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【東京】

発達障害の子らの学習塾 子育ての環境や支援学ぶ

子どもの遊具を見て話をする東京未来大の学生と藤後准教授(右端)=足立区のこどもみらい園で

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 東京未来大(足立区)が昨夏に区内のJR綾瀬駅近くに開いた「こどもみらい園」は、発達障害や不登校、ひきこもりの子らを対象とした個別学習塾だ。子どもが能力を最大限発揮できるように後押しする現場は、大学で子育て支援を学ぶ学生にとっても、貴重な体験の場となっている。

 先月下旬、こども心理学部の三、四年生ら約三十人が「みらい園」を見学に訪れた。子どもが体操やダンスで使うホールでは、フラフープやボールなどの遊具を手に取り、道具の工夫や子どもへの声掛けの仕方について考えた。個室では、子どもが講師と一対一で学ぶ様子も見て回った。

 発達障害の息子を持つ男性副園長からは、親の心境や求める支援などについて話を聞いた。

 副園長は、息子が幼いころ、同じ場所で回り続けたり、十秒ごとに「今、何時何分?」と聞いたりしたことなどから、障害があることに気付いた体験を語った。

 その上で「障害を受け入れるのと、理解するのは別」と言う。「どうしてこんなことができないのか」と悩む親は多いが、「子どもたちの特性を知り、抜群によい記憶力など彼らの強みを伸ばしてあげたい」と説明した。

 こども心理学部三年の森田仁美さん(22)は「子どもは親だけでなく、地域で育てるのが大事。発達に悩みを抱える子が通えて、親も支援を受けられる施設が地域に必要だと思った」と話していた。

 学生を引率した藤後(とうご)悦子准教授(41)は「よりよい支援を考える上で、現場で子どもたちがどのように学び、遊んでいるかを確かめたり、親の心境やスタッフの生の声を聞いたりする意味は大きい」と話す。

 「みらい園」は大学が運営し、心理や教育の教授らも保護者支援などに携わる。遠くは愛知県や栃木県から、四歳〜小学六年生の約七十人が週一、二回、放課後や週末に通う。対人関係が苦手だったり、落ち着きがなかったりする子も多いが、それぞれの特性に応じて英語やIT、アート、体操などを学んでいる。 (奥野斐)

 

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