日からの沖縄キャンプ。そこでも結果を出せば、初の開幕スタメンが見えてくる。(片岡 優帆)