(テーマ音楽)
(江守徹)入り江の奥にたたずむデンマークの港町ロスキレ。
バイキングの拠点として10世紀に築かれた町。
入り江を行く復元されたバイキング船。
喫水が浅く波に強いこの船でバイキングはヨーロッパ各地に遠征しました。
バイキングの時代が終わりデンマークはキリスト教国家に変身します。
町はデンマークの王都となり大聖堂は町のシンボルとなりました。
大聖堂の横に4つの建物が突き出しています。
大聖堂自体は12世紀に建設が始まりおよそ200年後に完成します。
しかしその後の王たちはそれぞれの時代の様式で礼拝堂を増設したのです。
礼拝堂には歴代の王たちのひつぎが置かれています。
ロスキレ大聖堂はデンマーク王家の霊廟となっているのです。
ここには15世紀から現在に至る37人の王と王妃の遺体が安置されています。
死せる王たちに囲まれた大聖堂。
その中心にあたるのがこの祭壇です。
金色に輝く祭壇のついたて。
実はこの裏に大聖堂に納められた一番最初のひつぎが横たわっているのです。
王位についたことがないにもかかわらずデンマークの女王として語り継がれるマルグレーテ1世です。
14世紀末南から勢力を広げてきたハンザ同盟に対抗するため彼女はノルウェースウェーデンと連合してその支配権を握りました。
卓越した政治手腕で3国に君臨したマルグレーテ。
しかし彼女はペストによって59歳で亡くなります。
この時のデンマーク国王は15歳で即位したエリク王でした。
マルグレーテのいとこの子です。
マルグレーテの死により3国を統治することになったエリク王。
実績のない彼には権威が必要でした。
王はソーレという町の教会に葬られていたマルグレーテの遺体に注目します。
マルグレーテの願いは父親や若くして亡くなった息子の墓があったこのソーレの教会で眠ることでした。
しかしエリク王の命令でマルグレーテの遺体は略奪されるようにして持ち出されました。
王の座を狙っている者がほかにも多くいたのです。
エリク王はマルグレーテをロスキレに置くことによりデンマークノルウェースウェーデン3国の王の継承者であるということを世界に示したかったのでしょう。
マルグレーテの遺体はロスキレ大聖堂に運び込まれ盛大な葬儀が国の威信を懸けて執り行われました。
家族と共に静かに葬られたいというマルグレーテの願いはかなえられませんでした。
しかし皮肉なことに大聖堂は600年にわたって続く王家の霊廟という輝かしい歴史を歩み始めたのです。
2015/02/10(火) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ロスキレ大聖堂〜デンマーク〜」[字]
王室の霊廟(びょう) ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
王室の霊廟(びょう) ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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