(山手英介)ここかぁ…。
(東)なるほど〜。
確かに以前のル・プティシュと何となく雰囲気が似てますねぇ〜。
いや〜こんなでかい店のシェフになるなんて。
カシャ!
(麻生時男)山手英介君だ。
これからフランスに旅立つまでの2週間このガステレアで勉強をしてもらうことになった。
あっどうも。
え〜っと…あのよろしくお願いします。
あぁ〜店がでけぇと洗い物の量も違ぇな。
(東)不思議な感じですね。
坊ちゃんとこんな形でこのちゅう房で働くことになるなんて。
ふふふふっ。
そうっすね。
(柏木)おい急げ。
それが終わったら料理だ。
えっいいのか?俺が料理して。
勘違いすんなよ。
見習いが作っていいのは賄いだけだ。
後口の利き方には気を付けろ。
あぁ…すいません。
(杏)おいしい。
そりゃどうも。
あぁ…ありがとうございます。
どこか華子さんの賄いを思い出す味ですね。
ふふっ。
僕は彼の味にほれている。
ただ彼の腕はまだ洗練されているとは到底言い難い。
彼の料理がどれだけ美しく進化していくのかを僕はもうそれが楽しみでならないんだよ。
(回想住吉)英介がフランスで頑張るならさ俺らも日本で頑張るよ。
で2年後にまた集まってまた一緒にレストランやる。
(藤沢)また楽しもうぜ英介。
俺が頑張らねぇと。
よし…。
悪いな手伝ってもらっちゃって。
(まりあ)ううん。
ねえ賢太君と剛君はどうしてるの?あぁ剛は…麻生コーポレーションのメルポメネとかいったかな?そこのちゅう房で働きはじめたよ。
(まりあ)えっ?メルポメネって銀座にある有名なマシュロン三ツ星のお店じゃない。
(荏田)住吉君。
(住吉)はい。
(荏田)野菜切っといてくれるかな。
(住吉)はいわかりました。
で賢太は食育スクールのスタッフやりながらソムリエの勉強してるらしい。
(まりあ)そう。
まあ連絡もねぇからあいつらも必死に働いてんだろうな。
そっか。
私ねこのチャンスに頑張りたいっていう英介の気持ちは理解できるのよ。
いくら英介の料理がおいしくても前のレストランじゃ限られた人にしか食べてもらえなかったでしょ。
でもあの人にプロデュースしてもらえば絶対に注目されるしそうやって夢がかなうならやっぱり応援しなくちゃって。
あぁ〜。
やっぱりフランスは遠すぎるよ〜。
ごめんな。
つうか腹減ったな。
何か食うか?嫌よ。
フランス料理でメジャーになるような人に私もう二度と料理なんか作らないから。
んなこと言うなって。
まりあの料理はうまいとかうまくないとかそういう問題じゃなくてあ…愛が籠もってるし。
はっ何よその苦しい言い訳。
ごめん。
でも2年だけ待ってくれ。
背中押してくれたみんなのためにも俺ぜってぇ頑張るから。
わかってる。
(太朗)夢を見た。
えっ?老人ホームに入ってる夢だ。
絵を描こうとしたらヘルパーさんが私から筆を取り上げた。
おじいちゃんもう寝んねの時間ですよって。
おじいちゃんってまだ孫もいねぇだろ。
きっと未来を暗示した夢なんだ。
現に私は傷ついた心を癒やそうとスケッチ旅行に出たが何も描けなかった。
一緒に行くか?フランス。
パリ?10日後に出発することになりました。
(祐希)そう。
はぁ〜あ信じらんない。
何年か前は俺の熱いハングリー精神を世間をぶっぱなしてやりたいんすよなんて話してた男がお料理修業でおフランスに行っちゃうとはね。
嫌みっぽい言い方やめてくださいよ。
(祐希)だって寂しいんだもん。
まあしかたないか。
長年ロックで夢見る子たちを見てきたけど何年も芽が出ないであんなふうになっちゃってる子もけっこういるんじゃないの?
(平塚)まあいがちっすね。
(祐希)だから新しい道を見つけられた英介は運がいいと思う。
どれだけ挫折しようと傷つこうと人はまた新しい道を見つけることができんのね。
はい。
いろいろありがとうございました。
何よ英介のくせに大人なこと言っちゃって。
あぁ〜あ私もおフランスで息子とふふっ新しいパパと新しい人生でも始めちゃおうかしら。
ふふふっ。
撮んな撮んな。
・はくしゅん!あぁ。
(祐希)はっ?ん?ちょっと今の声何か聞いたことあるんだけど。
剛?剛じゃねぇか何してんだよ。
うっ…。
(平塚)うわっ酒臭っ。
・
(住吉)大丈夫か〜?剛。
しっかりしろよ。
風邪ひく…。
あぁ〜。
お前待てよ。
お前ら何やってんだよこんな時間にこんな所で。
(住吉)いやいや何でもねぇよ大丈夫だって。
大丈夫じゃねぇだろ。
いや大丈夫だよ。
だからお前は何も心配すんな。
危ない!どう見ても大丈夫じゃねぇじゃねぇか。
ごめん英介。
俺たちだめだった。
(住吉)頑張ったんだけどすげぇ必死にやってみたけど俺たち2年後にお前と一緒に店やるって夢もうかなえられなくなっちまった。
はっ?どういうことだそれ。
(住吉)剛は働きはじめてから毎日年下の先輩コックたちになじられつづけて…。
(先輩コック)もたもたやってんじゃねぇぞこら。
ガッ!
(住吉)それでも一緒にレストランやるって夢のために我慢して頑張ってたんだけど…。
すいません。
(住吉)そのストレスのせいでどんどん酒の量が増えてある日とうとう深夜に店にある高級ワインを一気に飲みつくして…。
店辞めさせられたあげく酒浸りになっちまった。
(祐希)で?賢太は?
(住吉)俺は食育スクールにすげぇ親切な人がいてソムリエの資格も持ってるっつうからいろいろ質問なんかもしたりしながら働いてたんだけど…。
(荏田)いやぁ真面目に働いてくれて助かるよ。
どう?今夜こそ行かない?いいワインの店があるんだぁ〜。
(住吉)あぁありがたいけど今日も帰ります。
金もないしこれがこれなもんで。
奥さんやお子さんがいることはわかってるよ。
(住吉)おぉ!ちょちょ…やめてくださいよ。
やめないよ〜。
おぉ〜。
(荏田)高卒で新入社員の君が上下関係の厳しいこの世界でこれからも頑張っていくためには僕みたいな人間のサポートがきっと必要になってくる。
悪いようにはしないから。
ガッ!
(平塚)きっつ!それいじめよりきついじゃん。
正直迷ったよ。
桃子と子供のためにもどうにか耐えようって。
でも無理だった。
で俺も辞めることになった。
(祐希)私もあなたたちが社員になるなんてうすうす大丈夫かしら?と思ってたのよね。
(住吉)でもまあ心配すんな。
俺らは俺らでどうにかするから。
お前はフランス行ってちゃんと一流のシェフになって軽井沢に店出せ。
それじゃ話が違うだろ。
俺はお前らと2年後にまた一緒にやれると思ったからあの話受けたんだぞ。
じゃ何か?お前は俺が新婚だっつうのにあの男の餌食になれば良かったっていうのか。
そうじゃねぇけど。
(藤沢)あっ生1つ。
もう飲むなよ!飲んでる場合じゃねぇだろ。
はぁ…どうすりゃいいんだよ。
くそ。
危ない危ない…。
(住吉)危ねぇよ。
ちょっと1回水。
(住吉)出るか?あっまだ水出んな。
剛顔洗え。
あぁガスもだ。
ほら…1回座れって。
ちょいちょい何か書いてある。
(住吉)ん?
(睦子)「フォーエバーハラペコキッチン」。
(睦子)「Byムツコ」。
おい睦子さんじゃん。
いつの間にこんなの書いたんだろ。
ほんといろんなことがあったよなぁ〜ここで。
ぼろいと思ってたけどいい店だったよ。
だだっ広いし気取ってねぇし何より俺たちに似合ってた。
おぉ〜〜!あぁ?剛大丈夫か?
(住吉)まずいな酒が切れてナーバスになってんな。
めんどくさ!・
(史雄)あの〜!はい。
(史雄)すいません。
(史雄)もしかしてこちらでレストランやられてた方ですか?あぁそうですけど。
そうですか。
僕ここの大家の金沢です。
えっ?大家って。
えっ?あの味音痴じゃないの?多分それ僕の妻です。
妻?でも不動産屋は離婚したって…。
離婚する予定です。
ここの物件の件ではいろいろとご迷惑をおかけしました。
(藤沢)そうだよ迷惑だったんだよこの野郎。
(住吉)まあまあ落ち着けよ剛。
落ち着け座れ。
ちょっと座れ。
味音痴か。
かわいそうに。
彼女前はあんなんじゃなかったんですよ。
仕事もばりばりこなすし。
はいお待ち。
(史雄)どうもありがとう…。
(史雄)いつか世界的なジュエリーデザイナーになるって夢語りながらもりもりもりもりおいしそうに何でも食べてたのに。
(平塚)あの人ジュエリーデザイナーだったんだ。
(史雄)ええ。
3年前念願かなってロンドンに進出したんですよ。
ずっと順調にいってたんですが昨年末人気の作品が盗作疑惑かけられましてね。
とんだ誤解だったんですけど。
周りの人間も現地の社員も一気に離れていきました。
そのころからですよ。
彼女の味覚がひどくなったのは。
(史雄)あんまりかけ過ぎるなよ。
体に良くないぞ。
(亜矢子)何を食べてもおいしくないの。
味がしないのよ。
(史雄)僕はもう少し頑張ってみようって言ったんですが…。
だけど彼女…会社は解散する僕とも別れて何もかも全て終わらせるって言って日本に帰っちゃったんですよ。
(住吉)そうだったんですか。
(史雄)すいません。
初めて会った人にこんな話。
離婚しないでくれねぇか。
いやあの…離婚しなきゃいいのかどうなのかわかんねぇけどここをまた借りられるように奥さん説得できねぇかな?
(平塚)いやそれはむちゃだろ。
いやだってお前フランスに行くんだろ?うるせぇ!俺だってお前らと一緒に店やるっつう目標なくなってどうしたらいいのかわかんねぇんだよくそ。
英介。
あぁ?行かないでくれ。
行かないでくれ。
うおっ抱きつくなよ。
抱きつくなよ気持ち悪ぃな。
あっ!こんなとこにも睦子さんのメッセージが。
(睦子)「ケンタさんへ奥様といつまでもお幸せに。
離婚は寿命が縮むのでお勧めしません。
Byムツコ」。
(史雄)あの〜前にこの倉庫を貸してたル・プティシュってレストランがあったんですが。
えっ母さんの店…。
えっ?あのシェフの息子さんだったんですか?はい。
(史雄)そうか。
妻とよく行った店だったんで。
亜矢子はあなたのお母さんが作るテリーヌが大好きだった。
いつもまるで宝石みたいだってとても喜んでました。
あなたがあのシェフの息子さんならフレンチのシェフならあの美しいテリーヌをもう度作ってもらえませんか?えっ?
(史雄)僕だって全然離婚なんかしたくないんですよ。
お願いします。
亜矢子ともう一度あの料理を一緒に食べたい。
そしたら僕らあのころの前向きな気持ちにまた戻れるかもしれない。
(太朗)どう?うまく出来そう?季節的にマスタードクレソンがねぇんだよなぁ。
代わりにわさび入れようと思うけど。
やっぱちょっと味が違うか。
見ようか?いいよ。
(大楠千絵)いよいよ今夜ですね。
でもライブなんて初めて。
何着てけばいいだろ。
あっあのさ…。
手…ぎゅっぎゅってして。
手ぎゅっぎゅっ。
はい?いや違う。
あの何だかんだいってさライブ久々だからちょっと緊張してるといいますか何といいますか。
えぇ〜拓さんでも緊張するんだ。
はい。
大丈夫ですよ。
頑張れ頑張れ!よし。
俺ならいける。
よし俺できる。
俺かっこいい。
俺天才!うん。
よし!じゃあ行ってくる。
また後でね。
うんいってらっしゃい。
・
(子供たち)こんにちは〜!
(義明)今日はみんな畑の野菜いっぱいしっかり見ていくんだぞ。
(子供たち)はぁ〜い!
(佐助)う〜わ俺よりちっちゃい子がいっぱいいる。
スコップね好きな色選んでいいよ。
でもあのレストランなくなっちゃって寂しいね。
・うちも。
お父さんのお給料日のお楽しみだったのに。
あぁ〜あのロールキャベツうまかったなぁ。
(飛優馬)また食べたいな。
食べたい食べたい!・また食べた〜い!・おいしかったよね!・
(太朗)実は今夜…あの店が久しぶりに開くんだ。
店が開く?
(太朗)そう。
あのレストランであの倉庫の大家さんに料理を振る舞うことになったらしくてね。
今英介と賢太君と剛君で気合いを入れて準備をしてるよ。
(ファンたちの話し声)
(コウタ)おう!おぉ!
(ノリオ)あれ?あの店でバイトしてたねえちゃんじゃねぇか。
どうも。
(ノリオ)久しぶりだな。
行きつけの店がなくなるなんてさ大したことないって思ってたけど日がたつにつれてじわじわくるよ。
何つうの?あの味もあの店ももうねぇんだなっつう寂しさがさ。
・なあもう行こうぜ。
もう始まるぜ。
姉ちゃん早く入ろうよ。
(店内のBGM)
(住吉)どうぞ。
(亜矢子)何なの?こんな所に呼び出して。
(史雄)いやおいしいもんでも食べながら話でもしようかなと思って。
何を話すの?今更。
もう全部終わったのよ。
お待たせしました。
プチ野菜のテリーヌです。
なるほどね。
あなた彼らと組んでたの?それでこんなとこで会うことにしたんだ。
何してんの?ここはもう閉めたはずでしょ?
(史雄)いいじゃないか。
テリーヌ懐かしいだろ。
ばかじゃないの?こんなことしたって無駄よ。
私はもうロンドンに戻る気もないしこの場所を彼らに貸す気もない。
無駄かどうか…とりあえず食ってみてくれ。
あっかけますか?いらない。
(佳奈)失礼します。
(亜矢子)すっごいきれい。
何か宝石みたい。
(史雄)ははははっ…。
食べるのがもったいないね。
うんおいしい。
あのときと少しだけ野菜が違う。
マスタードクレソンの辛みをわさびとサワークリームで代用してるのね。
あの店の味とそっくり。
あんた味わかるんじゃねぇか。
残念だけど味はわかってもおいしいと感じないの。
今の私にはこのテリーヌもおいしくない。
刺激がないと食べた気がしないのよ。
こんなはずじゃなかった。
最初は8人で始めた会社がロンドンで70人の規模の会社になったのよ。
向こうでも評判になってメディアにだって何度も取り上げられた。
それが…それがたった1回のあんなデマでこんなぼろぼろになるなんて。
私どうせこんな程度だったのよ。
デザイナーなんていくらでも代わりはいる。
誰も私なんて求めてない。
ごちそうさま。
もうしゃべることないから。
もうしゃべることないから。
(史雄)おいちょっと待てよ。
頼むから聞いてくれよ。
俺たちはさロックの世界で挫折してそれでこのレストラン開いたんだ。
はぁ?ロック?最初はもうめちゃくちゃでさ。
全然だめで全然客も来ねぇし。
あぁ〜1週間1人も来ないときもあった。
それでも少しずつ来てくれるようになって。
ちょっとずつ認められて。
そういう客に励まされながら俺らもどうにかやってきた。
だからさ…。
そういう客がいてくれるかぎり俺らを待ってくれる客がいるかぎりやっぱり俺はここでレストランやりてぇんだよ。
(住吉)どうかお願いします。
(藤沢)お願いします。
店やらせてください。
お願いします。
大げさよ。
今どきどこで食べたってそれなりにおいしいしこの店がなくなったって誰も困らないの。
気に入った店が潰れればまた別のレストランに行く。
レストランなんてそんなもんよ。
私と同じ誰も待ってやしないの。
ロンドンには戻らない。
ここにはマンションを建ててそれで生計立てるつもり。
・
(話し声)何だ?これ。
(ノリオ)おぉいるじゃねぇか。
待ってたよ。
(奈々)もう入っていいの?おなかすいちゃった。
よっしゃ!あの飯がまた食えるぞ〜!
(客たち)イェ〜イ!お前ら…。
ママ来てみてよかったね。
(飛優馬)早く食べたいよ。
(ノリオ)よしもう待ちきれねぇ。
食うぞ食うぞ。
(史雄)彼らだけじゃないよ。
亜矢子にも待ってる人はいる。
次の新作を楽しみにしてるお客さん。
ロンドンのオフィスには残ってくれてるスタッフ。
もちろん僕もだ。
僕も亜矢子を待ってる。
一緒に帰ろう。
(史雄)でまたみんなが喜ぶ作品をたくさん作ろう。
英介。
千絵ちゃんが一人一人に声をかけてくれたんだ。
近所を走り回ったりいろんな人に電話してくれてな。
(太朗)あっ!インスピレーションが湧いてきた。
今なら描ける今なら描ける!・よいしょよいしょっと。
英介さんこんばんは。
野菜とか足りないかもしれないと思って持ってきましたよ。
さあ早く作ってください。
お前が集めてくれたって?えっ?あぁいえいえ今日お店が開くらしいって話したらみんな勝手に集まっちゃっただけで。
ううっ…。
えっ?英介さん泣いてる?ううっ…泣いてねぇし。
泣いてる。
うそやだ…。
だから泣いてねぇってば!つうか泣いてんのおめぇだろ。
だって英介さんが…。
あぁくそ!ううっ…もう!痛ぇ。
ふふふふっ。
はははっ。
この。
あっ痛いよ。
ははっははははっ。
(住吉)英介始めようぜ。
よし!うまいもん作るか!・きゃ〜!・ふぅ〜!・ふぅ〜!・きゃ〜!・拓〜!・
(佐助)拓さん。
サンキューサンキュー!それじゃあ今夜も始めようか!・きゃ〜〜!うお〜〜!!うわっかっけ〜。
うお〜〜!!いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
どうぞこちらへ。
(店内のBGM)あの…何なんすか?この服。
ドレスコードがあるんで用意さしてもらったよ。
思ったとおりだ。
よく似合っている。
こんなのもらえねぇよ。
それに賢太と剛も…。
辞めたことなら知っているよ。
1カ月はもたないだろうと思ったが予想より早かったな。
2人の分も君にはフランスで頑張ってもらわないとな。
ここは僕が30歳のときに初めてプロデュースした店だ。
すっげぇなぁ〜。
30でこの店かよ。
言葉遣いにも気を付けろ。
店にふさわしい話し方にな。
あっあんた…あっ麻生さんはどうしてこの世界入ったんですか?涙と共にパンを食べた者でなければ人生の味はわからない。
ゲーテの言葉だ。
僕の最初のおいしいという記憶は幼少期の涙と共にある。
どんなに悲惨でどん底な状況でも人はものを食べておいしいと思う権利とおいしいと思える力強さを持っている。
食事とは本当にすばらしい。
そう思わないか?思うよ。
そのとおりだな。
そのすばらしさを伝えることをビジネスにしたかった。
ただ栄養をとるというためだけではなく食べるという行為をより楽しむことを追求したのがフランス料理だと僕は思う。
だからここに行き着いた。
山手君僕はね本気で君と食で日本を変えたいと思ってるんだよ。
申し訳ない!申し訳ないけどその話…断らせてほしい。
はっ?ほんとにすいません。
でも俺は日本であの倉庫であいつらとまた店を続けたいんです。
何を言ってるんだ?君は。
あんたが言うようにもっとうまいもん作りたいと思うよ。
もっとたくさんの人に届けたいし世界や日本をうならせたいってやっぱ思わねぇこともねぇよ。
でも俺はとりあえず今は…そばにいる腹減ってるやつにうまいもん出すことのほうが大事だ。
あんたみたいな立派な30になるより俺は多分それが合ってる。
ふふふっ。
ふふふっ…。
ふふふっ…。
あっ…はははっ…。
(英介・麻生)ははははっ…。
あはははっ…。
ははははっ…。
(英介・麻生)ははははっ…。
(店員たち)ははははっ…。
あはははっ…。
ははははっ…。
ははははっ…。
(店員たち)ははははっ…。
笑うな!!後悔するぞ。
だよなぁ〜。
こんなチャンスは二度とない。
…かもしれねぇ。
いっそ君を潰してやろうか。
食いにきてくれ。
あんたの舌は誰よりも確かだ。
だから時々でいい。
またあの店に来て俺の料理を食ってほしい。
ふざけるなよ。
あんな店潰してやる。
あぁ〜いいねぇ〜。
気持ちいいよ。
あんたにそう言われると俺のハングリー精神がどんどんかきたてられるんだよ。
でもほんと感謝してる。
いろいろ全部あんたのおかげだ。
僕の店から出ていくんだ。
今すぐにだ!!店の名前も返してやるよ。
もう関わりたくない。
君にくれてやる。
ほんとに良かったの?フランス。
あぁ〜いろいろ振り回して悪かったけど。
あの子のおかげなのかなぁ〜。
ん?ううん。
何でもない。
そうよね。
あんな若い子に負けてられないし。
結婚しよっか?私たち。
ごほっ!はぁ?うそよ。
まだまだ。
あの店の経営がきちんとするまでは結婚なんてできないでしょ?ああ頑張んねぇとな。
はぁ〜あ。
いつになるんだろうなぁそれ。
(睦子)こんにちは!ははっ皆さんおそろいで。
睦子さん!
(太朗)睦子さんじゃないですか。
お店が再開すると聞いて恥ずかしながら海老名睦子戻ってまいりました。
また一緒に働かせてください!
(住吉)えっでもお子さんは良かったの?
(睦子)よくよく考えたら娘は高校3年生でして私東京の大学行きたいからやっぱりママも東京で働いてなんて言われてしまいまして。
(平塚)ちょっと待って待って…。
娘さんってそんなおっきかったの?海老名鳩子17歳で。
(藤沢)マジか!
(平塚)おぉかわいい。
(住吉)かわいいねぇ〜。
(藤沢)かわいいかわいい。
(住吉)あぁでも英介店の名前どうすんだよ。
あいつに返してもらったル・プティシュに戻すのか?う〜んでもあれは母さんのあの店に合ってた名前であってやっぱ俺たちの店にはかわいすぎる気がすんだよな。
じゃあもしかしてハラペコキッチンか。
もうそれでいいんじゃね?えっ?私もいいんじゃないかと思います。
おなかのすいた方においしいものを出すお店ってことで。
(住吉)えぇ〜俺ハラペコは絶対やだよ。
俺もやだ。
じゃあ…あぁ!こういうのどうよ。
ほんとにごめんなさい。
ライブ行けなくて。
佐助もお父さんも言ってました。
すごくかっこよかったって。
だと思うよ。
自分でもかっこよかったなって思うもん。
ごめんなさい。
でもやっぱり私…。
やっぱり…胃が。
胃?拓さんといると胸がドキドキするんです。
このまま好きになっちゃいそうで。
でもどうしても時々胸より胃が…。
諦めなきゃって思ってるのにこの胃袋が…。
わかってたよ。
千絵ちゃんが英介のこと諦めきれないってことぐらい。
でも…。
俺も全然諦める気なんかねぇから。
えっ?佐助やお父さんもすっかり俺のファンなってくれたし。
お〜い!えっ?お父さんまでいつの間に。
ねえ拓さんのそのバイタリティーってどこから来るの?う〜んよくわかんねぇけど自分への自信?まあ何の根拠もないけどね。
だから千絵ちゃんももっと自信持とう!自信?英介は恋かどうかはわかんないけど千絵ちゃんのこと特別大事に思ってると思う。
だから…。
お互い片思い頑張ろう。
えっ?はぁ…ありえねぇ!ふ〜ん!ありえねぇ!うちの大切な娘に…ブッ!何てことしやがんだこの野郎〜!ロックなんか大嫌いだ〜!拓さんてほんとロックだな。
私もね拓さんに負けないでもっと積極的に頑張ってみようと思うの。
頑張るってどうすんの?わかんないけどもっとこう色気を出すとか拓さんみたいに隙があればキスするみたいなバイタリティーを持つとか。
そんなこと千絵ができんの?あぁ全然想像できない。
ん?あれ?ねえ。
何?これ。
これって千絵のことじゃない?私のこと?へへへへっ。
まりあ。
(まりあ)あっ絵が変わってる。
(太朗)あぁあの絵のテーマはねハラペコな人々っていうんだよ。
(睦子)そうですか。
前にあったキャベツのようなものの絵のほうが良かったような気がするんですけどね。
(太朗)いやいやそれでいいんだよ睦子さん。
芸術なんてね未熟で未完成だから面白いんだよ。
(平塚)あっ確かに。
いや完成しちゃったバンドっていうのも必ず解散しますもんねっ。
確かにそうかもしれないわね。
あっ英介さんのお料理もここだからおいしいのかも。
ん?かしこまった感じよりみんな楽しそうでこうロックが流れてて。
きっとだから出来る味なんですよ。
それってフランスに修業に行っても作れない味でしょ。
(住吉)そうだな。
ナイフやフォークの作法もいらねぇし。
ライスもあるし。
でしょ。
よし私いいこと言った。
(睦子)まりあさんこちらどうぞ。
(まりあ)はい。
ふっ。
ばかだな。
芸術とは徹底的に完成されてるからこそ美しいのだ。
「HUNGRY」か。
チープな名前だ。
ふっ。
この店に合っている。
おぉ!ととっ…。
・停電だ!はぁ…びっくりした。
(平塚)もうほんと毎月何かしら壊れてんなこの店は。
だな。
ろうそくだろうそく。
早くしろ。
あっ私取ってきます。
(英介・千絵)わぁ!いって!いった〜。
あぁ〜。
どけよろうそく。
えっ?はっ?ん?・「ROCKMEBABY」
(太朗)英介お前!えっ?えっ?あぁ…。
何してるの?いや…何もしてねぇよ。
いいか色気づくには100年早いんだよ。
ふっ。
よし。
俺がこれからお前にもっとイカしたもっとうまいもん作ってやる。
だからそれ食っていつかもっともっといい女になれ。
ほら!立てよし。
よっしゃ作るぞ!全く油断も隙もないじゃない。
よ〜し!いい女になってやる!
(太朗)123!
(ノリオたち)おぉ〜!2015/02/09(月) 15:53〜16:47
関西テレビ1
[終]ハングリー! #11[再][字]
「空腹が人を幸せにする!俺の料理を食ってくれ」
向井理 瀧本美織 国仲涼子 塚本高史 三浦翔平 川畑要 鈴木砂羽 矢田亜希子 大杉漣 稲垣吾郎ほか
詳細情報
番組内容
ロックに目覚めて以来、15年間身を捧げたバンドが30歳目前で解散。亡き母の跡を継いでシェフになることを決意した英介(向井理)だったが、レストランは有名レストランプロデューサーの麻生(稲垣吾郎)に乗っ取られてしまう。
それでも倉庫を改装してレストランをオープンさせた英介は、バンド仲間だった賢太(塚本高史)、拓(三浦翔平)、剛(川畑要)らと、何とか店を軌道に乗せる。しかしその反面、忙しさゆえに恋人のま
番組内容2
りあ(国仲涼子)との仲はぎくしゃくし、一方で、店に野菜を卸している農園の娘・千絵(瀧本美織)から想いを寄せられ、恋の三角関係に頭を悩ませる。
そんな中、麻生との勝負に負けた英介は店の名前を奪われ、倉庫の大家の亜矢子(矢田亜希子)からも店の立ち退きを迫られる。彼の腕を見込んだ麻生から「フランスで修業した後、自分の店を任せたい」と誘いを受けた英介は、賢太や剛からも背中を押されフランス行きを決意する。
番組内容3
2年後にまた一緒に働くという希望を胸に賢太や剛と別れた英介。ところがある日、英介は昼間から公園で泥酔している剛を発見し、2人が麻生から紹介された仕事を辞めたことを知る。一方、英介のことが忘れられずにいた千絵も、ある行動に出る。
はたして、フランス修行を決意した英介(向井理)が、最後に下す人生最大の決断とは!?
さらに、英介、千絵(瀧本美織)、まりあ(国仲涼子)、拓(三浦翔平)の恋の結末は!?
出演者
向井理
瀧本美織
国仲涼子
塚本高史
三浦翔平
川畑要(CHEMISTRY)
/
鈴木砂羽
片桐はいり
片平なぎさ
大杉漣
・
稲垣吾郎
ほか
原作・脚本
【脚本】
大森美香
監督・演出
【プロデュース】
河西秀幸(関西テレビ)
平部隆明
【演出】
本橋圭太
白木啓一郎(関西テレビ)
木内健人
音楽
大橋トリオ
【主題歌】
THE BAWDIES 「ROCK ME BABY」
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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