(テーマ音楽)恐ろしい形相でにらみつける不動明王。
弘法大師空海はこの仏像にどんな思いを込めたのでしょうか。
794年平安京の遷都に際して都を守る寺東寺と西寺が造られました。
西寺は焼失しましたが東寺は残り平安の面影を今に伝えています。
五重塔です。
落雷などで何度も焼けそのつど再建されました。
高さ56m日本一高い木造の塔です。
平安遷都から30年後朝廷は弘法大師空海に東寺を授けます。
それ以来東寺は真言密教の根本道場となりお大師様の寺として親しまれています。
経典を講義し説法をする講堂。
空海はこの講堂に特別な空間を創造しました。
21体の仏像を密教の教えに従って配置し教えを空間の中で表現しようとしたのです。
中央には5体の如来。
最高の悟りを得た仏たちです。
その中心には大日如来。
真言密教の根本仏です。
如来たちの東側には5体の菩薩像。
菩薩は悟りを求めて修行する姿です。
どの菩薩もやさしくほほえみ慈悲の心にあふれています。
穏やかな表情の菩薩や如来と対照的なのが西側に位置する5体の明王です。
明王は人間界と仏の世界のはざまに住み背にした炎で人間界の煩悩を焼き尽くします。
怒りに満ちた明王像は空海が初めて日本にもたらした新しい仏でした。
その中心にはすべての悪魔を降伏させる不動明王。
たたりや疫病を恐れていた平安の人々はその力強い姿を驚きをもって迎え入れました。
空海は遣唐使の一員として中国に渡り密教を学びます。
そして帰国する時に曼荼羅図を描かせます。
東寺に伝わる「胎蔵界曼荼羅」。
密教の宇宙観を表現したものです。
中央には大日如来。
それを囲む菩薩。
京都東寺の仏像群はこの曼荼羅世界を立体化したものでした。
如来のすぐ下には明王たち。
全身に怒りをみなぎらせた明王像の一番右端に不動明王がいます。
奈良時代までほとんど知られていなかった不動明王に空海は東寺の講堂で大きな存在感を与えました。
それは平安時代の人々に衝撃を与え真言密教に引きつける役割を果たしたのです。
最近不動明王のレントゲン調査で新たな事実が判明しました。
頭部に白い影があったのです。
分析の結果これは釈迦の骨仏舎利を入れる金属の容器だと分かりました。
仏舎利は空海が中国から持ち帰った大切なものでした。
不動明王への空海の思いが伝わります。
2015/02/08(日) 04:25〜04:30
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「古都京都の文化財〜日本〜」[字]
東寺・空海の世界 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
東寺・空海の世界 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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