H2Aロケット:打ち上げ成功 予定軌道に投入
毎日新聞 2015年02月01日 10時29分(最終更新 02月01日 19時32分)
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日午前10時21分、政府の情報収集衛星を搭載した国産ロケット「H2A」27号機を鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げた。衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。
今年度のロケット打ち上げは過去最多となる4回目で、すべて成功。H2Aと、同じエンジンを使ったより大型のH2Bを合わせた成功は計30回に達し、成功率は96.8%に上がった。
情報収集衛星は、北朝鮮の軍事関連施設の監視などが目的。現在、カメラで地上をとらえる光学衛星2基、夜間や悪天候でも観測できるレーダー衛星2基の計4基が稼働している。今回はレーダー衛星の故障に備えた予備機で、内閣情報調査室によると、衛星の開発費は約228億円で、打ち上げ費用は約105億円。
情報収集衛星に関する情報の多くは、昨年施行の特定秘密保護法で秘密指定され、今回の打ち上げでも衛星の軌道や性能などは公表されていない。所管する内閣衛星情報センターの下平幸二所長は記者会見で「安全保障や危機管理の上で、衛星が取得した情報は最も合理的な方法で政府内外に提供したい」と語った。政府は3月末にも、性能を高めた新たな光学衛星を打ち上げる予定。【清水健二、津島史人】