アメリカ発現代のUFO神話。
シリーズで解き明かす現代史のミステリー。
第3回は…政府は本当に空飛ぶ円盤と宇宙人の死体を隠しているのか?事件を徹底調査した…果たして陰謀はあったのか?神話はどのようにして作られたのか?その全貌が明らかになる!それはニューメキシコ州・ロズウェル近くに墜落した空飛ぶ円盤の残骸と宇宙人の遺体を軍が回収。
疑惑を浮かび上がらせたのは関係者のさまざまな証言である。
ロズウェル郊外で…軍は当初「空飛ぶ円盤」と発表したがその直後「気象観測用の気球」と訂正し事件は収束した。
ところが32年後の1979年。
「あれは気球ではない!」と突然暴く証言をし事件に再び火をつけたのだ。
これをきっかけに「実は私も見た」と言う証言者が続出。
中でも初めて「宇宙人」の話をしたのが土木技師バーニー・バーネット。
マーセルが破片を回収した第1現場の西サンアグスティン平原で墜落した円盤と宇宙人の遺体を目撃したというのだ。
そこへ軍のトラックが現れ円盤と宇宙人の遺体を持ち去ったという。
この話が…その一人ロズウェル在住のグレン・デニス。
デニスは陸軍病院に勤めるナオミという看護師からこんな話を聞いた。
1980年代これらの証言はアメリカで大きな話題を呼び「ロズウェル事件」は巨大な陰謀疑惑へとふくらんだのだ。
墜落した空飛ぶ円盤や宇宙人を回収しそれを軍の施設に隠し続けている…。
それが事実ならとても大きな陰謀です。
でもロズウェル事件は起きてから30年以上たって浮かび上がった事件です。
時間と共にぼやけて曖昧になってしまったところや話がふくらんでしまったところがあっても不思議ではありません。
あやふやなものをそぎ落とし確かなものに絞り込みながらロズウェルでそもそも何が起きたのかを見ていきたいと思います。
まずは通称「第1現場」をめぐる証言。
1947年7月。
ロズウェルの北西で軍人のジェシー・マーセルが空から落下したらしい光り輝く残骸を回収。
続いて通称「第2現場」。
土木技師バーニー・バーネットは軍が全てを回収するのを目撃した。
最後は…その一つが大勢現れた証言者の一人グレン・デニスのもの。
「陸軍病院に3体の遺体が運び込まれた」と看護師のナオミから聞いたという話。
こうした証言を順番に検証していく。
まずは事件が再浮上した後に現れた新しい証言グレン・デニスの話から検証していこう。
デニスは事件直後ロズウェルの陸軍病院に勤める看護師ナオミから「3体の宇宙人の遺体を見た」と聞いたというが…。
1995年ある科学雑誌がデニスの話を確かめようと陸軍病院の記録や関係者にあたったところ1947年当時「ナオミ」という看護師は働いていなかったという。
その後になってデニスは「ナオミは偽名だ」と言いだしたり別の名前の人物を挙げたりしたがもはや信憑性は低いと見ざるをえない。
続いては通称「第2現場」で墜落した円盤と宇宙人の遺体を目撃したという証言。
その一つがバーニー・バーネットのもの。
実はこれは彼が直接語ったものではない。
1950年ごろにバーネットから聞いた話を友人が語ったものだ。
バーネットは事件が再浮上する前に既に死亡。
墜落現場での出来事は30年も前のまた聞きなのだ。
しかも1990年バーネットの妻の日記が発見されるとその記述が問題となった。
バーネットが墜落現場に行ったはずの1947年7月3日にはこう書かれていたのだ。
夫が大事件に遭遇したとは思えない平凡な一日。
他の日付にも事件をにおわす記述は一切なくバーネットの目撃を裏付ける証拠は何もないのだ。
他にも事件が再浮上したあとに出た証言は……などどれも確かな信頼性に欠けているのだ。
ならばロズウェル事件において確実に起きた出来事は何か?それは1947年7月「第1現場」で「謎の破片を軍が回収した」という事実だ。
軍は一旦「空飛ぶ円盤」と発表したが直後に「気象観測用の気球」と覆した。
ところが32年後マーセルは気球ではなく未知の物体だと…もしそうではないとしたら一体何が落ちてきたのか?事件発生から50年近くたった…真相解明を求める世論が高まっていく中でついに空軍は公式調査を行った。
そして出されたのが報告書「ロズウェル・リポート」である。
この中で明かされた物体の正体。
それは…。
「ロズウェルに落下した破片はモーガル気球である」。
モーガル気球。
それは冷戦当時アメリカ軍が極秘のうちに開発実験を行った軍事兵器。
高度20kmから50kmの位置に高性能の音響センサーを上げソビエトの核実験の爆発音を感知しようとするもの。
ソビエトの核開発を警戒していたアメリカ軍にとって重要な国防作戦だった。
謎の破片の正体を探り始めてからモーガル気球にたどりつくまで半年かかったという。
実際のモーガル気球。
特徴はたくさん連なった四角い枠組みの構造だ。
これはデータを集めた計測器を回収するため位置を確認する目的で付けられたレーダー反射板。
薄いアルミで作られている。
マーセルが回収した破片ととてもよく似ている。
一方こちらは事件当時墜落した残骸の正体として軍が発表した気象観測用の気球。
マーセルが回収した大量の光り輝く部品はない。
彼が気象観測用の気球を否定したのもうなずける。
当時の軍上層部としては墜落物体の正体最高機密の「モーガル気球」を公表するわけにはいかない。
そこで「気象観測用気球」とごまかした事が後に陰謀疑惑の原因になったと推測できる。
更に実は軍以外にもロズウェル事件を独自に調査した機関があった。
行政が税金を正しく使っているかどうかをチェックする独立機関アメリカ会計検査院である。
会計検査院は議会や議員からの依頼に基づきほとんどの省庁のあらゆる内部資料を入手し不正がないか調べる事ができる強い権限を持っている。
軍が円盤や宇宙人の死体を回収し保存と機密保持の活動をすれば必ず予算が使われる。
そうした会計面から怪しい点がないか洗い出そうとしたのである。
しかし半年近くの調査の末発表された報告書によると当時の命令書や連絡記録などあらゆる内部文書から円盤の残骸回収や宇宙人をにおわす記述は見つからなかったという。
それは軍の極秘計画をきっかけにさまざまな誤解や推測曖昧な証言が積み重なりふくれ上がった「現代の神話」。
そう決着がつくものと思われた。
しかし…。
アメリカでは2001年から宇宙飛行士元軍人政治家といった人々がロズウェル事件をはじめとする「地球外知的生命」の情報公開を政府に求める会見を度々行っている。
その名は…事件発生から70年近く。
政府への疑惑は消える事なく今も続いている。
専門家はこうした陰謀論は国家に対する国民の信頼が揺らいでいる事の表れだと指摘する。
陰謀論と切り離す事ができないアメリカのUFO神話。
こうした心の動きはどこから生まれるのでしょうか?ロズウェル事件の再燃というのは政府への不信感みたいなものもあって…?それは大変あると思いますね。
簡単に言えば1960年の年末からベトナム戦争が始まって最初は正義のためとみんな思ってたけれどもどんどん泥沼になっていってそのあとニクソン大統領がベトナム戦争を終わらせようとしましたがその前にウォーターゲート事件というのが起きてニクソン大統領が史上初めて辞任してしまってつまり第二次世界大戦で輝く勝者になって偉大なアメリカと思っていた歴史がもう粉々に砕け散っていった時代ですから。
まあそもそもの話として本当に宇宙船が墜落して回収されたっていう事が事件があったとしたらそれを完璧に隠す事って難しいんじゃないかなって思うんですが…。
無理です。
(皆神)全く何もなく気付かないで最後までいけば逃げきれるかもしれませんが…ましてや会計検査院みたいなのが全部調べたって何も出ないのはそれは本当にないんだよと考えるのが普通だと思いますよ。
隠蔽工作というよりも。
アメリカの社会の一つのポイントはもともとはミステリーがないんですよ。
謎のない謎を持てない国民なんです。
はぁ…何でですか?独立宣言つまり国をつくったのが1776年ですからまだ240年にもなってないんですね。
例えば日本ですと神武天皇がキリストの生まれる660年前に即位されたという神話があって。
ヨーロッパですとギリシャ神話プラスローマ神話であのヨーロッパの根深い文化の社会の安定をつくってるんで。
アメリカだけが先進国の文化の中でミステリーが何もないんですよ。
だからそれに代わるものとしてUFO神話という自分たちの神話を1947年つい最近から作ろうとしてきたというような形ですね。
ただアメリカの場合ですね機械文明の国ですから。
そうすると機械に乗ってきた幽霊じゃないちゃんとした生命体が我々の所に科学技術で降りてくるというのはアメリカ人の神話としては一番持ってきやすい信じやすい神話なんですね。
栗山さん自身はどうですか?最初は「空飛ぶ円盤だ!」と空を見上げて宇宙に思いをはせていたと思うんですけどいつの間にか政府や軍の陰謀の話になってきちゃったかなと思うとちょっと寂しい気もしますね。
2015/02/07(土) 22:30〜22:50
NHK総合1・神戸
幻解!超常ファイル「アメリカUFO神話(3)ロズウェル事件・後編」[字]
アメリカ政府は墜落した空飛ぶ円盤と宇宙人の死体を隠している?疑惑を検証、真相に迫る!くつがえされる目撃証言。軍が本当に隠した光る物体とは?知られざる現代史の闇!
詳細情報
番組内容
政府は本当に墜落した空飛ぶ円盤と宇宙人の死体を隠し続けているのか?「Xファイル」など、さまざまなドラマや映画に影響を及ぼしたロズウェル事件。アメリカUFO事件史上、最大の陰謀疑惑を徹底検証する完結編!謎の残骸の正体に迫った元軍人に直撃取材!軍が隠し続けた光る物体、驚きの正体とは?「宇宙人を見た!」目撃証言を確認していくと、意外な事実が!そして、政府最強の機関が調べ上げた、巨大な陰謀の真相とは?
出演者
【ゲスト】超常現象ウォッチャー…皆神龍太郎,独立総合研究所社長…青山繁晴,【司会】栗山千明,【語り】中田譲治
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
アニメ/特撮 – その他
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