日韓通貨スワップ、最後の融資枠延長せず
──日韓関係悪化で段階的に縮小していた通貨スワップ協定。最後の融資枠が23日期限を迎えるが、韓国側の要望がない限り延長しない方向という。
[東京 14日 ロイター]- 日韓両政府が、国際金融市場の有事にドルを融通しあう「通貨スワップ(交換)協定」の期限を延長しない方向であることが関係者の話で明らかになった。
日韓通貨スワップの融資枠は一時700億ドルまで拡大していたが、日韓関係の悪化を背景に2012年末以降は段階的に縮小。現在残っている100億ドルの融資枠が今月23日に期限を迎えるが、関係者によると韓国側の要望がない限り延長しない方向という。
日韓通貨スワップは、2001年以降、東アジアの通貨スワップ協定「チェンマイイニシアティブ」と、両国中銀によるスワップ協定との2つの枠組みで締結されてきた。1997年のアジア通貨危機を踏まえた域内流動性の確保が狙い。現日銀総裁の黒田東彦氏ら財務省高官が中心となり米国の強い反対を押し切って作り上げた枠組み。
しかし2012年の韓国李明博大統領による竹島上陸などで日韓関係が悪化するなかで政治的意味合いを帯び、12年末以降、融資枠は段階的に縮小している。現時点で国際金融市場は安定しているのも背景だが、日本としては韓国側が必要とすれば応じる構えだ。
(竹本能文)
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