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【プロ野球】

長嶋さんが来た 阿部に「オッケー、サイコー」

2015年2月15日 紙面から

阿部(右)のスイングを見つめる長嶋茂雄終身名誉監督=サンマリンスタジアム宮崎で(戸田泰雅撮影)

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 巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(78)が14日、宮崎キャンプを訪れ「ここからが勝負だ」とナインを激励した。1軍の打撃練習では阿部慎之助内野手(35)を、身ぶり手ぶりを交えて熱血指導。捕手から一塁に転向し、復活を期す主砲の背中を押した。

 「オッケー! サイコー!」。独特の甲高い声が、快音にまじって何度も球場に響き渡った。ミスターが悩める主砲に施した突然の青空教室。ティー打撃、フリー打撃、それからもう一度ティー打撃と、熱のこもった指導は約30分にも及んだ。

 まず阿部のスイングをいろんな角度から観察。次に左手で自らの両足を触りながら「下半身を重点にして、上半身、腕を使うように」と声をかけた。打撃ケージでは打席のすぐ前に立ち、手でコースを示して正面からスイングをチェック。かつて松井秀喜を、球界を代表する4番打者に育て上げた伝説の素振りと同じ光景だった。

 指導を終えたミスターは上気した顔で「中盤から後半にかけて良い打球が出てきていた」と評価。阿部は「とにかく下半身主導で打て、と。自分が取り組んでいることと同じだったので良かったし、気にかけてもらえてありがたい」と感謝した。

 昨季の阿部は打率2割4分8厘と不振で、4番を務めたのは57試合にとどまった。2割台前半の打率は新人だった2001年以来。その年にルーキー捕手を127試合で起用し、プロで大成する道筋をつけたのが、その年限りで監督を退いたミスターだった。

 今季から守備の負担を軽減するために一塁に転向した阿部のことが、気にならないはずがない。「阿部君が常に安定した4番として良いバッティングをすることによって、チームに良い影響をもたらす」。再び輝きを取り戻し、チームをバットで引っ張ってほしい−。そんな願いを込め、最後の教え子とも言うべき背番号10の復活に力を貸した。  

  (小林孝一郎)

 

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