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イエメン政権崩壊 南北間の対立激化も2月16日 5時09分
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中東のイエメンでは、北部を拠点にするイスラム教シーア派の武装勢力が首都を掌握して政権を崩壊させたのに対し、対立するスンニ派の勢力は南部を拠点に対抗していく姿勢を鮮明にしていて、国の南北で対立が激化し混迷がさらに深まることが懸念されています。
イエメンでは、今月6日に北部を拠点にする反体制派のイスラム教シーア派の武装勢力が首都サヌアを掌握して政権を崩壊させたことから各地で戦闘が起きて死傷者が出るなど混乱が広がっています。こうしたなか、崩壊した政権とつながりがあり、武装勢力と対立関係にあるスンニ派勢力の政治家らは15日、南部の主要都市アデンに集まり、対応を協議しました。中東カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによりますと、スンニ派の勢力は、「武装勢力はサヌアを違法に占領している」と非難したうえで、南部を拠点に対抗していく姿勢を鮮明にしました。
こうしたなか、サウジアラビアなどペルシャ湾岸のスンニ派の国々などで作るGCC=湾岸協力会議も14日、緊急の外相会議を開き、国際社会に軍事介入を求める立場で一致しました。
これに対してシーア派の武装勢力は15日、声明を発表し、「いかなる脅しにも屈しない」として徹底抗戦する構えを示していて、イエメンは北部のシーア派と南部のスンニ派の対立が激化し、混迷がさらに深まることが懸念されています。