あなたは自分の…1万5,000人が暮らす静岡県浜松市の三ヶ日町。
おいしいみかんの産地として知られていますが…。
この町もまた高齢化が進み人口が減り続けています。
でもここの高校生たちに話を聞くと…。
みんなふるさとが大好き!その秘密は年に一度のこのイベント。
いかがですか〜?おいしいですいかがですか〜?高校生が自ら企画し運営も行うご当地グルメの大会です。
その名も…いらっしゃいませ〜!いらっしゃいませ〜!ふるさとの未来を考え町を盛り上げようと始まりました。
大会を通してふるさとへの思いがどう変わっていくのか見つめます。
(橋)「宣誓。
私たち高校生一同はふるさとの未来を作る事を誓います」。
今回のF級グルメ甲子園にひときわ力を入れる女の子がいます。
おはようございます。
2年生の…三ヶ日生まれの三ヶ日育ちです。
毎朝町の人に見送られて学校に向かいます。
おはようございます。
行ってらっしゃ〜い。
行ってきます。
おはようございま〜す。
おはようございま〜す。
南奈さんが通うのは…生徒数はおよそ200人です。
この高校が地元を元気にしたいと4年前に始めたのがF級。
ふるさとの食材を使って新メニューを作るイベントです。
全国の高校に参加を呼びかけ地域の味を競います。
でもそのF級も今回で最後。
三ヶ日高校は生徒数が減って今年度で閉校してしまうんです。
F級の準備が始まるのは9月。
クラスごとに新メニューを試作します。
料理が得意な南奈さん。
調理班のリーダーです。
終わったらすって下さい。
考えたメニューは三ヶ日産の豚肉を使った唐揚げ。
更にご当地の隠し味も…。
用意したのは大量のみかんジュース。
これで1晩肉を漬け込みます。
三ヶ日みかんの風味を生かした唐揚げです。
南奈さんがみかんにこだわるのには理由があります。
南奈さんはみかん農家の娘。
休みの日はお父さんを手伝っています。
重い?ううん。
2人だったら全然軽い。
うんそうだな。
でもこんな関係になったのは最近の事です。
農家は休みがなくて地味だと感じてきた南奈さん。
お父さんの仕事をちょっぴり恥ずかしく思ってきました。
前回のF級で作ったのはみかん味のクッキー。
お父さんのみかんを持っていくととてもおいしいと先生も友達も喜んでくれたのです。
今ではお父さんの仕事は南奈さんの自慢。
今回は更にみかんにこだわった料理で臨みます。
F級ではPR活動も高校生が自ら行います。
担当の…放課後にやって来た所は…。
時刻は7時23分「K−mixみんなの19HR!」。
地元のラジオ局。
多くの人に来てほしいとF級をアピールしました。
僕たち高校生が地元の食材を使ってそのおいしさをどう伝えるのかが工夫と努力の点で…。
3年生の依田君には悩みがあります。
それは進路の事です。
ただいま〜。
お母さんと2人暮らしの依田君。
アルバイトをして家計を支えています。
中学校2年の1月に買いました。
夢は東京の専門学校へ通ってミュージシャンになる事。
でも家計の負担を考え上京も進学も諦めました。
結局地元の企業への就職が決まりましたが三ヶ日に残る事にまだ前向きになれずにいました。
この日依田君はF級の会場となる商店街へ向かいました。
駅前のこの通りにはかつて50軒近くお店がありましたが今では1/3に減りました。
はいいらっしゃいませ〜。
こんにちは〜。
はいこんにちは。
三ヶ日高校の依田拓実と…。
清水たかやです。
宣伝用のポスターを貼らせてもらおうと一軒一軒回ります。
商店街でやってくれるっていうんで楽しみにしてます。
こちらは100年続く魚屋です。
あっこんにちは。
こんにちは。
商店街の客が年々減る中5代目のご主人が店を切り盛りしています。
完了完了。
2人が帰ろうとした時…。
いいよ中入んな。
いいっすか?頂きます。
ありがとうございます。
コロッケを出してくれたご主人。
話題は進路の事になりました。
3年生かじゃあ就職じゃん!進学か?就職ですね。
…と進学で。
どうすんの?自分は長坂養蜂場に。
あっいいじゃん!あっそう。
じゃあ三ヶ日残んのか。
そうですね。
俺も外出たりしたんだけどね1回修業でね。
うん。
修業で外出たりしたんだけど向こうは向こうでやっぱいいはいいんだけどやっぱね恋しいのねふるさとが。
うん。
生まれたとこがね一番よくて。
連れもおるら?連れもおるし俺みたいな知ってる衆らもおるじゃん。
ねっ?そうしたらやっぱ温かくなるな帰ってきて。
うん。
こんなねちいちゃい町で静かになっちゃったけどね…地元に残る自分に期待してくれる人がいる。
その事に気付いた依田君でした。
そうか3年になったのか。
はい。
じゃあ卒業はできる?それは…。
2つの台風が静岡県を襲いました。
みかん農家の娘南奈さん。
お父さんの畑に大きな被害が出ました。
これ起こすで。
ちょっと手伝えや。
木が倒れ多くの実が傷つきました。
上がらんなこれ。
傷ついた実は摘果みかんと呼ばれ熟す前に捨てられます。
この秋は台風の影響で例年よりも多くの摘果みかんが出てしまいました。
(チャイム)F級のメニューにもっとみかんを生かせないか考えていた南奈さん。
あるアイデアがひらめきました。
あの摘果みかんです。
色が来てる。
…だいぶ。
切って唐揚げに添えました。
果汁をかけて食べてもらおうというのです。
青いまま採られるため酸味の強い摘果みかん。
それを逆手に取って味付けに生かしました。
ふるさとの味でみんなを笑顔にする事はできるのでしょうか?いよいよ本番。
「選手宣誓。
三ヶ日高等学校生徒会長橋南奈さんお願いします」。
はい。
「宣誓。
私たち高校生一同は地元の食材を生かした商品を心を込めて販売しふるさとの未来を作る事を誓います」。
さあF級グルメ甲子園が始まります。
大人気の12HRサクサクコロッケ1個100円で〜す。
150円で〜す。
いかがですか〜?いかがですか〜?静かだった商店街がこのにぎわい。
今回は全国から20の高校が参加しました。
愛媛からは魚のすり身の天ぷら。
見た目からUFOジャコ天と名付けました。
和歌山からはやきとり。
名産の梅を使って下味をつけました。
各地の特産を生かしたアイデアメニューがそろいました。
三ヶ日高校からは7クラスが出店。
依田君も店頭に立っていました。
三ヶ日揚げぎょうざいかがですか〜?いらっしゃいませ〜!クラスで売るのは…三ヶ日の畜産農家が力を入れている豚肉をたっぷり使っています。
依田君はこの日のために歌を作り店を盛り上げていました。
頑張って。
ありがとうございます。
町の人が次々と声をかけに来てくれました。
あの魚屋さんも。
はいお疲れさんお疲れさ〜ん!すげえじゃん!地元の食材の好調な売れ行きを一緒に喜んでくれました。
(山内)頑張んなよ〜。
ありがとうございます!会場で一番長い列が出来ていたのは南奈さんのクラスの店です。
予想以上の大繁盛に大忙し。
慣れない調理や販売。
テキパキとはいきません。
(取材者)見ててどうですか?刺さらない!南奈さんたちが2か月かけて作り上げたみかん風味の唐揚げ。
お客さんの反応は?みかんの味付けが大好評!2時間で300食を売り切る事ができました。
この日訪れたのは4,000人。
過疎の町に活気と笑顔が戻った一日でした。
F級のあと。
いつもの日々が戻ってきました。
収穫の最盛期を迎えたみかん畑。
南奈さんの姿がありました。
春から3年生。
卒業後は大学に進学して資格を取ろうと決めました。
夢はみかんのスイーツを出すお店を開く事です。
依田君は就職予定の養蜂場でアルバイトを始めていました。
F級での経験をきっかけに町を盛り上げたいと思うようになりました。
ありがとうございます。
ふるさとへの誇りを抱き始めた高校生たち。
彼らのこれからがふるさとの未来を変えていきます。
(2人)おはようございます。
2015/02/08(日) 08:00〜08:25
NHK総合1・神戸
目撃!日本列島「過疎ってるけど 好き」[字]
「過疎が進んで寂れていても、この町が好き!」高校生たちが地元をこう語る地域がある。静岡県浜松市三ヶ日町。彼らを“ふるさと大好き”に変えたきっかけとは…。
詳細情報
番組内容
みかんの生産が盛んな三ヶ日町。過疎が進む町を盛り上げようと、県立三ヶ日高校の生徒たちが4年前から「F級グルメ甲子園」を開催している。Fは「ふるさと=Furusato」と「未来=Future」の頭文字。地元食材を使って新たな料理を作り、味を競い合うイベントだ。全国から20校が参加し、4000人もの人が訪れる。F級グルメ甲子園を通して、高校生たちのふるさとへの思いがどう変わっていくのか見つめる。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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