(テーマ音楽)知っておきたい健康情報を分かりやすくお伝えします。
「きょうの健康」です。
今週はこちら。
お薬といいますと我々のような中高年になりますと次第次第にのむ種類も増えてくるし量も増えてきてね。
安全に使いたいですよね。
そうですね。
そこで今週は4日間こちらご覧のようなテーマで薬を安全に賢く使う方法についてお伝えしていきます。
今日1日目のテーマはこちらです。
薬を使用する時知っておきたい基本情報意外な注意点などお伝えしていきます。
今日も専門家をお迎えしております。
分かりやすく教えて頂きましょう。
ご紹介致します。
薬の効き方など薬についての研究をされています。
どうぞよろしくお願い致します。
「薬をよく知ろう」というテーマでございますが自分が使ってる薬についてどの程度正しく理解しているかという事ですがこれは何か調べた事がございますか?ごく最近ある製薬会社が生活習慣病のためにお薬をのんでいる患者さんたちを対象にして行ったデータがあります。
それによりますと患者さんは自分ののんでいるお薬について内容やのみ方をよく理解できていると考えてる人が40%ぐらい。
このピンクのとこですよね?そのとおりです。
一方そのお薬を処方したりそれから説明したりする医療職の医師とか薬剤師さんから見ると患者さんの理解度はそれほど高くない。
ここに大きなずれがあるという調査の結果でした。
これはちょっと見直さなきゃいけませんね。
恐らく患者さんたちは自分の理解してる範囲でよく分かっていると思っているんですが案外落とし穴があるのではないかというふうに考えられます。
この番組でしっかり勉強していきましょう。
…という事で今日はこちらの3点ですね。
この基本的な3項目について詳しく伺っていきます。
順番にいきましょう。
のむタイミング。
私どもはお薬をいつのみなさいという指示をされる訳ですがこれはどう考えればいいかという事ですが…いろいろあるんですよね。
伺いましょう。
まず食前とは…?食前というのはお薬をのむタイミングとして例えばここではお昼ごはんを12時から1時ぐらいの間にとるという場合には食前というのはこのちょうど30分ぐらい前が食前といわれる服用のタイミングです。
こういう時間はおなかすいてる時ですね?そうですね。
具体的にはおなかの中が何もない薬が一番吸収されやすい状態である訳です。
こういうお薬は食後にのむと吸収が悪かったりするために食前に…おなかの中に食事が入る前までに吸収を終わらせたいというような意図がある訳です。
この時間帯に十分にお薬が吸収されて次第に食事に入っていくという事なんですよね?はい。
この食直前というのはこの食前とは違うのですね?食直前というのは食事12時からと致しますとその5から10分ぐらい前が服用のタイミングです。
こういったお薬は糖尿病のお薬などに多いんですが薬の効き目吸収されて効き目のピークを食事の中から吸収される糖のピークにちょうどぴったり合わせるような意図があるために食直前というようになっている訳です。
ではよくあるタイミング食後というのはどうでしょうか?食後というのは終わってから30分以内。
このぐらいの時間関係を示してる事が多いです。
こういうお薬は基本的には吸収が食事があってもなくても影響を受けないそういうお薬なんですがのむ時間タイミングを逸してしまわないように食事が終わったらお薬というふうなのみ方をしてもらうと忘れなくていい。
空腹時に避けたいものも含まれていますね?こういったお薬は例えば痛み止めのお薬とか空腹の時にのむと胃が荒れてしまうようなお薬も食後の服用指示が出ます。
そうしますとこういった指示は食前食直前食後指示というのは理由があっての事なんだという事ですね。
先ほどお薬の袋がありましたがあそこに食前だとか食直前だとか食後という指示がありますがこれはそれなりの理由がちゃんとある事なのできちんと守って頂きたいと思います。
薬をいつのみなさいという指示まだありましたが食間とありました。
これ私は経験ないんですがこういうお薬は…。
食事の間食べてる最中にのみなさいという事ですか?…というような間違った理解をしている人は決して少なくないといわれてますがこれは正しくは食事と食事の間食事の間という意味で食間。
例えばお昼ごはんと夕ごはんの間であれば午後3時ぐらいのような時間を指している訳です。
こうした食事のタイミングとは関係なく例えば症状がある時痛い時とかそういう時のみなさいという薬もありますよね?痛み止めですとかおなかのお薬下痢止めのお薬ですとか咳止めのお薬ですとか症状がある時にのむ。
そういうお薬はいわゆる頓用というふうにこういうところに書いてある訳ですがこれは痛みが症状がある時にのむというお薬です。
ただ間違えてはいけないのは症状は必ずしも1回のんだだけではなくなりませんので症状が残るからといって2回3回というふうに続けてのんでしまうと薬の副作用が出てしまうんです。
そのために必ず次の投与までに4時間から6時間あけるようにというような指示がちゃんと書いてありますので…。
間をあけなさいという事ですね。
そうでないと一日服用量が非常に多くなってしまって副作用ばかり出てしまうという事になる訳です。
効きが悪いからといってどんどんのんでしまうという事は避けなきゃいけない。
お薬が効き目を出すまでには時間がかかります。
次にのみ方ですがこちらですね。
これは水でのみなさいとよく言われますがそれが一番いいんですか?そうですね。
世の中にはお薬をのむ可能性のある飲料としてはお水のほかにもお茶ですとかコーヒージュース数限りなくあると思いますが通常お薬の吸収というのはお水でちゃんと確かめられています。
ほかの全ての飲料に対してデータがある訳ではないのでお水で服用するのが一番無難な方法です。
ぬるま湯でも…?微妙な違いですがお薬化学物質ですので温度が高い方がやや溶けやすいという性質があります。
ですので水水道の水20度ぐらいからぬるま湯人肌37度ぐらいの間であれば一番いいという事になります。
水やぬるま湯の分量は…?ここの絵にもありますが通常コップ1杯ぐらい150から200mLぐらいといわれています。
…というのはお薬も少し形が大きいとかいうような理由のためにのみにくいお薬もあります。
特に高齢者の方では食道でものを胃の方に送る蠕動という運動が若い人より機能が悪いので途中で薬が引っ掛かってしまったりしてそこで粘膜を障害したりする事もあるので1杯のお水でゴクンゴクンと2口ぐらいでしっかりと十分の量でお薬を胃にしっかりと流し込むという事が必要です。
それと姿勢も重要なんです。
横になったままですとやはり十分な量お水のめませんので体を起こしてのむ習慣をつけて頂くといいと思います。
水ぬるま湯と今教えて頂きましたが私食後のお茶でもお薬のんじゃうんですがこれはどうですかね?お茶…。
これはごく一般的な事でむしろこちらでのんでる方の方が多いかもしれません。
吸収への影響という事で言いますと多くのお薬はお水でもお茶でもあまり影響はありません。
…がちょっと注意したいのはよくお茶ですとか食後にコーヒーなどをリラックスするという事でおのみになる場合があると思うんですが特に夜夕食後睡眠薬などを使っている方ですとこういうお茶ですとかコーヒーの中に精神を興奮させるカフェインなどが入っておりますのでお薬の作用を相殺してしまうような事もありますので注意が必要です。
これだけじゃなくて栄養ドリンクですとかそういったものも成分をよく見て睡眠薬などをのむ時にはカフェインの含んでるようなものはお使いにならない方がよろしいと思います。
それから牛乳と一緒にのむというのはどうですか?牛乳というのはカルシウムが含まれているという事から骨を強くするという事で高齢者の方で骨を強くするためにビスホスホネートというようなお薬をのまれてる方も多いと思うんですがその際にカルシウムを補給しようという意味で一緒にのまれる方もいるかもしれませんがこれはよくないんです。
その理由は…?これは牛乳の中に含まれてるカルシウム乳製品でも同じなんですがそれがビスホスホネートと結合してしまって消化管からの吸収が悪くなってしまうという事も分かってるからなんです。
カルシウムと一緒には具合が悪いというビスホスホネートですね。
…という事はほかにもカルシウムの多い食品は同じ事ですね?乳製品ですとかそれから骨を強くしようという事でサプリメントとしてカルシウムを含むような健康食品を服用するのも注意が必要です。
ただ一緒にのんでいけないという訳で時間をあければ吸収には影響がありませんので時間をあけて服用して頂くといいと思います。
一緒にのまない。
時間をあけなさいという…。
胃の中に一緒にあると駄目という事です。
それでは次にまいりましょう。
3つ目です。
副作用ですね。
これは怖い訳ですがどのように考える…?どんな注意が必要でしょうか?どんなものがありますか?お薬の副作用といいますと大きく分けて軽いものから重いものまでいろいろあります。
軽いものは実は頻度は結構高いんですが胃がむかむかしたりお通じの場合は調子が乱れてしまったり口が渇いたりしてしまったりこういうものです。
一方頻度は低いんですが非常に重大な肝臓が悪くなってしまったり腎臓が悪くなってしまったり間質性肺炎といって息が苦しくなってしまったり重いショック状態というような命に関わるようなものまで非常にバラエティーに富んでいます。
こちら比較的頻度が高い。
こちらは頻度は低いんですが重大であるので注意が必要だという事になります。
特に副作用を起こしやすい人注意が必要な人というのは…?これは副作用がなぜ起こるかという理由とも関係してきます。
お薬の副作用が起こるのはこちらの高齢者の方とか起こしやすいです。
それから肝臓や腎臓に病気のある人はやはり副作用を起こしやすいという事が知られてますがこれは体の中に入った薬が分解されたり尿の中に出ていったりする作用が…能力が高齢者の方やこういった方では弱くなっているので普通の人と同じ量を使うと体の中にたまってしまうという事に理由があります。
そして…。
こちらの方は肝臓腎臓は全く悪くないが体質としてある化学構造を持っているお薬に対していわゆる過敏症アレルギー反応を起こしてしまう人なんです。
ですからこういう人は今までのんだお薬でどんな症状があったか副作用があったかなかったかという事を事前にお薬を処方される時にお医者さんや薬剤師さんに伝えて頂くといいんです。
こちらはなかなか患者さんを診ただけでは起こるか起こらないかというのは予測できないんです。
もう一つ伺いますが市販薬でも副作用には注意が必要ですか?そうですね。
市販薬というのは安全なお薬というイメージがあります。
処方箋がなくても病院に行かなくても自分で薬局に行って求める事ができるお薬です。
しかしこれも厚生労働省が5年間ぐらいのデータを調べたものによりますと1,440人ぐらいの副作用の事例があって中にも24名ぐらいの方では非常に重い症状も出たというデータがあります。
1,220件…?1,220件。
失礼しました。
1,220件の報告があるという事ですね。
はい。
亡くなった方も…?…というふうにデータが示しております。
ですので市販薬といっても非常に頻度は低いんですが重大なものも起こりうるという認識を持って頂きたいと思います。
特にどんな市販薬で副作用が起きたのでしょうか?調査結果によりますといわゆるかぜ薬総合感冒薬とか痛み止めのお薬それから漢方薬禁煙補助剤などが多かったようです。
市販薬だからといって安易に使ってはいけませんよね。
重い副作用を避けて薬を安全に使うための注意点をちょっとまとめて頂けますか?重い副作用も最初は軽い「どうしたのかな?」と思ったような症状で始まる事が多いものです。
ですのでお薬を服用している最中にちょっとした発疹ですとか体調が悪いとかいうような軽い症状が出た場合にもお医者さんや薬剤師さんに相談してそれが重大な副作用の最初の症状ではないだろうかという事をちゃんと診て頂く。
…で必要であれば病院を受診するというような対応が必要だと思います。
お薬で体に異変が出ないかどうか注意しておかなきゃいけませんね。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/02/09(月) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 薬 安全賢明利用術「薬をよく知ろう」[解][字]
薬について、よく理解しているつもりでも、その思い込みが薬を正しく使う妨げになることもある。薬を使う時に、知っておきたい基礎知識や意外な注意点について紹介する。
詳細情報
番組内容
薬について、よく理解しているつもりでも、その思い込みが薬を正しく使う妨げになることもある。正しい効き目を得るには、薬を正しく理解することが大切。番組では、“「食前」「食直前」「食後」は具体的にどのぐらいの時間を指しているのか?”また“お茶やコーヒーで薬をのんだ場合、薬の効果に影響はあるのか?”など、知っておきたい基礎知識や意外な注意点について紹介する。
出演者
【講師】明治薬科大学教授…越前宏俊,【キャスター】濱中博久,久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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