和歌山県紀の川市で市立名手小5年の森田都史君(11)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された中村桜洲容疑者(22)が事件当日、自宅の庭にいたところ森田君にからかわれたため犯行を決意し、部屋から刃物を持ち出して追いかけたとする趣旨の供述をしていることが2月15日、接見した弁護士への取材で分かった。

 弁護士によると、中村容疑者は自宅から押収された殺傷能力の高い「ククリナイフ」状の刃物について「警備員のアルバイトをしていた平成26年春ごろ、護身用としてインターネットで購入した」と供述しているという。和歌山県警岩出署捜査本部は、慎重に供述の裏付けを進めている。

 事件は、5日午後4時15分ごろ発生した。弁護士によると、中村容疑者は捜査本部の取り調べに対し、自宅の庭で運動していたところ、森田君がからかうような奇声を上げたことから犯行を決意したという趣旨の供述をしているという。

 中村容疑者の自宅から森田君の自宅までは約80mの距離で、以前からからかわれていたとも話しているという。

 中村容疑者は逮捕当初「(森田君を)見たこともないし、知りません」と容疑を否認していた。しかし最近になって「えらいことやってもうた」などと殺害への関与も認める供述を始めている。