救命士・牧田さおり 2015.02.10


いってらっしゃいませ。
(内藤伸介)いってきます。
(一同)うわ〜!
(牧田さおり)
今年度の救急救命シンポジウムは徳島県鳴門市において3日間にわたり開催されることになった

横浜みなと消防署からは我々のチームが代表として参加
何やってんのよ〜!何やって…!
(長谷川洋司)渦で目が回って気持ち悪い…。
ああっあっちあっち!ほらほら…!あっ渦っ!ほらっ行け行け!
その日は研修会を翌日に控え単なる地元散策のつもりであった
ねえ〜まだ〜?もういい…ホテル帰ろう。
何言ってるんですか!長谷川さんがもう船は嫌だって言うから…。
わかったよ!おりゃ!てめえ…!こりゃ!うりゃ〜!ハハッ!うわ〜!待てっ!はっ!ハハッおい!こっちに来るなー!!
(鉄柱が倒れてくる音)・
(池田英里子)うるさいわね!
(結城和江)ちょっと!待ってよ!ほっといてよ!待ちなさいよ!ちょっとどうして!?ねっどうしてなの!?
(英里子)もうほっといて!離してよ!
(和江)ねえどうしてよ!?もういい加減にしてよ!!ほっといて!おお〜!かっこいい〜!うわ〜!すごいすごい…!おお〜!あんな上ってんだよ!へえ〜!ほらほらあの青白の内藤だよ。
ああっ!?あれ内藤ですか!?イエーイ!うまいもんだな…ハハッ!へえ〜!気持ちいいんでしょうね〜。
やってみる?隊長どうぞフフフッ。
俺怖い怖い…やだよ。
おお〜!おっおっ…わあ〜!イエイ!わあ〜見直した!すごいなぁ!アハハハッ!ハハハッ!やるもんだな!マジホント最高ですよ!ちょっとこれ何だ?おお〜!ハハハッ!ほっといて!
(英里子)行きまーす!うまいなぁあの娘!かなり慣れてるな…。
はあ〜…。
(長谷川)おおお…。
(内藤)うわっすごい!うわあ…。
ねえ…あれいいの?わざと?おい…。
落ちる!内藤!はい!119番通報お願いします!あっああ…。
もしもし!パラグライダーの墜落事故です!救急隊の要請をお願いします。
ここは鳴門市三頭山!内藤わかる?こっちです!
(救急車のサイレン)
(救急車のサイレン)ご苦労様です!
(宮崎正希)通報をいただいた方ですか?横浜みなと消防署の消防司令補長谷川と申します。
ここから先は徒歩じゃないと無理です。
頚椎固定具とロング・バックボードをお願いします。
はい。
バックボード。
(長谷川)よろしくお願いします。
内藤!はい!あそこ!もしもし!発見しました!負傷の状況等まだ不明です。
大丈夫ですか?大丈夫ですか!わかりますか?内藤!下ろすよ。
はい!上げます。
はい。
(内藤)はい。
取ります。
はい!渡します。
はい。
顔の傷ひどいな…。
はい。
腹部の皮下出血。
内臓いってますか?CPA!はい。
1・2・3・4・5。
6・7・8…。
CPA!CPAです!急いでください!パラグライダーによる墜落外傷です。
枝に引っかかってました。
現在CPA。
腹部に著明な皮下出血。
四肢に明らかな外傷なし。
顔面に擦過傷があります。
自発呼吸出た!よし!すぐに搬送しよう!はい。
(長谷川)人手があるからログリフトでバックボードに乗せるぞ。
はい。
1・2・3!1・2・3!大丈夫ですよ。
すぐに病院に運びますからね。
(長谷川)近くに救急病院は?
(宮崎)今指令室に当たってもらってますがやっぱり市内の病院に搬送するしか…。
所要時間は?救急車で40〜50分は。
(内藤)40〜50分!?はい。
(長谷川)ヘリの出動要請!しました。
しかし今別件で鳴門医科大学に待機中なんです。
もっと近い病院は?ふもとのリゾートホテルに病院が併設されてます。
近いの?はい!ルネッサンスリゾート・ナルトです。
(内藤)僕らが泊まるホテルだ。
(救急車のサイレン)えっ!?ここ美容外科!ここの院長大学病院の外科医だったんです。
じゃあ応急手当はできますよね?はい。
(清元明広)あの…申し訳ありませんが本日の受付はもう…。
急患なんです!パラグライダーの墜落事故で。
ええ…!?ちょっとお待ちください。
院長…急患なんですが。

(清元)院長です。
パラグライダーの墜落事故です。
現在CPAは脱しましたが腹部に皮下出血が認められ臓器損傷などが強く疑われます。
あれ?池田英里子さん!?ご存知の方ですか?
(佐伯望美)以前うちのエステティシャンだった者です。
(宮崎)受け入れは可能ですか?やだ伝わってないの?えっ?ついさっき指令室からもこの件で連絡が入ったところです。
ああ…そうだったんですか。
院長そういうことは私の耳にも入れていただかないと…。
どういう連絡系統かは存じませんがお電話でもお断りしたはずです。
うちでは受け入れられません。
一刻を争うんです。
腹腔内出血を起こしている可能性が高いんです。
見ればわかります。
(清元)院長うちで何とかなりませんか?止血すれば応急的には何とか対応できるんじゃ…。
素人は黙ってて。
(長谷川)牧田!ちょっと待ってください!だからうちには設備がないって言ってるの。
牧田いいから。
応急処置くらいのことはできるはずです!急患を放って出掛けるんですか!?えっ…はっ?
(ヘリコプターの音)意外と早かったわね。
(ヘリコプターの音)防災ヘリ来てくれたんだ!私から医科大へは話を通しておきました。
それはどうも…。
こっち!お久しぶりね…さおりちゃん。
よしっ。

(長谷川)ご苦労様です!
(安原孝二)やあ…何の騒ぎですか?この前の件でしたらお話はすんだと思いますけど?ああ…ハッハッ。
依頼人がね相当怒っておられるんですわ。
無理もない。
大事な娘さんの将来を台無しにされたわけですからね。
で私も弁護士としてこのまま引き下がるわけにはいかんのですわ。
ただ事と次第によっては示談に応じてもよいと…。
お引き取りください。
ああ…先生。
いろいろね調べさせてもらってますよ病院のこと。
示談に応じた方がこちらの為にもいいと思うんですがね?どうです?ダメ?じゃあ。

(ヘリコプターの音)
(長谷川)ハッハッハッ!ちょっとしたレジャーのつもりがきっちり働いちゃったな〜。
お前知り合いなのか?あの美容外科医。
ああまあ…。
へえあの高飛車な女ドクターとですか?ちょっとねナースのころ。
それよりあの墜落事故を起こした彼女のことなんですけど。
(長谷川)どうした?顔面に相当の擦過傷が認められました。
そうだな。
不自然じゃありませんか?何が?落ちる瞬間手や腕で防御姿勢をとった形跡がまったくないんです。
上空で制御不能になったパニックから気を失っていたんですよ。
それは考えにくいわよ。
だってそうでしょ?内藤も言ってたじゃない。
彼女パラグライダーは相当慣れてるみたいだって。
ああまあ…。
まあいかに制御不能になったとしてもある程度経験を積んでいればそれなりの対応するんじゃない?パニックで気を失うなんて…。
ですよね!じゃあ気を失ったから墜落した…。
うん…それに私見たんです。
彼女飛び立つ直前に胸のあたりをこう…痛みを感じてるような…。
まあ事故原因については地元警察が今調査してるだろう。
本人の意識も戻ればいずれいろいろわかってくるだろうし。
なっ?そうですね。
ああっ気持ちいい!うっくう〜。

(日野雅史)オ〜ッス!ウイッスウイッス…ウイッス!ああどうも日野ドクター。
どうも!どうも!あのいろいろ便宜を図っていただいて。
どう?いいホテルでしょう?いや〜研修会で来るだけじゃもったいないですね。
でも今日半日だけでもお前リゾート気分味わえたんじゃないの?う〜ん…。
じゃあ…。
あらっ?行っちゃうの?ダメ?・
(宮崎)どうもどうも!どうも!こんにちは。
こちら地元の救命士の方でしてちょっとこれから打ち合わせを…。
どうせ飲み会でしょ?そのとおり…。
じゃ行きましょう。
行きましょ行きましょ。
どうも。
ねえねえどう?ラウンジでお茶でも。
のど渇いちゃってさ。
ここで病院やってたんだねあの人。
はっ?私のことも覚えててくれたみたい。
あっ会った?あなたの昔の知り合いが便宜を図ってくれたって聞いてたけど…。
うん。
ラッキーだろ?昔の知り合い…ハッハッ。
ダメ?そういうことだったわけ。
706お願いします。
かしこまりました。
まああなたも私もこの人にとっては過去に捨てた女の1人2人なんでしょ?いや捨てたって望美ちゃんそういう言い方はないじゃない。
ちょっといい?はっ?じゃあ俺はこれで。
あらいいじゃない。
めったにないわよ?昔の女2人と一度に会う機会なんて。
いいねえそういう割り切り方。
じゃ行こうか!失礼いたします。
10年ぶりぐらいかな?はあ…もっとじゃない?もっとだね。
あっ…この人と離婚したあと救命士になったって聞いたけど頑張ってるみたいね。
優秀だよこいつ。
そう。
あの何かお話があっていらしたんじゃないですか?何か言ってなかった?えっ?池田英里子。
誰?事故現場に駆けつけたときはすでにCPAの状態でしたから。
そう…。
何か気掛かりなことでもあるんですか?ううん…別に。
彼女以前佐伯さんの病院で働いていたんですよね?勝手に辞めてったのよ。
何か話見えないなぁ。
関係ないでしょ。
今日ね以前うちで働いてた娘がパラグライダーの事故で重体になって内出血が相当激しいみたいだったの。
やばいよそれ。
腹部大動脈か…。
そこまでわかっていて何であの場で応急処置を…。
何度も言ってるでしょ?うちは美容外科なのよ。
私には信じられません。
目の前に瀕死の重傷の患者がいるのに専門外だとか設備がないということで応急処置もしないなんて…。
おい。
あの場合はね一刻も早く設備の整ったところで高度な外科的処置が必要だということはあなた元ナースならわかるはずよ。
元は優秀な外科医だった望美先生だから言ってるんです。
いい加減にしろよ。
もしうちで処置をして彼女がその場で死んだりしたら何て言われると思う?何で美容外科医が処置をしたんださせたんだってこっちもそっちも叩かれるわ。
でも…。
美容外科医はね人気商売なの。
ちょっとした噂だけで命取りになるの。
目の前の命を助けるその使命だけで成り立ってるあなたたちとは立場が違うの。
う〜んまあまあ…ややこしい話はあとにして3人で楽しく話そうよ。
この3人で?昔話にどんな花が咲くのかしら?ハハッいやぁまあね…。
はあ…しつこいわね。
何かあったんですか?あなたに関係ないでしょ。
どうしたの?帰るわ。
いやじゃあ送るわ。
結構です!
(和江)待ってよ!ねえどうして!?ねえ!離してよ!どうしてよ!?おい…なんだよ2人共。
楽しくお話しようと思ってたのに…。
うらやましい?俺たちが?ええあんな美人でかっこいい人と一緒に仕事ができるなんて!そうですよね〜。
美人!牧田が美人!?どう思う?内藤!美人ですよ!美人ですよね〜?内藤さん!いや…うん…。
それに優しいし。
あいつはね鬼!
(一同)えっ!?鬼なんだよ。
鬼って言い過ぎじゃないですか。
はいチーズ。
あいつは鬼だよ!現場に出たらな鬼なんだよ!そこがかっこええやないですか!何言ってんだ!俺たちなんか全然…あっほれちゃったね?君は。
長谷川さん!ほれたなんてそんな…。
すいません。
君の恋人にお電話してあげる。
もういいですよ〜。
待って…それはやめてください!ちょっとホンマ!長谷川さん!もう!もうすいません。
あれ?もう寝ちゃった!うん?何々?お姉ちゃんね今日ね鳴門の渦見てきたんだよ。
すごかったんだから。
カメ吉も見たかった?うん?あっそう興味ない。
ふうん。
じゃあねお姉ちゃんねこれから勉強しなきゃいけないから遊んでらんないの。
いい子にちてて。
ほらはいはい…。
(安原)やあ。
何ですか?ある情報が入りましてねヘヘッ。
とてもおもしろい情報でしてね。
これはぜひ先生のお耳に入れておいたほうがよいかなと。
あることないことほじくり返してそんなにお金が欲しいの?ハハハッ…。
それはお互い様でしょう?でもね先生もいろいろやってますなぁ。
先生の病院とんでもないことやってますね。
ほっといてよ!ちょっと待ちなさいよ!事故の前に何かがあった…。
何だろな…カメ吉。
ええ厚生労働省令の改正により包括的指示による除細動が認められ救命の効果が上がっているとの報告が全国から出ております。
このことは救命救急センターに勤務する医師である私にとって歓迎すべきことであると考えております。
今後は救急救命士による気管挿管や薬剤投与も一部認められることとなり救急救命士の皆さんにとっても正念場となります。
そのためには皆さんはより一層の研究と訓練が必要になってくるものと思われます。
何時まで飲んでたんです?4時!?・
(咳払い)そこでこれから横浜みなと救急隊の3人に実演をしてもらいながら気管挿管の説明をしたいと思います。
気管挿管で最も注意しなければならないこと。
それは絶対に食道挿管になってはならないということです。
その為には喉頭鏡のブレードを傷病者の右口角から口腔に入れブレードで舌を左に圧排し喉頭蓋が見えたならばブレード全体を傷病者の前方に持ち上げ喉頭展開します。
続いて声門気管粘膜を直視下で捉えその目を離さずに助手からチューブを受け取り傷病者の右口角からチューブを進めてカフが声門を越えるまで気管内に挿入します。
この気管挿管が救命の現場において大きな力になることは確かなことだと思います。
ですから救命士の皆さん。
この気管挿管の技術を習得し1人でも多くの命を救えるよう頑張っていただきたいと思います。
(拍手)ああ〜緊張した。
よかったですよ〜!聞きほれました。
嘘つけ〜。
あんたら大あくびかいてたじゃないか!
(長谷川・内藤)すみません。
もう〜。
ハメはずしに来てんじゃないんだから。
そりゃあまあ…昨日…。
(宮崎)ああ〜!やっぱり間に合わんかった。
日野先生の講演楽しみにしてたんです。
残念でしたね!素晴らしかったよ〜!おい調子いいぞ。
あっすいません。
おう。
ちょっと失礼。
な〜んだ来てくれてたんだ。
いいの?病院のほうは。
ちょっとケガしちゃって…これじゃ診察もできないでしょ。
どうした?ねっ時間ある?うんいいけど。
付き合ってくれる?うん。
運転大丈夫なの?その手で。
ラウンジにいた人…。
(飯塚麻紀)佐伯先生のお知り合いの方ですよね?あっはあ…。
お話聞いていただきたいんですけど。
えっ?今日の2時大塚国際美術館のシスティーナ・ホール前に来てください。
あっ…あの昨日の件は本当に失礼いたしました。
あっいえ…。
院長に代わり一言おわびをと…。
そんな!いや…うちも美容外科とはいえれっきとした医療機関です。
ああいう緊急事態の場合にはやはり患者さんを受け入れるべきだったと…。
あっ…ありがとうございます。
あの佐伯先生とは昔からのお知り合いだそうですね。
ああまあ…。
私は先生とは病院を始めたときからなんです。
あっそうなんですか。
あの…こんなこと申し上げていいのかあれなんですが最近ちょっと先生の様子が…。
実は先生最近美容外科医として自信をなくされてるみたいで…。

(清元)院長もしかすると元患者さんに告訴されるかもしれなくて…。
医療ミスですか?ええまあ…。
詳しくは申し上げられないんですが…。
そんなこともあって最近今のご自分の仕事に疑問を持たれてるというか…。
なぜそんな話を私に?実はここのところ何かと理由をつけては診療を休みがちで…。
まあ正直言って病院の経営も苦しくなってきています。
そこで昔の友達のあなたに話し相手になっていただいて気分転換でもと思いまして。
私としても先生には立ち直ってもらいたいんです。
でも今日はケガで…。
この半年ずっとあんな調子で。
先月は風邪をこじらせたとかで1週間病院を閉めました。
じゃあさっきのケガも…。
おそらく嘘です。
「あなたが今そこにいるのはあなたがそういう人間だからである」「あなた自身の考え方があなたをそこに連れてきたのだ」イギリスの哲学者ジェームス・アレンの言葉。
結局何が起きても全部自分が引き起こしたこと。
望美…何かあったのか?
(パトカーのサイレン)来た来た!パトカー来たで!こっちこっち〜!至急至急!鳴門Bから徳島本部!殺人事件発生!場所は亀浦漁港。
男性が死んどる!何もかも…嫌。
それどうした?まさか…。
第一外科であなたと鎬を削ってたころが懐かしいわ。
ねえ…このまま一緒にどこかに逃げちゃわない?何言ってんの?はあ…無理よね。
おい…。
あなたに会えてよかった…。
すべてから逃げてた自分が見えた。
何言ってんだよ?逃げずに自分と向き合って結果がどうなろうとも…そう…。
どうかしてるなあいつ。
悪いね子供の土産まで付き合わせちゃって。
ヘッヘ…。
どうした?あの女医のことが気になってんのか?たしかに仮病や嘘のケガ…?そうまでして仕事から逃避したいなんてちょっと変だよな。
あの人さもともとは日野ドクターと同僚の外科医だったんだろう?どうしてまた美容外科に?美容外科っていえば最近そのことでうちでもひと悶着あってな。
えっ?中学になるうちの娘がなプチ整形?したらしいんだ。
らしいって?ここんところにあったホクロをね取ったっていうんだよ。
俺はこんなところにホクロがあるなんて知らなかったよ…。
隊長…!父親に黙ってそんな手術勝手にするなんて何考えてんだってうちで大ゲンカよ。
隊長娘さんの顔のホクロがあるかないかくらい気づかなきゃ。
そっちのことのほうが問題でしょ?親として。
そうかな…。
もう…そうですよ!そういえばさ昨日飲み会で聞いたんだけどあの女医さん周囲の評判あまりよくないみたいだね。
えっ?スタッフも長く居つかないみたいだし本人の悪い噂も出てるらしい。
悪い噂…!?いろんなところから恨みを買ってるらしいし元患者から告訴されそうになってるらしいぞ。
告訴…。

(メールの着信音)おお〜!
(飯塚節子)あの…。
麻紀とここで待ち合わせの…?ああっはい。
私麻紀の母親です。
飯塚節子と申します。
あっどうも。
すみません。
麻紀が何か急用で来られないっていうんで私が代わりに…。
あのどういうお話で…。
あの子去年先生のところで美容整形を受けたんです。
お恥ずかしい話胸の…豊胸手術というのを。
ああ…。
ミスなんとかっていうコンテストに出たいからって…。
最初は私反対したんです。
そんな作り物の胸なんかにしてまで出ることないって。
そしたら私先生に呼ばれまして…。
お母さんのお気持ちはよくわかります。
私もそうまでしてミスコンに出る必要はないと思います。
だったら…。
娘さんとじっくりお話をしました。
彼女は自分に自信が持てないのは胸がないからだと思い込んでいます。
どうしてそんなこと…。
いいですかお母さん。
とかく美容整形は見た目を作りかえる表面的な医療だと思われがちです。
でも違うんです。
美容整形は心の医療だと思っています。
前向きに生きるための心のケアをする仕事だと私は思っているんです。
先生のお話を伺って娘に手術を受けさせる決心がつきました。
娘は手術を受けました。
そして娘はミスコンに出て…。
結局予選も通りませんでしたけどでも娘は変わりました。
以前にも増して明るくなって笑顔が輝いていました。
不思議なものですね女って。
胸の形ひとつで変われるんですね。
ところが手術から半年が過ぎたころ娘の胸に異常が…。
異常?手術の痕からひどいアザのようなものが広がって…。
先生に相談しました。
ところが…。
(清元)誠に申し訳ありません。
院長は今外出しておりまして…。
(節子)あれだけ親身になってくれていた先生がミスを認めず会ってもくれなくなってしまったんです。
病院側に過失はないとの一点張りで…。
それで麻紀さんホテルまで…。
ええ。
あれから何度訪ねても同じことで…。
おそらく昔のお友達だというあなたにその気持ちをぶつけて先生にあなたから話をしてほしかったんだと思います。
本当に申し訳ございません。
こんなことで…。
あの子どうしたのかしら?本当に来られないのかしら。
(携帯電話)すいません。
もしもし?麻紀ちゃん?お母さん…助けて…。
助けて!?どうしたの麻紀ちゃん。
どこにいるの?聞こえない。
えっ!?鳴門大橋の下…。
鳴門大橋の下?そこは近いんですか?ええ車で5分くらいで…。
鳴門大橋の下ですね!?はい。
お母さんは119番に電話してください!はい!麻紀さん!麻紀さん!麻紀さん!どうしたの?大丈夫ですか?わかりますか?どうしたの?誰かに刺されたの!?顔は見た?ああ…。
もういい。
しゃべらないで。
頑張って麻紀ちゃん!もうすぐ救急車が来るから。
頑張って!
(長谷川)ああくえ鍋ですか。
じゃあ最初の…。
ああどうもどうも。
ホテルに行ったらみなさんこちらだっていうから。
ええ。
今夜の親睦会をどこでやろうかの相談で。
いやあの…勉強会です勉強会。
(一同)ハハハ…!さおりは一緒じゃなかったんですか?ええ何か用があるらしくて別行動なんですよ。
ああそうですか。
(無線)「右季肋部に長さ約1〜2センチメートルの刺創が認められます。
創の深さは不明です」「外出血の量は少量ですが肝臓付近まで達している可能性もあります」「傷病者は現在CPA状態」えっ?あの声。
さおり?あっ麻紀ちゃん!麻紀!麻紀…!麻紀ちゃん!麻紀…!お母さん…。
どうして?誰があんなこと…。
おい!お前の声が突然聞こえてきたからびっくりしたぞ。
すいません。
たまたま…。
あの子…あの子助かるんでしょうか?お母さん…。
麻紀ちゃん!麻紀…。
(医師)ああお母さん大丈夫ですよ。
幸い内臓からの出血は止まっています。
心配ないです。
(節子)ありがとうございます。
ありがとうございます…。
よかった…。
ねえどういうこと?麻紀さんに呼び出されたの。
呼び出された?で呼び出した本人が来ないでこういうことに…。
犯罪絡みですかね。
何かやばいことに巻き込まれてるんじゃないかな?望美のことで。
飯塚麻紀…。
あの娘佐伯先生のことじっと見ていた。
だから佐伯先生のことが気になって追っかけていったとき…。
佐伯先生をつけていた女がいたの。
女?女がつけてたのか?はい。
そうだ…あの女性!パラグライダー事故の直前あのケガをした池田さんとも…。
おいおい…!マジかよお前…。

(内藤)牧田さん!警察の人が事情を聞きたいそうです。
警察?ええ。
本人はまだ口をきける状態じゃないんで。
何かそれとついでにパラグライダー事故の件でも聞きたいことがあるとか。
わかった。
行こう。
はい。
何か警察はパラグライダー事故にも疑惑を持ってるっていうのか?わかりませんがとにかくさっきの傷害事件との関連も含めて事故直後の様子を詳しく聞きたいと。
どうした?さおり。
あれ!あれあの女の人…。
あの女です。
パラグライダー事故の直前池田さんともめてたり望美先生のあとをつけたり…。
何でこんなところに!?警察いるんでしょ?知らせて。
はい。
おい!見失わないほうがいいでしょ。
おいあそこパラグライダー事故の池田さんの病室だぞ。
何しようっていうんだ!?あっ!まずいわ…。
あんたここで何やってるの!?嘘…!?イテテ…。
あんた誰!?名前は?イテイテ…。
大丈夫ですか?
(伊藤隆志)不審者というのは?あれあれ…!立て!立て!あなたたち何者!?いえいえ…。
あっちあっち。
あなたたち池田英里子とどういう関係?あっ私は…。
動かないで!鳴門中央署の結城です。
あんたたちは?
(3人)刑事さん…?違法診療?まだ内偵捜査の段階ですが院長の佐伯望美にその嫌疑がかかっています。
どういうこと?過度の脂肪吸引を短期間に繰り返したらしいんです。
ああ…。
十分に回復しないうちに繰り返すと吸引し残した脂肪が血液中に吸収されて毛細血管が詰まって血栓を起こす危険性があるな。
詳しいのね。
医者ですから。
フフ…見えないわね。
あなたも刑事さんには見えないですね。
彼女がそういう違法診療をしていると?はっきりと違法だとは言えませんがその疑いがあります。
疑いって…。
そんなの患者に訊けばわかる話では?誰も答えてなんかくれませんよ。
普通は美容整形手術をした事実でさえ周囲に隠したいと思うものですから。
そのうえ違法な診療まで受けていたともなると…。
そうまでして痩せたいのかと周囲の嘲笑を浴びることになりますからね。
命の危険を冒してまでするかなぁ…。
死んでも痩せたいと思う人もいるのね。
皮肉だけど。
はあ…。
あのパラグライダーの事故を起こした池田英里子さんについてはどういう…?実は彼女からの情報だったんです。
まあ内部告発ですね。
内部告発…。
ご存知かとは思いますが池田英里子は最近まであの病院のスタッフでした。

(和江)彼女は佐伯望美の医療行為を常にそばで見ていた。
その彼女からある日病院で行われている違法診療について話がしたいと言ってきたんです。
ところが数日後彼女に会ってみると手のひらを返したかのように証言はする気はないと言ってきました。
もういい加減にしてよ!あっあのときの…。
何で急に?それがわからないんです。
我々も内偵捜査を始めたところでした。
それと今日死体で発見された安原弁護士の殺人容疑もかかってます。
えっ!?・
(ノック)院長これは…。
これはどういう?どういうって…?うちを告訴するってしつこかった弁護士ですよね?殺されたなんて…。
それに今ニュースであのうちにクレームをつけてる飯塚麻紀さんが何者かに刺されたって…。
どうしますか?うちに関わっていたことすぐにわかってしまいますよ。
先生。
何よ!私見てしまいました。
(清元)院長と弁護士が話しているところです。
声をかけようと思いましたが何かいけない気がして…。
警察に聞かれたら何て答えるんですか?あなたがアリバイを証言してくれればいいわ。
アリバイ?あの弁護士とはそこで別れて私は1人で自宅マンションに入って行ったって証言できるでしょ?何よ?私はそれは見ていません。
院長とこの弁護士が別れるところは見ていないんです。
そうね…。
あなたがずっと見ててくれたとしたら私があの弁護士と別れた直後にナイフを持った何者かに襲われた瞬間も目撃してくれたはずよね。
本当にそんなことあったんですか?
(電話)はいエスポワールでございます。
はっ?はい。
少々お待ちください。
日野さんという方です。
院長院長!もしもしお待たせいたしました。
申し訳ございません。
院長はただいま外出しておりまして…。
そうですか。
じゃあ…。
(清元)「あの…」はい?もしよろしければ私がご用件を…。
いや…あっすいません。
それじゃあ都合のいいときに連絡がほしいと伝えていただけますか?はいかしこまりました。
よろしくお願いします。
あいつ何か変わったな…。
ねえそう思わない?いきなりにドライブに誘ってわけのわからないこと言って俺を置き去りにしてさ…。
何考えてるんだろうなあいつ…。
警察の動きとか気にしてるのかな?そういう言い方望美先生を疑ってるわけ?いや疑りたくないって。
だけど警察が内偵捜査してしかも安原弁護士殺人容疑もかかってるんだよ。
ただごとじゃないよな。
あっ。
何か?あの…佐伯先生にお会いしたいんですが。
ああそうですか。
どうぞ。
さあどうぞ。
どうぞ奥へ。
もうすべて終わりです。
この病院。
この安原弁護士はうちの患者池田英里子に依頼されて告訴するとしつこく言って来てたんです。
私佐伯先生が…。
先生がこんなことをする人だとはどうしても思えないんです。
もう何もかもお話ししますが池田さんはミスコンテストに出場を希望されていたんです。
ミスコンに?ええ。
しかしそのためにはどうしても短期間でダイエットする必要があって院長にお願いして短い期間に何度かの脂肪吸引手術を…。
先生は引き受けたんですか?ええ。
病院の経営が厳しくなっていたこともあって…。
それに池田英里子さんの実家は資産家で多額の報酬をちらつかせて…。
お金のために!?それだけじゃないんです。
院長は池田英里子さんと取り引きをしたんです。
取り引き?ミスコンでの入賞を約束して他の手術の問題について何も言わないことを約束させたんです。
・何ですか?どちら様ですか?あのここ鳴門大橋の下で刺された飯塚麻紀さんのお部屋では…?申し訳ありませんが現在身内の方の面会以外はお断りしております。
容体はどうなんですか?失礼ですがどちら様でしょうか?ねえどうしたの?ねえどうしたの?池田英里子さんの容体が急変して…。
はっ?10時12分…。
これで永遠に事情が聞けなくなりましたね。
司法解剖にまわして。
はい。
あっそれと飯塚麻紀の携帯の着信記録なんですが美容外科エスポワールのパソコンからでした。
(和江)「話を聞きます。
病院では話しづらいので」「鳴門大橋の下にて14時佐伯望美」佐伯望美を任意で引っ張りますか?どうしたんですか?
(携帯電話)もしもし牧田です。
もしもし?もしもし?望美先生…?ちょっと会えないかな?牧田遅いな。
もう遅刻しちゃいますよ。
カメ吉に引き止められてるんじゃないの?カメキチ?いやいや…。
お前ちょっと呼んで来い。
はい。
あの横浜みなと消防署のみなさまでしょうか?はい。
牧田様より伝言を預かっております。
さおり?本日の研修会でございますが欠席させていただきたいとのことでございました。
佐伯先生とお会いすることになったとかで…。
あの美容外科の?何かやばくないですか?
(アナウンス)「おかけになった電話は電波の届かない場所か…」何だよ電源切ってる。
どうぞ。
人目につかないところで話がしたかったの。
私も先生に聞きたいことが…。
素敵な別荘でしょう。
5年前に買ったのよ。
でも病院の経営が思わしくなくてね…。
来月には人手に渡ることになってるの。
今朝先生にお会いしたくて病院に行ってきました。
そう…。
そこで清元さんから話聞きました。
何を言ったのかは想像がつくけどすべて嘘よ。
本当に嘘なんですか?望美先生!その呼び方やめてちょうだい!すみません。
思い出すのよ。
あのころのことを…。
関東医大病院第一外科…。
あの人と私で競い合ってた。
血圧64まで上がりました。
肝臓破裂のうえに腸間膜までやられています。
すぐにオペの準備を!まず血管撮影が先だ。
出血をアンギオで止めないと血圧維持ができない。
肝臓の摘出が先です。
オペの準備をしたほうが。
患者の年齢を考えるときついな。
一刻も早くオペを!新しい分野に挑戦すると聞いてすごい決断だなと思いました。
第一外科で十分将来を約束されていると思っていましたから。
自分を過信していた…。
ねえ覚えている?車の火災事故で運ばれてきた少女がいたことを…。
15歳だった。
5時間に及ぶ手術で何とか命はとりとめた。
ああ。
あのときの手術。
本当に感動しました。
その子は元気になって退院していった…。
でも体は元気になったけど心を病んでることに私はまったく気がつかなかった。
その子退院して3日目に…自殺したの。
そうだったんですか…!?事故のときに受けた顔の火傷が残っていたけど薄化粧でも隠せるまでに回復していたのに…。
命が助かっても15歳の少女にとってはその顔で生きていくのがつらかったのね。
命を助けた時点で外科医の仕事は終わり。
私はそこで満足してた。
でも何もわかってなかったのよ。
そのことで先生は外科医を辞めたんですか?そうよ。
日野先生は私をどなりつけたわ。
そんなセンチメンタルな気持ちで外科医が務まると思ってるのか!やめろやめろ!俺たちはなぁ今ここにある命を助ける。
それが第一歩なんだよ!!美容外科こそもしかしたら本当に命を救う仕事かもしれない。
そう思ったの…。
外科医の経験も生かせるし…。
そのころたまたま知り合った清元さんがリゾートホテルに美容外科を併設するプランを計画してたの。
私はそれに賭けようと思った。
新しい目標が決まって毎日が充実してたわ。
でも…。
美容外科に来る患者さんはケガや病気で来る患者さんとはまったく違っていた。
自分をもっと美しくきれいにしたい…。
当然よね。
欲望も強い…。
少しでも手術の結果が気に入らないと病院のせいにする。
私の腕のせいにする…。
それでも初めのころはそんなクレームのひとつひとつに対応してた。
でもミスを認めれば病院の評判が悪くなる。
私はね本当に心が救える生きる勇気のわく美容外科を確立したいの。
続けていきたいの。
まだ始まったばかりなの!ここで頓挫するわけにはいかないの!守りたいの。
自分の城を守りたいのよ!携帯電話電源切れたまんまだな。
ホテルは?あっもしもし…。
どうした!?連絡とれた?いや携帯にはつながらないので今ホテルのほうへ。
ホテルにもいないようです。
そうか…。
事件に巻き込まれてなければいいんだけどな。
いや…ちょっと捜してみます。
失礼します。
ああ何か?佐伯先生が牧田を呼び出してどこか行っちゃったんですけど連絡とれなくって…。
ええ!?牧田さんを呼び出してどこかへ…。
ええひょっとすると…。
何か心当たりありますか?自信はありませんがちょっと捜してみます。
じゃあ一緒にまいります。
どうぞ。
いないの!麻紀がいないんです。
ええ!?
(携帯電話)はい。
えっ!?飯塚麻紀が病院からいなくなった!?ええ。
それと飯塚麻紀がいなくなる1時間ほど前に美容外科の支配人清元明広が病室の前にいたらしいんです。
わかった。
清元を指名手配して県警にも連絡して。
私は難しいことはわかりませんが…。
私救急救命士になり今ここにある命を助ける手助けができ本当に充実した毎日を送ってきたつもりでした。
命をとりとめた患者さんから「ありがとう」と言われたとき本当にうれしくてこの仕事にやりがいを感じていました。
でも先生の患者さんが自殺していったとき先生が受けたショック私わかるような気がします。
何がわかるって言うの!?すみません。
でも先生のような美容外科の先生が今必要とされているのではないでしょうか?あはは…。
何がおかしいんですか?最近何もかも嫌になってきてしまって…。
えっ?自分がどういう美容外科医になりたいのかわからなくなってきてるの。
また患者が訴えるって。
そのことで安原弁護士につきまとわれてた。
でも私がどんなミスを犯したと思う?ミスっていうのは何かをしてしまったことでしょう?でも今度訴えられようとしているのは何もしなかったっていうミス。
何もしなかった?患者は地元中学に通う14歳の内気な女子中学生。
うちみたいな病院には珍しく両親に連れられてきたわ。
二重まぶたの手術を受けたいって。
内気で引っ込み思案なのは腫れぼったい一重まぶたのせいだって。
名門の私立女子高校の受験を望んでて面接があるっていうの。
二重まぶたにして印象を明るくすれば必ず試験に合格するはずだって親子3人で思い込んでて…。
手術を断った。
二重まぶたにしたことで試験に受かるなんてそんなことを真剣に思い込んでるほうがおかしい。
本人を説得したわ。
元気づけた。
彼女わかってくれてね。
今のままで挑戦しますって…。
でも結果はダメだった。
両親は怒りの矛先を私に向けてきた。
美容外科医のくせにするべきことをしなかったから娘は高校に受からなかったんだって。
かなりの損害賠償を求めてきたの。
確かに美容外科医として医療ミスなのかもしれない。
何もしなかったことが医療ミス。
そんなこと…。
あるのよ!同じ女ならわかってあげるべきだったのかもしれない。
見た目が変わることで気持ちも変わるんだってことをそれは美容外科医としてポリシーにすべきことなのよ。
やっぱり…。
ここは?この上に院長の別荘があります。
ちょっと待ってください。
どうしたの?何か嫌な予感が…。
えっ!?院長はパラグライダー墜落事故現場に最初に到着した牧田さんが池田英里子さんから何かを聞いたんじゃないかと。
どういうこと?院長を告発する内容の…。
ええっ!?カルテに残らない形で違法の脂肪吸引手術を行っていたことです。
それは…。
院長が隠しておきたいことなんです。
じゃあさおりが何か聞いていたりすると…。
警察に連絡を。
もしもし!?警察ですか?清元と申します。
止まり木の別荘で女性が拉致されています。
ええ命が危ないんです。
急いでください。
はい。
急ごう。
ここが別荘です。
じゃあ行きましょう。
ちょっと待っててください。
車のところで警察を待っててください。
お願いします。
わかった。
パラグライダーで事故を起こした池田英里子さんのことだけどあなたが到着したとき本当に意識がなかった?ですからCPAの状態で。
本当に?何で前からそのことを気にしてるんですか?大事な問題なの。
あなたが聞いたことを全部教えて。
本当に何も聞いてません。
不審な点も?変だなと思ったことはあります。
何?すでに上空で気を失っていたんじゃないかと…。
彼女飛び立つ前に胸のあたりに違和感を感じてるみたいで…。
そう…。
佐伯先生…。
私のことを疑っているんでしょう?私が過剰な脂肪吸引をしたせいで池田英里子が命を落とした。

(清元)日野さん!日野さん早く!!早く彼女を!ああ!はっ!清元さんあなたね。
あなたがすべて…。
病院を私の病院を守るために…。
仕方なかったんです。
やっぱりあなたが…。
私に隠れて患者に脂肪吸引の手術をしていたのね。
院長がやらないからですよ!美容外科に来る患者は美しく変身できるならどんなに高い治療費でも払う覚悟で来ているんです。
それをあなたにはその必要がないとか外科的処置はもう少し待ってからとか…。
そんなカウンセラーみたいな医者はいらないんです!それにいちいちアフターケアに付き合っていたら結局クレーム処理ばかり。
あんたと組んだのは間違いだった。
あなたの言うとおり私も病院の経営と将来のためにこの半年間はクレームに対応しなかったじゃない。
あなたの言うとおりに。
経営が大事ならもっと儲かる医療をしなきゃダメです。
結局お金なの?どんなに理想が高くても…。
金が稼げなかったら何もできないでしょう!そのために私がどれだけ苦労をしてきたか!私だってね見よう見まねの手術は怖かった。
(清元)真夜中に患者を呼んで手術をしました。
患者は喜んで大金を払って帰りましたよ。
池田英里子も院長じゃ話にならないからって。
でもそのせいで彼女は死んだわ。
意識を失う間際にあなたのしたことを口にしていたら告発することもできた。
そのことを池田英里子から聞いて脅してきたのはあの弁護士だった。
先生とこの清元って支配人とんでもないことやってますな。
(清元)そのときのおふたりの会話は聞いていました。
そのあとあなたが覆面をして私を襲ったのね?
(安原)じゃあ。

(清元)元患者の恨みを買ったって世間は思うでしょう。
パラグライダーで落ちた池田英里子の口からあなたの名前が出たんじゃないかと思ってそれをさおりさんに確かめたくて…。
(清元)それはご丁寧なことで。
あの弁護士を殺したのも…!?。
ええ私ですよ。
(清元)院長に疑いが向くように病院の備品のメスを使わせてもらいました。
あなたの容疑が立件されようがどうしようが関係ない。
あなたに関する黒い噂が流れればそれでいい。
それだけであなたをここから追い出しもっと稼げる医者を連れてきて看板にすればいい。
とにかくあなたと病院を始めたことが私の一番の誤算だったんだ。
清元さん…。
私は薄々あなたがやったんじゃないかと思ってた。
でも信じたい気持ちもあったの。
今さら何を…。
私の部屋で飯塚麻紀さんへのメールを見たときに確信したの。
あなたがやったんだって…。
そうだ。
私がやったんだ。
警察の目を私に向けようとしたんでしょうけどそのメールを警察が見たら自分の名前で呼び出しておいて殺すなんておかしいって思うでしょうね。
もうすべて終わったんですよ。
誰も何も証言できませんよ。
飯塚麻紀さんがいるわ。
彼女が意識を取り戻せば…。
どうかな…。
車のトランクで生きているかどうか…。
病室から気づかれずに運び出すのには苦労しました。
でもまあその場で殺すところを見られるよりはいい。
殺したの?まだ息はあるんじゃないですか…。
あの娘は傷をおして病院から抜け出しそしてあなたやこの救命士さんたちとここへ来た。
そしてあなたは医療ミスや違法診療の件を追及され追い詰められここで全員を巻き添えにして焼身自殺をしてしまう。
恥知らず!世間知らずのあなたに言われたくないよ。
麻紀さん!来た。
以前やってた事業で大きな借金を作りましてね。
私にとって美容外科は起死回生の一打になるはずだった。
あなたにとって医療は金儲けでしかないの?世の中にはね死んでも美しくなりたい人がいるんですよ。
そのためには惜しげもなく大金をつぎ込む人たちがね。
やめろ!早く追って!麻紀さん麻紀さん!救急車お願いします。
待て!腹部が膨満しています。
腹腔ドレーンからガーゼの上層まで出血が見られます。
すぐに処置をしないと…。
橈骨が振れません。
先生!望美先生!呼吸停止!CPA!気道確保!ショックポジション!はい。
お願いします。
さおりさん。
保温を!はい。

(救急車のサイレン)
(パトカーのサイレン)痛え痛え…。
先生!大丈夫ですか?先生!誰か!先生を車に運んで!
(救急車のサイレン)飯塚麻紀さんのお母さんから話を聞きました。
1年前彼女に手術を勧めたときのこと。
生きる希望を持つための医療。
心を支えるための医療…。
私さすが望美先生だと思いました。
失敗したことは確かに責任があると思います。
でも手術を勧めた望美先生に間違いはなかったと私は思います。
先生メス執ってください。
先生の目指す美容外科すばらしいことだと思います。
ただ美しくするのではなくその人の人生を明るく生き生きとするための手術大切なことだと思います。
でも今あの娘の命助からなかったらすべては何も意味のないことだと思います。
今ここにある命を救うこと。
そこから始まるのではないでしょうか?今あの娘が助かったら確かに先生を告発するかもしれません。
だからこそ先生にメスを執ってもらいたいんです。
メス。
鉗子。
私がいけなかったんです。
あの娘にあんな手術さえ受けさせなければ…。
母親として絶対に反対すべきでした。
お母さん。
今は麻紀さんの命が助かることだけを考えましょう。
(節子の嗚咽)日野ドクターは?大丈夫。
たいしたことないって。
でも今にも死にそうにしてましたね。
ばかっ!ここで死にそうとか言うなってば。
(内藤)あっ…。
すみません。
日野先生の口添えで佐伯先生執刀できてよかったな。
先生…。
手術うまくいったわ。
よかった。
さおりさん聞きたいことが…。
はい。
よく私について来たわね。
殺されるんじゃないかって思わなかった?あなたのことは昔から知っていますから。
私はずっと望美先生…あなたのことを尊敬していました。
同じ医療現場で働く女性として目標にしていました。
あなたが第一外科の未来を捨てて美容外科という新しい仕事に挑戦していったのを見て私もこのままナースで終わりたくない。
何かもっとできることはって奮起できたんです。
救急救命士になろうと思ったのもあなたに触発されてという部分もあるんです。
ありがとう。
本当にありがとう。
やめてください。
望美先生…。
先生。
署のほうでお話を伺いたいのですが…。
はい。
私一から出直して本当の美容外科を確立する。
2015/02/10(火) 14:00〜15:51
ABCテレビ1
救命士・牧田さおり[再][字]

緊急出動!徳島鳴門〜空中美女殺人、無数に残った顔の傷が暴いた女美容外科医の秘密

詳細情報
◇出演者
浅野温子、涼風真世、宇崎竜童、井上晴美 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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