スタンドに誰もいない球場を、凱旋した黒田が“独占”した【拡大】
期待の大きさに、じっとしていられなかった。空路広島入りした黒田が、マツダスタジアムで即再始動。こんがりと焼けた額に汗を浮かべながら、入念に腕を振った。
「時差ボケはまだあると言っていたが、時間があれば体を動かしたいと言っていた」
広島空港から付き添った鈴木球団本部長が説明した。昼前に広島に到着し、その3時間後、胸に「Carp」と書かれた赤いパーカーに黒のハーフパンツ姿でグラウンドに登場。一塁ファウルゾーンで球団職員とキャッチボールを行った。これには一般開放されていたコンコースに偶然居合わせたファン50人も驚いた様子。「黒田さん!」との声も飛んだ。
最大70メートルの距離まで伸ばし約20分間、120球を投げ込んだ。指先を何度も温めながら、最後にはカーブ、シュート、カットボール、フォークと変化球の状態も確認。黒田がマツダスタジアムを訪れるのはドジャース時代の2011年以来。赤ヘルの一員としては初めてだったが、自らの調整に余念がなかった。