でもこの反論には問題がある。
不思議の国にはキリンがいない。
生き物の不思議を解き明かす「生物基礎」へようこそ。
生態系の中の生物の種類や数そしてその環境は絶妙なバランスで保たれている。
今日はそんな「生態系のバランス」に迫りますぞ。
こんにちは八田亜矢子です。
今日も楽しく生物の事を勉強していきましょう。
よろしくお願いします。
東京アヴァンギャルドの丸沢丸と…。
綾瀬マルタと…。
森のイケメンミドリ君です。
豆腐は絹ごしより木綿派だそうです。
そうなんだ。
うん。
よろしくね。
よろしくね。
さあ今日のテーマは…生態系ってどんな事をいうのか以前に学びましたよね。
覚えていますか?はい。
そのとおり。
実は…さまざまな要因のために…ん?
(丸マルタ)どういう事ですか?では今日はその事をじっくり学んでいこうかのう。
それでは丸君今日のキーワードを出してくれたまえ。
はい。
ジャン。
(丸)「生態系はバランス上手!?」。
はい。
今日は生態系のバランスのしくみについて学んでいきましょう。
ではこちらを見て下さい。
(丸)はい。
おっ何ですか?これは。
(マルタ)亜矢子さんこれ積み木みたいですが。
はいそうですよね。
これは生態系の生物を食う・食われるの順番で示した図で個体数の生態ピラミッドといいます。
そして積み木の各段の幅は生物の個体数を表しています。
(丸)ああなるほど。
下の方が広がっていて上の方が狭くなってるから…。
(マルタ)生態ピラミッドですか。
はいそうなんです。
では生態ピラミッドの構造を順番に見ていきましょう。
まず一番下の段に来るのが生産者です。
(マルタ)生産者って何ですか?はい…そして圧倒的にこれが数が多いんです。
ああそうそう。
これ思い出しました。
はいそうでしたよね。
そしてこのピラミッドでは生産者の上に来るのが一次消費者。
生産者がつくった有機物を養分として利用している生物です。
簡単に言うと……って事ですかね?はいそうですね。
そしてその一次消費者である動物をエサにするのが二次消費者。
更に二次消費者である生物をエサにする三次消費者と順番に個体数が少なくなっていくんです。
そして…ん?バランスって…。
どんなバランスですか?ではこちらを見て下さい。
これはある生態系での一次消費者であるウサギと二次消費者であるヤマネコの個体数の変化を表したグラフです。
青のウサギが増えると少し遅れて赤のヤマネコも増えウサギが減ると少し遅れてヤマネコも減っているのが分かりますよね。
(丸)おぉ〜。
確かにウサギの数の増えたり減ったりに合わせてヤマネコの数も増えたり減ったりしてますねぇ。
はいそうですよね。
そして例えば生産者の植物が増えるというような事が起こってその植物を食べる一次消費者のウサギが増えするとウサギを食べる二次消費者のヤマネコも増える。
逆に生産者が減れば一次消費者が減り二次消費者も減るという事になります。
実際にはもっと複雑に生物同士が関係してるんですが結果としてその生態系全体のバランスは保たれるんです。
なるほど。
生態系のバランスが保たれるって事は分かりました。
でももっと複雑に生物同士が関係しているっていうのはどういう事ですか?ではこちらを見て下さい。
これは以前学習した食う・食われるの関係を描いた食物網の図です。
一つの生態系にはさまざまな生物がいてそれぞれの間には食う・食われるの関係が複雑に絡み合って全体のバランスが保たれているんでしたよね。
はいそうでした。
でも食物網の上位にある生物がいなくなると生態系に大きな影響を与えてしまう事があるんです。
ここはある海岸の磯場。
ここには…という磯の動物と……が生息している。
この磯場の生態系を図に表すとこうなる。
ヒトデはこれら全ての生物をエサにしているが特にイガイとフジツボをよく食べヒザラガイカサガイは海藻をエサにしてこの生態系のバランスは保たれている。
そこで試しにこの磯場からヒトデを取り除いてみると…。
食べられなくなったフジツボは一気に増殖して岩礁にはびこる。
海藻は生える場所がなくなる。
エサである海藻がなくなったためヒザラガイカサガイがいなくなり住む場所がなくなったイボニシカメノテもいなくなる。
その後イガイがフジツボを追い立てイガイだけが異常繁殖してそのほかの生物たちは磯場からいなくなってしまう。
この場合のヒトデのようにある生態系においてバランスをとるために欠かせない生物をキーストーン種と呼んでいます。
キーストーン種がいれば生態系のバランスは保たれるという事なんですね。
ああなるほど。
はあ?丸君が欠かせないかどうかは別として…。
(丸)ちょっと!その絶妙なバランスを崩しかねない要因もたくさんあるんです。
えっ環境の急激な変化って何だろうか。
ん?えっ?う〜ん…ミドリ君教えて!
(マルタ)「はいは〜い。
それは」…
(丸)え〜!?こんなにたくさんあるの?そうですね。
例えば森林において雷で木が倒れたりサンゴ礁において台風でサンゴが折れたり。
そして河川において土砂が流入して川の環境が変わったり。
このような生態系のバランスを崩す作用の事を…ふ〜ん。
かく乱を起こすのは……ときてあと何だっけ?ん?おやじに限らず実は私たちヒトがそのかく乱に関わる事があるんです。
例えば森林を伐採して土地を開発したり農地を整備する事によって大量の赤土が川に流入する。
流れ込んだ赤土は海まで流されサンゴを埋めてしまいやがてサンゴは死滅。
サンゴ礁で暮らす魚などの生物もいなくなりそれらの自然の恵みを食料としてきた私たちの暮らしも大きな影響を受けるのだ。
え〜!うわ〜。
かく乱って大変な事になる場合があるんだね。
うん。
それによって絶滅してしまう生物もいるって事だよね。
うわ〜もうかく乱起きてほしくない。
おっほん!でも…えっ!?えっ!?本当ですか?…という事なんです。
えっ程度の問題って…。
どういう事ですか?かく乱も小規模なものならば生態系はもとに戻れるし更にもっと豊かになる事もあるんですよ。
おっ?生態系のバランスを崩すかく乱が…。
いい影響を与える事があるんですか?はい。
例えば台風によって起こるサンゴ礁のかく乱もほどほどならばサンゴの枝が折れる事でその空間に光がさし込んだりそして新たな流れができたところではよどみがなくなるためほかのサンゴや生物が生育できる環境が出来て生物の多様性が豊かになり結果生態系も豊かになる事があるんです。
ふ〜ん。
…って事ですね。
うん……って感じだよね。
それ違う!このようにある程度かく乱された状態から生態系がもとの状態に戻ろうとする力を復元力といいます。
おぉ〜!復元力!すばらしい!うん。
そうですね。
実はかく乱によってある生態系にこんな事が起こった例があるんです。
近年…サンゴは通常25度から28度の水温で生育しているが1997年から98年には世界的にサンゴ礁の海で30度以上の高温状態が続き沖縄の海でもたくさんのサンゴが白化現象を起こして死んでしまった。
その結果サンゴの粘液をエサにしている生物やサンゴ礁を住みかとしていた生物もほとんどいなくなりサンゴ礁はその姿を変えてしまったのだ。
あ〜大変だ。
美しいサンゴ礁が消えちゃうよ〜。
はい。
1997年から98年に世界各地で海水の温度が上がりサンゴの白化現象が起きてしまいました。
この赤い丸は深刻な白化が起きた地域です。
(丸)うわっ沖縄にもしっかり赤丸がついてるじゃないですか。
そうなんです。
そして私たちの生活から出る二酸化炭素は地球を温暖化させ海水の温度を上昇させサンゴを白化させるだけではなくて海水に溶け込んで海水を酸性にしてしまいます。
(丸マルタ)え〜!その結果サンゴは骨格がつくれなくなるなど大きな影響を受けると予想されています。
う〜ん…。
大きな影響を受けるってどういう事ですか?サンゴが骨格がつくれないとほかの生き物たちは住む場所がなくなりサンゴ礁の生態系は崩壊してしまうかもしれないんです。
え〜!え〜!沖縄のサンゴ礁はもうもとに戻らないんですか?いいえそんな事はありません。
一度は死滅しかけたサンゴ礁なんですがなんと生態系の復元力が頑張ってくれたんです。
え〜生き返ったの?わっやった〜!はい。
沖縄のサンゴ礁はその後沖縄の西およそ40kmにある慶良間諸島で生まれたサンゴの幼生が流れ着いて徐々に回復傾向にあるそうです。
(マルタ)自然の力復元力ってすご〜い!
(丸)いや〜よかった〜。
先生こんにちは。
(井口)こんにちは八田さん。
どうぞ。
はいありがとうございます。
今日はかく乱や復元力といった生態系のバランスについて学びました。
どうでしたか?崩れかけた生態系のバランスをそこにいる生物がもとに戻す事ができるってすごい事ですよね。
はいそうですね。
実は私たちの…えっ身近なところに?その様子を簡単な実験で見てみましょう。
はい。
2つの水槽には海水が入っています。
右側の水槽に潮干狩りなどでよく取れるアサリを入れて呼吸ができるように空気を送り込みます。
両方の水槽に米のとぎ汁を入れると海水は濁ってしまいます。
ではこの濁り具合の変化を時間を速めて見てみましょう。
3時間が経過しました。
右側のアサリが入っている水槽は濁りが少なくなってきました。
そして…アサリが入っている水槽はもとのほぼ透明な海水に戻りました。
すごいですね。
アサリが濁った海水をきれいにしたって事ですか?はい。
そうなんです。
…といえるかもしれませんね。
生態系って本当によく出来てるんですね。
はいそうですね。
アサリの存在ってすごいんだね〜。
僕もアサリみたいに生態系のバランスを保てるようなそんな存在になりたい。
おっなれるといいねぇ。
うん。
では亜矢子さん今日の「実になる一言」お願いします。
今日の「実になる一言」はこちら。
(丸マルタ)「生物のいとなみが自然をつくる」。
私たち生物は周りの自然に生かされているんですが実は私たち生物の日常のいとなみがまた自然をつくっているともいえるんです。
私たちも自然の一員として生態系を守っていきたいですね。
(風の音)うわ〜台風で丸君の頭がかく乱されちゃったよ〜。
わ〜!あ〜あ〜。
復元力!復元力!2015/02/10(火) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 生物基礎「生態系のバランス」[字]
生物を学ぶ事は自分自身を知る事です。ヒトとはどんな生物なのか?体のしくみや健康に暮らすための知識等々、本格的に「生物」を学ぶ前に「生物基礎」でその準備をします。
詳細情報
番組内容
さまざまな要因により生態系は「常に一定」ではないが、ある範囲内でバランスのとれた状態を維持しています。このバランスが保たれるしくみについて、バランスを崩す「かく乱」、崩れかけたバランスを元に戻す「復元力」、そして、生物自身が環境を浄化する作用に着目して学んでいきましょう。【出演】八田亜矢子、東京アヴァンギャルド 【講師】井口藍
出演者
【解説】埼玉県立川口北高等学校教諭…井口藍,【キャスター】八田亜矢子,【リポーター】東京アヴァンギャルド,【語り】増谷康紀
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
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バラエティ – その他
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